- Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575235203
感想・レビュー・書評
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短編集だから読みやすかった。最後の話はちょっとしっくり来なかったけど本としては面白かった。
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もっと深刻にも重くもできそうなところを不自然でない軽さで、読み心地がよかった。
「タイムラグ」は最後まで不倫の恋をどうするかに触れていないところがいい。 -
2021年11月号の雑誌「ダ・ヴィンチ」が、瀬尾まいこさん特集でした。
瀬尾さんの小説は、いくつか読んだことがあったのですが(ちなみに中でも好きな3作挙げるなら「戸村飯店青春100連発」「強運の持ち主」「傑作はまだ」です。2021年11月時点)、まだまだ読んだことがないお話があるんだなあ…とわかりまして、まず手に取ったのが本書「優しい音楽」です。
本書は「優しい音楽」「タイムラグ」「がらくた効果」の短編3本から成り立っています。どのお話も独立して読めます。
「優しい音楽」は、主人公・タケルと、のちに彼女になる千波との、ふしぎな出会い方がまず、ポンと置かれます。
ただ、その出会いをふしぎに思っているのはタケルだけで、千波には理由はわかっているのです。その理由とは…あっ、モゴモゴ…(口をナニモノかに塞がれる音)
「タイムラグ」は、不倫相手・平太から、「妻と旅行に行くから、娘預かってちょ」と言われた深雪と、娘の佐菜ちゃんのお話。
少しずつ、平太の妻のことがわかるにつれ、平太、実はいいやつ?!と見せかけてきますので、ぜひともジャッジをお願いします。
ちなみにわたしは最後まで読んでも平太アウトー!でした。
「がらくた効果」は、いつもがらくたを拾ってきてしまう恋人のはな子が、今度は人を“拾って”きてしまうお話。
唖然とする主人公・章太郎でしたが、“拾われて”きた佐々木さんとの関わりが、2人に変化をもたらします。さてそれは、どんな変化だったのでしょう?
あれですかねこれは、一緒に怖い体験すると、吊り橋効果でふたりともくっついちゃうやつですかね、これ。(いや違うし)
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日常のなかの、ちょっとした違和感は、それぞれを立ち止まらせて考えさせるきっかけを作ります。
ふだんの暮らしでは、実際にそうした違和感に出会えないことの方が多いかもしれませんが、「優しい音楽」を開くと、そこにはさりげない違和感がキュッと置かれています。
それが登場人物たちだけでなく、読み手の日常にも「タイムラグ」はすこしありつつも、「がらくた効果」をおよぼしてくれるのですね。
超能力者が飛び交ったり、実は命の危険のある場面に出会したりはしませんので、インパクトという意味では物足りなく感じるかもしれませんが、何気ない日常の中、ふわっと「アレ?」とちょこっと歩みを止めるにはぴったりの短編たちですので、よろしければこの感想を読んだ方に、バトンのようにお渡しできたらとおもいます。 -
ホント瀬尾さんの作品は読みやすいです。
あっという間に読めました
ちょっと変わった出来事を綴った
短編が3作
3作くらいだと短すぎず
ちょうど良い長さだなと感じました
初対面なのに自分を見つめて、探してくる少女と
毎朝会話するようになって付き合うようになった話
恋人が妻と旅行する間、
娘を預からないといけなくなった話
同棲してる彼女が
ホームレスのおじさんを拾ってきて
一緒に生活する話
あまり自分には起きなさそうなことなのに
何かを気づかせてくれるような言葉が散らばっていました
3作とも心があったかくなるような読了感でした(^^) -
どの話も、心があったかくなるような良い話でした。
特に、一話目の優しい音楽が良かった。タネがわかった瞬間、これはハッピーエンディングにはならないのでは?と思ったんだけども、良い終わり方だった。 -
短編が3つ
平易なことばで
身近でありそうな
あったら面白そうな話を紡ぐ
人と人の関係は何が起こるかわからない。
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2019(R1)10/10-10/12
社会の中にいそうだけど、ちょっとヘンテコな人たちが織りなす日常の変化を切り取って綴った短編集。
登場人物の設定がおもしろい。
初対面でいきなりガン見する美少女とそれに惚れてしまう男。
不倫相手に自分の子どものお守りをさせるアホな男に辟易しながらも、子どものお世話をするうちに、不倫相手の奥さんを守ってしまう女。
ホームレスのオジサンを拾ってきて同棲を始めるカップル。
その誰もが日常生活の中で少し成長していく。
その過程をサラリと綴っているところが気持ちいい。 -
優しさを感じた