- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575238921
感想・レビュー・書評
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相続をめぐり家族が崩壊していく様は息を呑んだ。
最後、お母さんのしたたかさに笑ってしまったが、苦労が報われてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
著者初読み。構成が凄いですね。途中読んでて辛くて醜いシーンもありましたが、良くできた推理モノみたい。相続と家族、家族なのに大きくなると別の自分の家族があって、兄弟姉妹だけで、とはならないものなんですね。知らない相続の制度も勉強になりました。みんな「自分のところだけは大丈夫」って、つい思ってしまいますけど。相続に当事者以外が絡むと厄介、これはそうかもしれません。
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どこの家にでも起こりそうな遺産相続問題。どんなに仲良い一族でもお金が絡むとこういうことになるんだと考えさせられる話でした。
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遺産相続を巡る人間模様を描く。
8章からなり、物語は、相続人の1人、渓二郎の娘・りんの視点で描かれる。
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相続が絡むと血縁関係にもひびが入る。よく言われることです。平等に分ければ済むものなのに、なぜ揉めるのか? その理由がよくわかる構成になっていました。
・ 取り分を多くしたいという利己主義
・ 相続人以外の人間の(欲得ずくの)介入
・ 故人の気持ちを汲もうとしない不人情
そして、陽一郎のような強い劣等感や、風子のような享楽至上主義が、話をこじれさせることもよくわかりました。こういう人間とは、親族であっても縁を切るべきだと思いました。( りんは縁を大切にしたそうだったけれど甘すぎると思います。それよりは容子のつかず離れずのスタンスの方を見習いたい。)
本作は、植田大介という、正体不明の人物が序盤から登場することによってミステリータッチで進んでいきます。そのおかげで、前半は読み進めるモチベーションにつながりました。( 結局、真壁家とは血縁がないのがわかって少しがっかりはした。)
また、故人の介護に尽力しても相続の蚊帳の外に置かれる現行法への問題提起になった点でも、彼はキーパーソンとなっていました。
キャラクター設定として優れていたと思います。
苦手なイヤミス構成ではありましたが、いちばん賢く立ち回ったのが容子だったことが明かされるラストのおかげで、最後まで読んでよかったと思えました。優れた〆だと思います。
ただ欲を言えば、容子とりんはやがて千歳にいる渓二郎のもとに身を寄せ、地道に幸せに生きていくというオチにして欲しかった。 -
確かに、相続の話は当事者だけの方がスムーズに行きそう。配偶者や周りに相談するといらぬ知恵がついてそう。怖い怖い。
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相続 うん。うん。
小説だぁ。〆もあり。すごいなぁ。 -
お金が関わると、どんな仲良い家族や親戚でも、自分が得しようとするんだなと。
相続って、残された側は面倒だなと思った。 -
これ、教訓だね。
財産なんてないから、と思っていても相続となると揉めるのかもしれない。関係ない人は口出ししてはいけないやね。