緑ヶ丘小学校大運動会

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 191
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575237351

作品紹介・あらすじ

「おれは、先輩の味方になりたい」今日はマサルにとって小学校最後の運動会。好きな子と同じ委員になったし、リレーの選手にも選ばれた。だけど優勝杯の中に薬の空シートを見つけたことから、運動会の色合いが一変する。そのシートは「殺人の証拠」かもしれないのだ。しかも犯人は、憧れのあの先輩だなんて。「このままには、絶対しない」マサルの父親・真樹夫は、子どもたちの間でドラッグが出回っているという情報を耳にする。携帯には差出人不明のいわくありげなメールが送られてきた。昨夜は、ある子どもの母親が死んだ。小学校で今、いったい何が起きているのか-。真樹夫は真相を探り始める。運動会の校庭で繰り広げられる小学生の「推理」と大人の「思惑」。プログラムの進行とともに、ふたつは交わり、そして意想外の真実へとたどりつく。運動会の一日はミステリーの最高の舞台。

感想・レビュー・書評

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  • いまいち集中し切れなかった。特に小学生パートは間延びして感じられて入り込み辛かった。子供に邪険にされるのは悲しいなあなんて、いつの間にか親の方に目が行くようになっていた。でもダイエットに必死になって食べるものに過敏な梢はちょっと他人事じゃなかった。

  • 122:森谷さんは平安とかファンタジーの方が好きだなあ、と思いました。すごく読みやすくて、さらさらーっと読んでいるうちに、終わってしまって。なんだかメリハリに欠けた気がします。面白くないわけではないんですが、起きている事件に対する切実さがあまり感じられなくて、物語に感情移入できませんでした。何だかもったいないなあ……。

  • 緑ヶ丘小学校の運動会でひそかに出回っていた薬物事件の真相。

    優勝杯のなかに入っていたビーズケースの薬を見つけた6年生のマサルとイッキたち。

    母親たちの間で出回っていた痩せ薬が
    1人の母親の入院によって
    運動会のあいだに薬を回収することになっていたこと。

    痩せ薬が、いつの間にか児童たちにも広まりを見せていたこと。
    それに紛れて違法ドラッグも同時に出回ろうとしていたことと、薬物中毒で死亡した母親。

    真相をつきとめたマサルたち6年生と
    マサルの父親。

    運動会中の子供たちの云々が長かった。
    最後にぎゅっと色々つまってる感じ。

  • 小学校最後の運動会での父子家庭の石田家のお話。息子のマサルは、来賓室から持ち出した優勝杯の中に綺麗な青いビーズがついたケースを見つける。中には使用済みの錠剤フィルターのみ。この薬が高血圧の薬で、更に昨年優勝した白組の主将の先輩の祖母が運動会当日に亡くなったことも合わせ、子どもたちは事件を推理していく。
    一方、父親のほうには謎のメールが届く。更に、知り合いの老女に、最近ダイエットに効くという薬が子どもたちの間で流行ってるらしいと聞く。
    父子は、この薬の謎に挑む。



    なんというのか、釈然としない結末だったなー。結局、本当の黒幕は誰だったんだろう。あの女の人なのかもしれないが、『頭の軽い女』が出来るのかな?と思ってしまう。そして、いけないことだったけど、みんなの家庭ぶち壊して終わった感半端ない。最後は、あのおばさんの完全勝利だけど、認知症の人の独り言なんて誰が間に受けるの?とか。


    まあ、一緒に賑やかな運動会を過ごした感はあったけどな。


    2016.12.17 読了

  •  運動会の当日。小学生たちが遭遇したひとつの出来事と小学生の保護者たちに起こった出来事が、双方のルートからアプローチされて、一点に集約されて、謎が解明されていく。
     運動会のプログラムが小説の進行を表していると同時に、時間切れが迫る緊張感を生み、全てが終わった後の安堵感漂う雰囲気とうまくマッチしているという印象。
     小学生の描写も、PTAの様子も、子どもたちから見た教師像も、「そうだそうだ、こんな感じだった」と言えた。
     最後の謎解きの結論が、個人的にはイマイチ。

