優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575511932

感想・レビュー・書評

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  • 短編が3作です。

    『優しい音楽』
    表題作です。
    僕は駅で、突然知らない女の子にじっと見つめられたので、声をかけました。
    次の日もまた、彼女は僕を探していて・・・。
    タイトルそのまま、お話し全体が優しい音楽で、泣きそうになりました。

    『タイムラグ』
    結婚していて、八歳の娘もいる平太と付き合って2年になる深雪。
    平太と奥さんの旅行中、娘の佐菜を預けられる羽目になりますが・・・。
    これも、なかなか素敵なお話しです。

    『ガラクタ効果』
    物を集めるのが好きなはな子と一緒に暮らし始めて1年になる章太郎。
    ある日家に帰ってくると、また突然はな子が「拾ってきちゃった」と言い出した。
    さて、はな子が拾ってきたものとは・・・。
    もー、笑いました~~~。うけました。爆笑しました。
    最後はちょっぴり寂しくなりました。

    とっても、ハートフルな3篇のお話しでした。

  • お兄ちゃんフルートふけなかったんだよ、っていうところが、心を打った。いくら顔が似ていても同じ人には成れないし(当たり前だが)、同じ人になってほしいわけでもないし、でも似てるな、見てたいな、って思ってしまう気持ちは、きっとわかる。その気持ちにこたえようとする紳士の話し。

  • 私が初めて手に取った瀬尾まいこの本。
    この作品でロックオンされてしまい、それからずっとファン。

    だいぶ前、他のブックレビューで

    -------
    非現実的なようで、現実的であり、あるわけない出来事ながらも共感してしまう。
    自然と物語に引き込まれていく感じがとても心地よい作品。
    読み終わるとなんとなく励まされ、なんとなく元気になる。
    -------

    と自分で書いていたのですが、もう本当にその通り!
    帯のコピーにでも使ってもらいたいくらい。笑

    ファンタジーとリアルのギリギリなラインを小説という世界を使ってうまく表現してくれる。
    それが瀬尾まいこワールドです。

    リアルすぎると辛い世界も、瀬尾まいこワールドならそっと受け入れられる。
    押しつけがましくなく、説教臭くなく、激励でもなく・・・
    スーっと心に入ってくる本当に心地よい作品です。

  • どれも予想外の展開。だけどストンと落ちてくる。そしてみんな優しい。勘違いで練習したフルート演奏を披露する。会ったこともない不倫相手の奥さんを褒める。見知らぬおじさんと暮らす。主人公は人と繋がって成長する。うーんいい話。瀬尾まいこさん最高です。大好き度❤️❤️❤️

  • 『絶対ありえない設定なのに…ありそうな気がする』

    こんな設定の物語なんて現実離れしすぎだ!
    と思って読み進めていくと、なぜか、ごく自然な日常生活の一場面に思えてくる。そんな不思議で、心温まる3つの物語。忙しい毎日に忙殺されている人に、ひとときの清涼剤としてオススメ!

  • 短編集。電車で声をかけ付き合うカップルの話。不倫相手に娘の世話をさせる話。浮浪者を家に連れて帰り一緒に住む同棲カップルの話。どれもありえない設定であるが、とても優しい気持ちになる。これが瀬尾ワールドなのか?

  • (そうかも、いや、違うかな)なんて思いつつ、読み進めました。死がふわっと側にあっても、優しく包み込むような文体と、決して格好をつけない表現に、ぽろぽろと涙が落ちました。やっぱり好きです、瀬尾まいこさん。

  • 瀬尾さんの魅力全開の傑作短編集。瀬尾さんの作品には、嫌いな人物がいない。どんなに嫌な奴でも悪い奴でも、悪人ではないのだ。
    優しくなれる。心が温かくなる。幸せになれる。
    瀬尾さんの世界は、本当にそんなところ。

  • 短編集なのだけれど、1話1話が心温まるお話でとても良かった。こうなのかな?と想像しながら読んで、想像とちょっと違っておもしろい。

  • 優しいお話

著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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