分かれ道ノストラダムス

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 304
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575239867

感想・レビュー・書評

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  • 深緑さんなので期待したんだが、
    思ったほどではなかった。
    いや、決しておもしろくない、とかじゃなんだが、
    なんか表紙と題名と最初のパラレルワールドとかの単語から
    もうちょいファンタジーっぽさが入るのかと思ったら、
    まったくその要素皆無だったので、
    ちょい肩透かし。
    なんか、結局死んだ子は死んだ子でしかなかった、とゆーか、もうちょいなんか物語に関係してくるのかと思った。

    わざとなんだろうが、ルーズソックスだとか、宇多田ヒカルだとか微妙に時代性のある単語がはいってくるとなんか違和感?手垢感?あるなあ、と。

  • 一気に読んでしまいました。
    無鉄砲で、身体が先に動く主人公と、落ち着いて思考しながら行動する相棒となる男子生徒のコンビがバランスが取れてて見ていてホッとします。また、主人公の心理描写は揺れ動く様がリアルで共感も得ることが出来ました。

  • 一気に読み切ってしまった。
    現代的なさまざまな社会的問題や、生と死について、若々しい視線(高校1年生)で描きながら、物語を綴りきった、という印象。盛りだくさんだけれど、テンポ良く駆け抜けられた。
    ノストラダムスの予言の時代(1999年)は、すでに約20年が経つわけだが、時代は変わりつつあるな、と思う。
    友人や親しい人の死は、時に、人に大きな陰を落とすけれど、誰も死を避けては通れない。超えていくしかない。

  • ノストラダムスの大予言、あったなぁ。
    子供の頃に知って、その日は本当に本当に怖かったのを思い出した。
    さて、深緑さんの作品を読むのは3作目。
    過去二作はどれもハズレがなかったので今回も期待を込めて読み始めた。
    ハズレないわー。今回はかなり読みやすく中学生向けかなという気もしないでないし、なかなか都合の良い展開な部分もあるし、やっぱりなと思う箇所もあるけどすべて含め面白かった。
    主人公たちが事件を乗り越えて、みんなハッピーとならず少なからず傷を負うのが、微妙にリアルで良かった気がする。

  • 今は懐かしいノストラダムスの予言
    そんな時代のちょっとしたミステリー小説のつもりで読み始めたら話がどんどん展開していって一気に読んでしまった!

    以下、ネタバレ含むあらすじと感想

    1999年7月
    世の中がノストラダムスの予言でザワザワしていた時代の話
    女子高生のあさぎは急逝した友人基の三回忌で彼の残した日記らしきノートを受け取る。
    そこに書かれていた不思議な内容について調べるためにクラスメートの八女君を頼ることに…
    基は事故で亡くなった両親が生き残る道はなかったのかという思考模索をしていたのではないかという話を聞き、あさぎも基が死ななかった未来はなかったのか、その分岐点を探ろうとする。

    パラレルワールド、タイムリープ、そんな話になるのかと思ったけれどそんな訳ではなく、あくまで机上の空論の話。
    でも基の死を受け入れきれなかったあさぎにとって、彼の行動を追体験することは苦しく恐くても止められなかった。
    その過程で仲良くなっていった八女君。八女君の知人のオカルトおたくの久慈さん。
    最初は基の死の謎を探していただけだったが、ひょんなことからあさぎたちは終末思想に捕らわれたカルト集団に狙われることになる。

    ラストの方であさぎがカルト集団に捕まり、X氏が本性を現し始めるとちょっとちゃちく感じ始めたかな でもなかなか読みやすく、ぐいぐい読ませていく感じで飽きずに一気読み。面白かったです。

  • 何かあると思うと違う。
    期待しすぎは禁物。

    ノストラダムスを信じたい、信じされられてた
    1999-2000年初頭の空気感だけ
    再現できてるからそれでいいとしよう。

    バタフライエフェクト
    分かれ道と言っても
    沢山の2択、3択の
    うちから成り立ってるだけで1
    つだけ変えても未来はそんなに変わらない。

