風神雷神 Juppiter,Aeolus(ユピテル アイオロス)下 (PHP文芸文庫)
- PHP研究所 (2022年11月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569902562
作品紹介・あらすじ
織田信長、狩野永徳にその才能を見出され、天正遣欧少年使節とともに欧州に渡った俵屋宗達が出会ったもう一人の天才画家とは……。
感想・レビュー・書評
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ごめんなさい。上巻二冊登録してしまったので、修正します。酔っ払ってました(^_^;)
ふわぁー。
壮大な物語だった。
原田マハ先生、やっぱり世界観半端ない。
絵師 俵屋宗達と、天正遣欧少年使節の原マルティノの壮大な冒険の続編。
日本からローマまでの苦難の航海。
ローマ教皇との謁見。
そして天才絵師との出会い。
どこまでが正史なのか全く知識は無いのだが、この物語を読むと、もうそれが、この物語が実際にあったことなのだろうと思わせるリアリティと、臨場感。
ワクワク、ドキドキ、彼らと一緒に航海をした気持ちになれた物語だった。
本当に素晴らしい!
原田マハ先生、本当に凄い!!!
そして美術史研究者の解説の方。
凄い文章力。
こんなに素晴らしい解説をお書きになれるのだがら、もう小説家になれるのではないかと思ってしまった。
いやぁ、素晴らしい本だった。
だから読者はやめられない(*^^*)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
850ページもの大作を読み終え、余韻に浸ること暫し‥。途轍もない歴史絵巻であり、ファンタジーでした。随分愉しませていただき、原田マハさんに感謝しかありません。
史実の点と点を繋ぎ、そこに更に豊かな創造を加え、美術作品や画家の魅力を新たな物語に載せて、私たちに届ける‥。これが原田マハさんの最大の功績なんだろうと思います。研究者の方に優れた解説をしていただく以上に没入してしまいます。
小説は小説なので、ミステリー調が薄れたとか、現代パート(プロローグとエピローグ)が極端に少ないとか、諸々の声があるやもしれません。でも、私たちが何をもって「面白い」「ワクワクする」かと言えば、ズバリ・知的欲求が満たされた時、ではないでしょうか?
そういう意味で、上巻のレビューにも書いた通り、浪漫大作に間違いありません。〝美しいもの〟への憧れや愛情は、洋の東西を違わないんだなと、改めて感じさせられます。
原田マハさんは、歴史の中に埋もれている0.1%の可能性‥、そこにフィクションを作る面白さがあると認識され、見事に具現化し提示してくれてるんですね。
国宝「風神雷神図屏風」は、京都・建仁寺の至宝で、今は京都国立博物館に寄託され、建仁寺にはレプリカがあるとのこと。
あぁ‥両方に行ってみたい! と思わせてくれる素晴らしい物語でした。 -
大好きな原田マハさんのアート小説。
少し前に書店で上下巻をまとめて購入したままずっと読めていなかったのですが、年末年始のまとまったお休みでようやく読了できました。
毎度のことながら、今回は日本の絵師"俵屋宗達"にすっかり魅了されてしまい、早く京都国立美術館に行きたくてうずうずしています(笑)
あと、作中で宗達と運命的な出会いを果たすカウヴァッジョの作品も見てみたいなぁ〜という気持ちになりました。
(日本の美術館が所蔵している作品はなさそうで残念…)
歴史上の俵屋宗達という人物は、作品は幾つか残っているものの、その人物を語る資料はほとんど無く、生没年すら明らかでないとこと。
作中の宗達は、怖いもの知らずで好奇心旺盛な少年として描かれており、あの天下人・織田信長から一目置かれ、ローマ行きを命ぜられるという展開で物語が進行します。
実際には、宗達が天正遣欧少年使節とともにローマ教皇に謁見したという史実はないようですが、長崎を出航してからマカオ、インド、アフリカ大陸の希望峰を経て、ポルトガル、スペイン、そしてイタリアへとたどり着く様子には非常に心躍らされました。
大いなる冒険を経験し、宗達が立派な絵師になる物語。
2023年の締めくくりに素晴らしい一冊が読めて良かったです♪ -
上巻は織田信長も出てるから?話に勢いがあったけど、下巻は穏やかに緩やかに終わった感じ。
一緒に京都、長崎そして何年もかけてローマに行って、沢山の絵画を見てきた気分。
この本を読んだことで、絵画、世界史、日本史、色々なことに興味が出てきた。学生の時に読んどけば、もう少し世界史に興味が持てて点数もよかったろうに…。
「どれが本当の話でどれがフィクションか分かんなーい!」と叫んだら、目の前の主人が「ダヴィンチコードもそんなんやった」とのたもうたので、今度はダヴィンチコードを読もう(もはや感想ではなく予定)。 -
幾たびもの苦難を乗り越え、はるかヨーロッパまで辿り着いた少年使節と宗達たちの現地での様子とその描写には、読者もうれしくなる。
彼らの心理描写が微に入り細に渡っているゆえ、そんな彼らに日本での想像を絶する残酷な運命が待っているから、より哀れさが募る。
著者の、画家や絵画に対する並々ならぬ知識と想像力が生み出したアート小説を堪能したというのが正直な読後。 -
歴史において残されたものの、奇跡。
日本を出てローマへ行き帰ることの壮大さがすごかった。
人々が生き生きと描かれ、出会いがすべて、面白かった。
「歴史は、ときに残酷である。」
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少年達がどの様な心持ちで、どの様な人たちと交流を持ち旅をしたのか。それがどれだけ価値のあることだったのか。リスクと隣り合わせだったのか。これまで興味を持って考えたことは一切なかった。
下巻を読んで、想像する力ってとても大切だなとも思えた。日本の絵師が使節団の子ども達と一緒に海外へ行くなんて。
知らないことを興味をもたせて読ませてくれる小説だった。携帯片手に検索しながら読んだのはきっと自分だけではないと思う。
知識から想像する力は生まれるのだなと感じた。 -
俵屋宗達だけでも凄いのに、カラヴァッジョまで出てくるとは!確かに、この2人がもし出会っていたとしたら、と考えたらワクワクしますね♪
改めて俵屋宗達とカラヴァッジョの作品を見返してみました。 -
ここ数年の中で1番好きな小説に出会えました。
京都、長崎からローマまでの険しい長旅を魅力あふれる登場人物と共に完遂できました。清々しい気持ちになれる読後感が素晴らしかったです。
私の美術好きを知っている元ボスが薦めてくれた一冊。感謝です。 -
マルティノら使節団一行と俵屋宗達それぞれの目的を果たす為ローマへ。
現代のように数時間で飛んで行ける時代ではなく、長い年月をかけての航海。
それゆえ再会が現実的でなく、行く先々での出逢いを重んじ、純粋に、信念を貫き通し壁を乗り越えていく少年たちの姿に心打たれる。
とても美しい物語。