風神雷神 Juppiter,Aeolus(ユピテル アイオロス)下 (PHP文芸文庫)
- PHP研究所 (2022年11月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569902562
感想・レビュー・書評
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ストーリーに引き込まれすぎて1日で読めた。
寧ろこのお話しが史実であったならどれだけ面白いかと、
なんならそうであって欲しいと思いながら読んでた。
素晴らしいアドベンチャーだった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
狩野派、洛中洛外図屏風、俵屋宗達、風神雷神図屏風…何となく、言葉だけ、雰囲気だけ知っていたような気になっていたことに対して、明確なイメージをもつことができた。
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昨年末から読み始めて、一旦上下巻の狭間で中断。
こうなると数ヶ月間を経て再び物語へ戻る事は難しくなる筈だが、決してそうならない理由は、書き手の豊かな想像力がその筆へ、極めて鮮やかに落とし込まれているからだ。
そう信じて疑わない。
すっかり著者の代名詞となった「アート小説」。
本作でも伝説の画家達がドラマティックに行き交っていた。
俵屋宗達、狩野永徳、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、果ては織田信長まで…
小説自体が、彼等の壮大な交差点の様である。
その想像の翼は留まる所を知らず、同時代に生きながら遠く遠く隔たっていた宗達とカラヴァッジオさえ、とうとう出逢わせてしまった。
レオナルドが遺した威風堂々たる仕事を前に、握手を交わす少年時代の二人。
読者はそんな有り得ない、否しかし有り得たかも知れない場面に、著者によって出逢わされる。
これもまた、文学と言う芸術の偉大な仕事である。
そして、私達が美術館や博物館へ足を運んで眺められる作品の背景には、どれ程の苦労が染み込んでいるか…
それを考える、絶好の機会も与えられた。
絵画は、描く者の才能のみでは受け継がれない。
保護、修繕、展示、売却、寄贈…
多くの手を渡って今、ここにあると言う事実。
アートを前にする瞬間に、今度はより一層ドラマを感じられる事だろう。
著者の言葉を借りれば、アート作品はタイムカプセルと言える。
芸術に心血を注ぎ込んだ者達の、清々しい大長編であった。 -
史実と創造がうまく合わさって夢のある展開だった。原田マハさんの作品はいつも説得力があるフィクションで「そうだったら面白いな」とワクワクさせてくれる。
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上巻では白象図や洛中洛外図屏風など日本の作品が主でしたが、舞台は海を越えていき、"天地創造"
、"最後の晩餐"など様々な作品が登場し物語も終盤に、、、、
かと思いきや、カラヴァッジョが登場したところで物語の足が止まり少し蛇足感があるように感じました。なので、☆3です、、、
とはいえ、上下巻を読み終えて、やはり原田マハさんのアート作品は面白いなと思いました!また次回も楽しみにしています。 -
描くコトは生きるコト。祈るコトは生きるコト。
自分の生きるコトはなんなのか考えさせられます。
ロマン溢れる物語でした。 -
織田信長が生きた異国情緒ある戦乱の世。その時代を生きた原マルティノ、俵屋宗達、カラヴァッジョがもしも時間をともにしてきたら。史実とフィクションが折り重なっていく。原田マハワールド全開。俵屋宗達とカラヴァッジョの作品を後からググる楽しみも。一枚の絵が目の前にある奇跡。
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終わってしまった!という感想。えーこれで終わりかぁ、もっと旅したかった。まだ日本帰ってないし。