    それよりもこれからの未来を考えるべきだという事なのかな〜。

  • 話題になっている作家なので期待して読んだ。はじめにパラレルワールドの話題が出てくるので、パラレルワールドものか、と思って読み始めると、そうではなくカルトがらみの青春ミステリっぽいので、「このミス」で選ばれた作家だから、きっとびっくりするようなオチなりどんでん返しがあるに違いないと、設定の甘さは大目に見て、グイグイ引き込まれないのは私が年取っているせいだと自らを納得させ、我慢して読んだが。何の意外性もなく、思った通りの展開。青春小説としても、特に優れているとも思えない。
     これは単に失敗作で、前作(読んでないが、評価が高いので)が実力なのか。それとも前作がたまたま出来が良かったのか。
     しかし、いい作家だと、たとえ物語が大したことなくても描写や語りに惹かれるものだけど、そういうこともなく。
    前作を読む気が一気に失われてしまった。

  • 浅葱は中学の時の同級生、基の三回忌で基の家を訪ねた帰りに、基の祖母から彼が大事にしていたノートを遺品として託される。そこに書かれていたのは彼の両親が事故で亡くなった日の行動が書き記されていた。そして付け加えられたメモから、どんな選択をすれば両親が死なずにすんだのかという平行世界を試していたことを知る。浅葱も、基が死んでしまわないようにするにはどうしたらよかったのか考えることにしたが……。

    あれよあれよと言う間に話が転がって大きくなって収集つかな…いや収集はついたけどこんなに広げる必要あったのか?という印象。序盤の、なぜショッピングモールに行ったのかあたりで畳んでちょっと苦い短編でもよかったような。八女くんが恐ろしく優秀なのと綾瀬ちゃんの大人っぽさのせいで、主人公の無鉄砲さとかテンションのアップダウンなどがより強調されてしまって一人称で読んでいるのがちょっとしんどい。あとなんかヘンテコな比喩が多かったのは主人公の幼さの現れなの?前作がよかっただけにちょっと残念。

  • 1999年、恐怖の大王がやってくるとされた年の、ある地方都市が舞台の物語だ。

    中学時代の同級生の三回忌に出席し、なぜ彼が死ななければならなかったのか、その死を回避する「分かれ道」はなかったのか、と女子高生のあさぎは過去を検証し模索する。
    一方、あさぎが昔暮らしていた町では、ノストラダムスの予言から生き延びようとする新興宗教「アンチ・アンゴルモア」が勢力を伸ばし、次第に過激的な行為をとりはじめていた。
    まったく無関係だったはずのあさぎは、次第にトラブルに巻き込まれていく。

    あー、ノストラダムス、あったなぁ、と懐かしくなった。ミレニアム以降に生まれた人はよく知らないんじゃないだろうか。
    ほとんど信じていないけれど、ほんのわずか、信じて怯えてしまう微妙な空気、そこから生まれる人間の弱さや歪は1999年がとうに過ぎ去った現代にも通じる何かがあるように思えた。

    無鉄砲なあさぎの短絡さと、冷静沈着な少年八女くんのコンビが楽しい青春小説だ。

  • 途中で多少展開が読めたけど最後は鼻の奥がツンとなった。この数年の伊坂作品にも通ずるものもあった。Don't believe the hype

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著者プロフィール

深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、「オーブランの少女」が第7回ミステリーズ!新人賞佳作に入選。13年、入選作を表題作とした短編集でデビュー。15年刊行の長編『戦場のコックたち』で第154回直木賞候補、16年本屋大賞ノミネート、第18回大藪春彦賞候補。18年刊行の『ベルリンは晴れているか』で第9回Twitter文学賞国内編第1位、19年本屋大賞ノミネート、第160回直木賞候補、第21回大藪春彦賞候補。19年刊行の『この本を盗む者は』で、21年本屋大賞ノミネート、「キノベス!2021」第3位となった。その他の著書に『分かれ道ノストラダムス』『カミサマはそういない』がある。

「2022年 『ベルリンは晴れているか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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