- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575510867
感想・レビュー・書評
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永遠の0のような重苦しさが、荻原浩の持つ筆致と雰囲気の軽快さで幾分ポップになっている。戦争をテーマに扱うのにポップも何もないのだが、過去と未来が暗澹と軽薄の対比のように書かれていたり、時には明と暗が逆転していたりして、とても面白かった。揺れ動くのは時間軸だけでなく、それぞれの価値観や生き方の時空も同様。そんな激動の時代のシンプルな二項対立が読みやすくも深い。
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とても音白かった。
だいぶ最初のほうから展開が気になり止まらなかった。現代っ子が過去にタイムスリップしたら、という魅力的な設定に加え、しかも、戦時から入れ替わりに同じ年の子が現代にタイムスリップするという、二倍美味しいストーリー。時代のズレから起こる、著者萩原浩、特有のダジャレやギャグがポップで良し、深刻すぎない重すぎない展開になっていく。
色々な思いが頭をよぎる。現代と戦時。祖父母について。人間のあり方。わたしたちは、(いつの時代もそうだが)色々なことに気づき反省し感謝し、考え直すという作業をしつづけるべきだと思う。深く考えさせられる。こんな本にもっと出会いたい。
さらに言えば、多くの謎を残して終わってしまうところが、実に憎い。 -
戦争というものは決して敵国だけではなく、狂気を孕んだ一部の軍人により振るわれた、自国の若者をはじめとする全ての国民に対する一種の暴力なのだと感じた。
違う時代に生まれた二人の若者は、それぞれの形で戦争に関わり、一人の女性を愛することになるが、今まで読んだことの無いような三角関係には、結末を知りたいような知りたく無いような、何ともいえない切なさがある。
戦争を知るために読むというより、今という時代に対して考えを深めるために読むべきかと感じた。
重いテーマにも関わらず、軽快なテンポで進み、所々にしっかり心に響かせる展開を散りばめた良書。 -
実は二回目の読了。何年か前に読んで、とても面白かった事を覚えています。本は売ってしまっていたので、もう一度読みたくなって買いました。けど、その時ほど、面白さを感じませんでした。結末を知っていたからかもしれません。ありきたりなタイムスリップものかと思って読んでも、夢中になる面白さがあります。本は売っちゃったけど荻原浩の作品で一番好きな作品だと思っていました。今度は売らないで蔵書しようと思います。
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現代っ子の健太と昭和っ子の吾一がタイムスリップして入れ替わっちゃう話。
戸惑いながらも、自分の置かれてる状況に慣れようと必死な2人。
最初は、チャラ男やった健太が徐々に逞しくなっていく様子と堅物やった吾一が必至に現代っ子風になろうと努力してる様子が上手く書かれてたかな(#^.^#)
ラストシーンは、、、。
結局2人は元の世界に戻れたんか戻れんかったんか「?」やったけど、コレは読んだ人の想像にお任せって事かなぁ?
健太には悪いけど、吾一が戻ってきて欲しい。
理由はネタバレになるから秘密( ´艸`) -
どの時代の子も、今の時代に生まれていたらきっとみんな自由に好きなことをやりたがるだろう。
逆に出来ない時代に生まれていたら自分はどんな人間だったのか。
誰かの犠牲があって今があることを忘れてはいけないと思いました。
今の平和な日本を作った先人の命に感謝。 -
ラスト本当つらい・・・。どっちにしろ辛い・・・。
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(2010より転載)
数年前にドラマを見てから、いつか原作を読もうとずっと思っていたもの。
ドラマも印象的だったけど、本も良かった。
現代日本は、やはり異様なのかな、と思ってしまうところと、
戦中日本は、やはり異状だったのかな、と思ってしまうところと、
自分の中で比較できるのは、良い体験になります。
2010.11.30~12.10読了