  • 運動会のプログラムが本の目次になっている
    面白いアイデアだと思ったが 主に子供目線書かれた部分がダラダラと長すぎて 読み進むのに かなり努力が要った 運動会が終わる辺りから視点が変わり 気を取り直してようやく最後までたどり着けた

    おなじような謎解き本ながら 以前の「れんげ野原のまんなかでの方がましだった

  • 小六のマサルは運動会当日、優勝カップの中から不審な薬の入ったピルケースを発見する。
    同級生たちとその薬が隠された理由を推理し、殺人にマサルの憧れの先輩が関わっているかもしれないという結論にたどり着く。
    一方、保護者席にいるマサルの父は、学校内に危険な薬が出回っているという情報を耳にする・・・。

    運動会のプログラム進行と共に小学生側と大人側の二つの視点での思惑が絡み合い、意外な真相へとたどりつく・・・という凝った構成が面白かったです。

    様々な手掛かりが次々と提示され、先の読めない展開が実にスリリングで、とてもリーダビリティが高いお話でした。

    ただ、終盤は人物関係が錯綜して、ごちゃごちゃした印象が残りました。
    運動会終了後のシーンが長いので、運動会中に事件解決まで終わらせるとすっきりしたんじゃないかな、と思いました。

  • こんな展開になるとはタイトルから予想もできなかった。もっと明るいお話なのかと思っていたのに…!怪しい薬と事故死の謎解明に子どもたちが奮闘するミステリー。それとは別視点で父パートの謎解き。んー、ラストが消化不良かな。2011/483

  • なんだこのわけのわからない、イラっとするメール文は、と思いつつ読む。

    そのメールを打ってる人たちと、運動会の主人公である小学生たちと
    その中の1人の父親と。
    いろんなひとのいろんな思惑やら、考えやら、行動やらが交わって
    おもしろかった。

    にしても運動会で親子が別々にお昼ご飯って・・・・。
    私はあのお昼のお母さんがつくってくれたおむすびが大好きだったのだが・・・・。うう、時代が違うってオソロシイ。

    ジュースの話が最後にもう一度意味をもってくるあたりが、上手いなあっと思った。
    なんだか黒々しい感情がいきかう中で、
    マサルたちの健常さが際立つ、とゆーかほっとする、とゆーか。
    イッキとマサルの息の合った感じとか、ヒロシくんの素直さ、とか、
    カオルちゃんのてきぱき感もすきだし、ハルカちゃんのめんどくさい感じさえかわいいと思える。

    組み体操、うまくいってよかったなあ。

  • 小学生を持つ親として、運動会の運営の裏側が描かれていて
    リアルだなあと思った。うちは今小5の子供がいますが、
    6年生になったら、運動会の運営にかかわることが多いんですね。

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著者プロフィール

1969年静岡県生まれ。日本画家・屏風作家。筑波大学大学院芸術研究科美術専攻日本画分野修了。渦巻きをモチーフにした屏風制作を行う傍ら、神社、寺院,協会への奉納絵画をライフワークとして続ける。 主な奉納・収蔵作品大徳寺聚光院伊東別院 墨筆による「千利休座像」軸一幅/駿河総社静岡浅間神社四曲一双屏風「神富士と山桜」。主な出版物 絵本『おかあさんはね、』(ポプラ社)/絵本『メロディ』(ヤマハミュージックメディア)/絵本『サクラの絵本』(農文協)/詩画集『国褒めの歌巻一』(牧羊舎) 
自身の日本画制作に加え、寺社奉納絵画、絵本制作、コラム等の執筆、講演会等を行う。人と人、人と自然、人と宇宙が穏やかに調和する日本文化の特質を生かし、新しい世界に向けたパラダイムシフトを呼びかけている。静岡ユネスコ協会常任理事。

「2020年 『ジャポニスム ふたたび』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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