迷産時代 (双葉文庫) (双葉文庫 う 5-1)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513592

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  • 妊娠にまつわる連作集。
    最後の話は主人公は好きにはなれないけど、産まれた子は、幸せになってほしいな〜

  • introduction───――
    男友達:
    約束の七時よりも十分早く、吉沢亜樹は六本木のコーヒーショップに着いた。…「きっと産んでみせるからね」室外機の音が遠くしていた。
    産まない理由:
     桜の葉が濃い影を落とす中庭で、河野史佳はアイスティーを三つのグラスに注いだ。…まずは、ぽこちゃんよ。歩道橋の階段を、史佳は軽い足取りで上っていった。
    朝顔の角を曲がれば:
     昼どきの蕎麦屋から出ると、携帯に着信記録が残っていた。…しょうがない。若くない女の決断は、一つ選べばすべてよし、という具合にはいかないのだ。朝顔が近づいて来る。自分の足音を聞きながら、友里恵はそっと目を閉じた。
    神様ふくみ笑い:
     母になるってことは、女でなくなることなんだろうか。…母親は、子どもの命を守るためなら、何にだってなれるのだ。強くて妖しくて。これこそ「女」じゃないか。礼子はテーブルに伏せ、眠ったように目を閉じて自分の腹を撫で続けた。
    発情期:
     ハル叔母はこの冬を越せないかもしれない。…「洸、ありがとう」湯気の向こうで川村が赤い目をしばたかせていた。洸は箸の先をくわえ、肩をすくめた。
    ゆるい女:
     藤堂さんと初めて会った夜のこと、あたしは今もよく憶えてる。…腹の上にのせられた赤ん坊は、小さな手をグーに握ってあたしにしがみついていた。
    ───────────
    産むか産まないかという迷いはやがて、
    産めるか産めないかという焦りに変わる。

    何故産むのか。もしくは、何故産まないのか。
    産んでしまえば育てていく自信はあるけれど、
    そこに至るまでの自信がない。
    産む理由や目的を明確にしなければ進めない。

    「ものごと深く考えない人は、多くのことができるんだよ」
    畑山の言葉はまさにその通りだと思う。

    ほとんどの主人公が最終的には産む選択をする。
    著者が少し前の世代の女性であるからか。

  • 子供を産みたいのだろうか?
    産むべきか?本当の所はどうなのだろうか?
    悩むたくさんの女たち・・・

    それぞれの主人公が出した答え
    それはどれも正解なのである。

  • あり。だ。
    赤さん希望の私は、こころかき乱されるような気分になるけど。

    いてもいなくても、自分次第。


    がんばってもだめなものはだめだし。

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