- Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575440225
作品紹介・あらすじ
『鬼死ね』『メイコの遊び場』の奇才・岡田索雲が放つ、奇想天外・驚天動地の妖怪読切集。登場妖怪が一同に会する表題作「ようきなやつら」(40ページ)を単行本描き下ろしエピソードとして収録!
感想・レビュー・書評
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フリスタ・漫画ランキングから。基本的には、漫画にはあまりメッセージ性を求めていなくて、ただ面白ければって考えるクチなんだけど、本作はそんな意見も飲み込むくらいの迫力。中でも山姥と提灯おばけの話が出色。活字本は一切受け付けず、漫画なら大丈夫、って層に響くといいな。
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ギャグから社会問題への振れ幅がすごい。
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本の帯を見てお化けの漫画なのかと勝手に思って見たら全くの勘違い。
こんだけ話のバラエティー豊かで笑えて面白くて考えさせられる漫画はめったに出会えないと思う。
岡田索雲さんありがとう。
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「メイコの遊び場」の岡田索雲による連作妖怪漫画。
エピローグ的な表題作が実は先にあって、各作品はそこから派生してきたものというのがちょっと面白い。いずれも妖怪をモチーフに社会的な問題をストレートに描くというスタイル。中でも「追悼」は提灯お化けをモチーフに関東大震災における朝鮮人虐殺を描いたもので、連作の中でも一番重苦しい内容。クライマックスにおける当時の証言(書籍からの引用)で画面を埋め尽くす演出は衝撃的。だが、言葉に頼るその演出は漫画としてはどうかと思わないこともない。 -
最高。すべての作品がウィットに富んでる。
現代の妖怪譚。WEBに載ってた一個一個の短編だと気づかなかったが、妖怪とは社会的弱者、社会的に抑圧されし者のメタファーになってるのか!特に『追燈』は涙無しには読めなかった。
あと、動物の描き方が上手くてかぁーいいねぇ☺️ -
河童の家では座布団を常に湿らせておく習慣があるというのがいいな〜
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河童やサトリ、提灯おばけ、山姥などのオーソドックスな妖怪が登場する幻想譚でありながら、その中に外国人差別やMeToo運動などのアクチュアルなテーマを盛り込んだ、不思議な味わいの連作短編。
この作者にしか描けない独創的な作品である。
そういえば、前作『メイコの遊び場』(私はこれがいちばん好きだ)にも、金大中事件に材を取った一編があった。ファンタジーと現実の事件の交錯はこの作者の得意技なのかも。
■『メイコの遊び場』レビュー
https://booklog.jp/users/gethigh316/archives/1/B0871WWMBF
巻末の短い自作解題を読んで初めて、「ああ、そういう意図だったのか」とわかった点が多い。それはこの作品集の弱さを示しているとも言える。
昔ながらのお化けを描きつつ、甘やかなノスタルジーなどは皆無。黒い笑いがちりばめられ、苦く切ない余韻が残る。
読んで思い出したのは、勝又進の傑作『赤い雪』である。
東北の農村を舞台にした、民話風の短編を集めたもの。こちらにはアクチュアルな要素は皆無で、作品のタイプは異なるのだが、“昔ながらの妖怪譚の現代的解釈”という共通項がある。
■勝又進『赤い雪』のレビュー
https://booklog.jp/users/gethigh316/archives/1/4883792013