- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575522808
作品紹介・あらすじ
氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。海外の珍しいメニューを提供する素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うように。会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、そして店主の円の秘密――世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。読めば心も満たされる“おいしい"連作短編集。
感想・レビュー・書評
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ほんとにときどき旅に出るカフェ♡
どれも出会ったことないけれど食べてみたいものばかり。
カフェ巡りほっこり系かと思ったら
結構日常の謎系で読むとスッキリ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の瑛子は自分と結構境遇が似ていて、
とても感情移入できたので、
こんな居心地のいい素敵なカフェが
家の近くにあったら私も通うのに…
と夢見てしまう。
私自身あまり外国に行ったりしないので、
旅に出た気分になれるというのもいい。
一つ前に読んだ近藤さんの作品同様、
少し角度を変えたら見え方が違ってくる
という事を考えさせてくれた作品だった。
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会社勤めの瑛子が近所で見つけたのは、日当たりが良い一軒家のカフェ。店主はかつて同僚だった円だった。
メニューにあるのはどれも円が旅先で見つけたものを再現したという、初めて見るものばかり。すっかり気に入った瑛子は、カフェに足しげく通うようになる。
平凡に生きる会社員の瑛子を主人公とした連作短篇小説。
かつて同僚だったカフェの店主・円との交流の中、日常で起きる小さな事件を解決したり、ささやかながらも新しい視点を広げていったり。
何気ない日々の中にも、まだまだ自分の知らない事や、見えていなかったことがたくさんあるんだという事に気が付かせてくれる本です。
カフェを舞台に珍しい飲み物やスイーツ、周囲の人たちの交流などをメインにしていますが、それぞれが抱える事情は甘いだけではなく苦さも混じっています。
それが甘いカフェスイーツの口直しのように効いていて、優しくて居心地が良いのにそれだけの話ではないのも良い。
出てくるドリンクやスイーツもどれもおいしそうで、こんなカフェが近くにあればな~、と思わずにはいられません。 -
穏やかな話だと思いながら読んでたけど、色んな問題が出てきたりして、癒しだけの話ではなく楽しめました。
こんなカフェが家の近くにあればいいのにと思います。居心地のいい場所を見つけれて羨ましいです。
カフェ・ルーズのケーキがすごく食べたいです。
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非常によかった。
食べ物の話だけではなく、人間のやり取りや出来事が絡まっていて、読者を飽きさせない。食べ物の描写がうまく、本当に美味しそうな食べ物なのだということが文章から伝わってくる。 -
OL瑛子が近所で偶然見つけたカフェ・ルーズは、かつての同僚、円が経営するお店だった。
オーストリアの炭酸飲料アルムドゥドラー。ロシア風ツップフクーヘン等々。
普段耳慣れない外国のお菓子やドリンクがどんどん出てきて、食欲をそそります。
サクッと読める謎解きも楽しかった。
ほんの少しささくれた心も和らいで、優しい気持ちになれます。 -
初めて聞くスイーツはどれも魅力的で
食べてみたいのに食べられないもどかしさ…
レシピを調べて自分で作ってみれば良いのだろうけど
それだとなんか違う気がする。
こんなカフェが近くに欲しい!
日常の小さな事件を解決しつつ
登場するスイーツの背景や文化が知れるのがおもしろい。
とても満たされた。
続編があるみたいなので嬉しい。 -
カフェ好きにはたまらない一冊。
落ち着くお店で美味しいスイーツを食べる時ほど、
幸せな瞬間って、他にない。
家の近所に素敵なカフェがあるなんて、羨ましい!しかも23時まで営業って!いいな〜!
仕事の後、そのまま帰りたくない時とか…
自分で夕食の準備したくない時とか…
うんうん、分かる!って共感するシーンも沢山あって、心が満たされる作品でした。 -
この本の世界観を途切れさせたくなくて、読み切る前に続編を借りに図書館に走った程。
近場で旅に出たようなちょっとした経験が出来たらなあ…と思い始めていたが、近場に行かずとも読書時間の中でそういう体験が出来たように感じる楽しさを味わえた。
全部で十話からなる連続短編集。
ちょっとしたミステリー要素があったので、ミステリーとして読書を進めたが、序盤の数話は何だか結末部分で話がブツ切れな印象で物足りなさを感じた。
終盤までの物語はとても楽しめたが故に余計ブツ切れ感を感じたのかな…?
なので途中からはミステリーを楽しむよりも、物語自体を楽しむ読書(ミステリー要素はちょっとしたオマケのような割合のイメージ)に切り替えたところ、話数を重ねるごとにカフェ・ルーズで過ごしているかのような満足感の方が大きくなり良い読後感として本を閉じることができた。
この感覚でカフェ・ルーズの世界を感じ続けたいので続編の読書に突入する。