最後のページをめくるまで

著者 :
  • 双葉社
3.10
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本棚登録 : 427
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575241907

感想・レビュー・書評

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  • 「使い勝手のいい女」
    今も昔も変わらない彼女。
    人は簡単に変わる事は出来ないが、色々と経験したうえでも三人三様変わらないというのはある意味面白いな。
    都合良く使われると分かっていて、彼女はその状況を変えないというのならお人好し過ぎないだろうか。

    「骨になったら」
    破滅への道を自ら歩む。
    不妊治療を経てやっと自分の元へ来てくれた我が子の死となると、心が壊れてしまっても仕方ないだろう。
    彼自身も過去の出来事や色々な事で疲弊していたのだろうが、流石に彼女の存在を甘く見すぎていたな。

    「わずかばかりの犠牲」
    彼が話していた内容は。
    どんなに切迫した状況であれど、人を騙しお金を奪うなんて行為はしてはいけないだろう。
    彼自身やその他の人物に仕返しがしたい気持ちはわからなく無いが、少しやりすぎではと思ってしまうな。

    「監督不行き届き」
    お花畑で夢見がちな女。
    彼女は何処までも現実を見ること無く、自分の理想の世界に居たが結婚出来たとしても上手くいかなかったろうな。
    彼女に監督責任などと口走った義兄は、一体あの状況のどこを見てそう思ったのか聞いてみたいな。

    「復讐は神に任せよ」
    誰かに殺された命の重さ。
    大切な家族をたった一人の人間に殺されたうえ、真実を揉み消されたとなると復讐も仕方ないのだろうな。
    ただ皆に言える事は相手を殺す事しか頭に無く、その背景を見ようとはしていないように感じたな。

  • どんでん返し集とは思わずに読み始め、タイトルの意味に途中で気付いた。落ちだけが面白いわけではなく、途中も含めて面白い短編集だった。

  • 4話の城田が超コワイ。

  • 2019年11月17日読了

  • こういうダークミステリ好き。ただしつい先走ってオチを想像してしまいがちなので、最後のページをめくる前に予測してしまうという弊害も…。
    ただ最初の「使い勝手のいい女」はいい感じで騙されたので、再読してしまったくらい面白かった。

  • 題名そのまま最後の最後までどう転ぶか気が抜けない短編集。
    “やられたことは忘れないけど、やってしまったことは忘れてる”人間の自分可愛さと身勝手さの毒が各話仕込まれていて、自分も忘れてる何かがあるんじゃないか…と不安にさせる。
    1話目でエンジンがかかり、2話目で走り出し、3話目から一気におもしろさが加速。
    「監督不行き届き」の犯人は予想ついたのだが、そうであってほしくない恐れと満智がどう対処するのか知りたい好奇心がない交ぜになって夢中で読んでしまった。家族の心を平気で踏み躙った“佑ちゃん”、自業自得としか思えん。

  • 図書館で借りた本。5話の短編集で、最後のページでどんでん返しの結末。良かったのは、わずかばかりの犠牲。お年寄りをターゲットに詐欺を繰り返す大学生の話。それと復讐は神に任せよ。小さな娘をひき逃げで殺された母の話。本は読みやすくすぐ読了できるからお薦め。

  • ブラックな読み心地のミステリ短編集。タイトル通り、最後のページでどん底に突き落とされる感じがイヤミス好きにはたまりません。最後の最後まで気が抜けない一冊。
    お気に入りは「わずかばかりの犠牲」。この顛末は想像もしていませんでした。タイトルの意味ががーんと重くのしかかります。いや、たしかにわかるけどさあ……そこまでやるか。あまりに容赦ないなあこれは。
    「復讐は神に任せよ」もなかなかにきつい一作。油断したところで落とされました。

  • 図書館にて。
    何かの雑誌で紹介されてたのかな、注文して読んでみた。
    うーん、悪くないけど凡庸。
    監督不行き届きはまあまあ。
    骨になったらは特にラストの締め方がカッコ悪い。
    わずかばかりの犠牲は後半の主人公の動きがわかりづらい。
    復讐は神に任せよは浅い。
    それなりに楽しんでは読めたけど、期待してたのにがっかり。

  • 新聞か何かの書評で見て、興味を持ち手にした。

    「使い勝手のいい女」「骨になったら」「わずかばかりの犠牲」「監督不行き届き」「復讐は神に任せよ」の5編からなる短編集。
    どれも、最後の1ページでそれまでの様相ががらっと変わるどんでん返しの手法が取られている。

    「使い勝手~」で何かの賞をとったそうだが、それよりは2作目のほうが仕上がりとしてはうまくまとまっているような気がするが…好みの問題かな。

    総じて、最後の最後でどんでん返しを狙いすぎ、かえって趣向を削いでいる感が否めない。1作目を読み終えてがっかりし、もう途中放棄しようかなと思ったところを、2作目でなんとか、もう少し読んでみるかと思い直した感あり。
    短編集なので、軽く時間つぶし程度に読むならいいかも。ごめんなさい。

    次回こそは奇をてらわずに、シンプルにストーリーを繋いで完成させてみてほしいところ。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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