乱歩と清張

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575312553

感想・レビュー・書評

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  • 活躍時期はズレているが本書にある通り現代でも残っているミステリー作家2人の邂逅と歴史。松本清張は江戸川乱歩の初期短編は評価しているがそれ以降は切り捨てているし筆者も同様の評価をされている。戦後の乱歩は創作力が枯渇して編集者として生きたといえよう。その編集者として熱くプッシュされたのが松本清張であり日本推理小説の大御所となっていく流れは面白い。(横溝正史が復活大人気を遂げるのは清張の隆盛以降の事)
    2人とも絵とかデザインにも才があるとの事。清張も参考にしたというが2人ともスタイルは違うけど文書が抜群に読みやすい。それでも個人的には小説以外なら乱歩作品は漫画向け、清張はドラマ向けの気もする。清張の創作力は尋常でないが敢えてリアリティ重視しているのか男が大抵不倫しているようなキャラクターが多いのも理由としてある。自分は乱歩は初期短編以降も『孤島の鬼』のような時代を先駆けすぎな通俗長編や作者自身をトリックに使った『陰獣』も好きだし、怪人二十面相や少年探偵団を根付かせた功績は多いと思う。

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著者プロフィール

文芸評論家・詩人

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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