- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575237344
感想・レビュー・書評
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「小説推理」に掲載されてきた読み切り作品5編を収録。
いずれも共通するのは、人生の逆境へ立ち向かう女の子の姿を捉えた作品というところ。取り上げられている5人は、生きる時代も環境も、ましてや年齢も職業も全く異なる。ただ、それぞれ戦うべき人生が自分の前に立ちはだかっているところだけが共通しているのだ。
ぐいぐいと読み手を引き込むストーリー展開に思わず夢中になる。
それにしても、一作毎にあまりに異なる環境の主人公。その背景や人物像を描き分ける著者のチャレンジ精神に敬服。その中でも、意外にホロリと来たのは最後の作品で、小学生を主人公にした「足して七年生」。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どう受け止めたらいいのか戸惑いつつ読んだ。
1作目の「キャッチライト」は落ちぶれた元アイドルの必死の起死回生策の話。身も蓋もない話でやや鼻白む。
次がフィギュアスケートの話で、スケーターの話ってどうしてどれもスケート馬鹿みたいな主人公になってしまうのか不思議でならなかった。
「半地下の少女」は終戦のころの満州にいた日本人の少女の話で、私の父が同じ引揚者なので身につまされながら読んだ。でも今ひとつよくわからなかったなあ。
「ペガサスの翼」は女性ライダーの話。最後の「足して七年生」は小学生の話。どれも、参考文献から作り出しましたという感じが生々しくて、今ひとつ小説としての深みがないような気がした。
前作の「オープンセサミ」はすごくよかっただけに、ちょっとあてが外れた感じがしてしまった。 -
様々な敵・時代・局面・想いで戦う少女たち。
特に、戦時下を描いた半地下の少女と、イジメと戦う少女の足して7年生が印象深い。