コミック版 ふるさと銀河線 軌道春秋

著者 :
制作 : 高田 郁 
  • 双葉社
4.10
  • (3)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 39
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575306118

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本は深沢かすみさん目当てで買いました。
    小学生の頃、週刊マーガレットで読んでたなぁ~・・・ということは置いておいて。

    ジ~ンとする静かな感動を散りばめた一冊でした。
    特に印象に残ったのは、同じ電車に乗る人々が、車窓から見えるアパートに住む老夫婦を見て心密かに一喜一憂する話。
    なんだかほっこりします(*^▽^*)。
    なんのつながりもないけどちょっと気にしてしまう・・・そんな人間の温かさが押し付けがましくなく描いてあって良かった。

    あと二つ描きたいのは、プレッシャーから父親を刺したい衝動を持ってしまった孫に祖父が、「包丁は人に美味しいものをふるまうための道具だよ」と教える話と、アルコール中毒の主婦が、同じ中毒の友人が耐え切れず飲んでしまいもがく様を見ながらも、一歩一歩、呑まない日々を生きようとする話。
    どれも小さな希望に満ちています。

    何度も読み返したい本です。

  • 時代小説『みをつくし料理帖』シリーズで人気となった高田郁氏がマンガ原作者時代の作品。作画は深沢かすみ氏。

    もともとはこのコンビで『軌道春秋』という短編マンガを連載していたもので
    、高田氏がこの短編マンガを小説として書き起こしたものが文庫化→その後インスパイアされ再編復刊されたのがこの『ふるさと銀河線 軌道春秋』だそうです・・・なんともややこしい。

    本屋でこのタイトルを見た瞬間、衝動買い。
    ふるさと銀河線(りくべつ鉄道)--いまは観光鉄道として夏季期間のみ営業する鉄路なのですが、母の実家がこの路線にあり懐かしさのあまり…
    お話は短編なので物足りない感じではあります。でも、どの作品も読んでほっこりしました。テーマは「ふるさと」「家族」「人と人のつながり」。
    表題作ヒロインの中学生は社会や町の未来とかいろいろな先のことが見えすぎてわがままにはなりきれず、自分の夢を封印する。
    実際にも都会にあこがれ田舎から出る子、というより田舎では仕事もないし町にでるしかない、帯広、札幌、旭川に出るしかないよという子も多いのだけど、町にでてほどほどするとやっぱり地元に帰る子も多い。いろんな事情もあるけど、町にでたっていいよ、夢は追ってもいいよ、ふるさとはここにあるから・・・というメッセージ。ドラマの『北の国から』みたいなところがちょっとあったね。

    親子関係だったり、夫婦関係だったり、自分に向き合ったり。泥沼になりそうな設定のお話も泥沼は回避してるのは短編の良さ。

    でも小説版があったのを先に知ってればそっちを先に読んだかなぁ。
    レディコミは読みなれないので絵がちょっと苦手でしたので★4つ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「絵がちょっと苦手でしたので★4つ。」
      絵をちゃんと見てから決めます、、、
      小説版は購入したのですが、マンガを読もうかどうか迷っているの...
      「絵がちょっと苦手でしたので★4つ。」
      絵をちゃんと見てから決めます、、、
      小説版は購入したのですが、マンガを読もうかどうか迷っているので寝かせています。。。
      2014/01/08
    • siruku47さん
      > nyancomaruさま
      コメントありがとうございます<m(__)m>
      小説版には未収録の「ひとり咲き」という作品がマンガならではの...
      > nyancomaruさま
      コメントありがとうございます<m(__)m>
      小説版には未収録の「ひとり咲き」という作品がマンガならではの良さが出ていました。これはたぶん小説ではぱっとしないだろうということで、未収録だったんでしょうね。
      2014/01/08
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「小説ではぱっとしないだろうということで」
      そうですね、ラストの情景を言葉にすると、、、
      とても気に入ったので、元のマンガも借りて読んだ...
      「小説ではぱっとしないだろうということで」
      そうですね、ラストの情景を言葉にすると、、、
      とても気に入ったので、元のマンガも借りて読んだのですが、結構辛い話も。。。
      2014/02/17
  • 高田郁が川富士立夏という名前で原作を描き、深沢かすみが作画した現代の家族を題材にしたハートウォーミングな短編集。涙があふれるような9作品が収録されている。高田郁が最近、この原作を元に小説に仕立て上げた文庫も読んだのだが、オリジナルの漫画も非常に良い。

    リストラされた夫と妻、飲酒癖に苦しむ妻、電車の車窓から見える老夫婦、孫と祖父、兄と妹など様々な家族が描かれている。文庫と同様、『お弁当ふたつ』と『ムシヤシナイ』が絶品だった。また、文庫未収録の『ひとり咲き』も良かった。

    文庫と漫画を読み比べてみるのも良いかも知れない。

  • 原作は短編小説、それをコミック化したもの。
    読み終えて、こう言う本を読みたかったんだと実感。

    逆の流れ?かとは思うが、年末年始にでも原作本を読んでみたい。
    コミックではあるが、お薦めの一巻なり。

    追伸 コミックが原作で小説が後との記事を読みました。

  • 原作から読むか、マンガから読むか迷う(映画は原作を後に読みますから、同じかな、、、)。。。

    双葉社のPR
    「すべての人の人生は光り輝いている―――電車が走りぬけるその横で紡ぎ出される人々の情景を鮮やかに切り取った短編集。
    地元を捨てたくない一心で将来の夢をあきらめる女子中学生を描いた表題作「ふるさと銀河線」、
    老いて認知症になってゆくことに、ひとり怯える母の話「晩夏光」など9作品を収録。
    見過ごしがちな人の情、様々なうれしいこと、悲しいことなどがいっぱい詰まった一冊です。
    同タイトルの小説と合わせてお楽しみください。 」

  • 二度買いしているような・・・読んだ事があるような・・・

  • 表題作は、2006年に廃止となった北海道の池田町ー北見市間を結んでいたふるさと銀河線が舞台。見えすぎて、自分の中の演劇の夢を諦めようとする女子高生と、後押ししようとする兄と担任教師、といった話し。/また、以前の部屋にこっそり合鍵でしのびこみ、持ち主がいない間だけすごす証券会社社員の話しも、静かに心に残る。みったくなく生きていたって、いいじゃないか、という呼びかけと自らへの宣言が。

全7件中 1 - 7件を表示

深沢かすみの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×