リセット(新装版) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523454

感想・レビュー・書評

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  • この作品、デビュー2作目だと言うことを読了の後知りました。知らず知らずのうちに自分が読んだ順に色んなことを考えちゃうのは良くないですね。これが2作目とすると読んでた時の感想もまた違って思えます。しかも、巻末の解説部分がこの本は作者へのインタビューが掲載されてます。これを読むとまだ違った印象というか。あ〜そういうことなのかって妙に府に落ちたりもします。この後のたくさんの作品のベースとなってる作品かと。

  • とても面白かった。
    何が良かったか、読後感がすごく良かったです。
    基本的にとても読みやすいのでどんどん話は進みますが、
    なんとなく内容的に好みではないのかと読み進めていました。
    とにかく、終盤のまとめ方が秀逸。
    後書きを読んで、とにかく伝えたいことがすごくストレートに
    書かれていて良かったです。その中で時々、苦笑いさせる晴美のつぶやき。本当によかったです。おすすめです。

  • 専業主婦も独身キャリアウーマンもそれぞれの悩みを文章にするのがとても上手で気持ちいい。
    表面上の時代は変わったように見えて、中身はあまり変わってないように感じている。
    そんな社会問題をユーモアを加えて表現されている作品。
    悩みは尽きないけど、いつも最後はそれぞれのベストな形におさまっていて、気持ちよく終われる作家さん。

  • 面白かった!!
    私も高校時代からやり直したいなーと思うことあるけど、今までの経験値を持ったまま高校生になったら、かなり落ち着いた慎重派の、勢いのない高校生になりそう(笑)
    当時の親にも会ってみたいなー、などと思いながら読みました。
    人生や未来は自分の力で変えていけると前向きになれるお話。

  • 人生をやり直しの物語。高校生という絶妙な時期に、47歳の意識のままでタイムスリップする。当時とは見方が変わり、他人や当時の自分への苛立ちを感じながらも新しい人生を生きようとするけど、結局は元の人生に戻り、今を一生懸命に生きようとする部分が好き。

    過去に戻れたらって思うことはあるけど、やっぱり今生きているこの世界もすごく愛おしくて、その世界に満足できてないなら、それは自分の思考や行動を変えるしかない。改めてそう思うことのできた一冊。でも、過去にタイムスリップってやっぱり想像すると面白い。自分ならどうだろう、、と想像しながら読むのも楽しかった。

  • 人生をリセットしたい、よく聞くフレーズであり誰もが一度は思いつくことだけれど、それは本当に過去に戻る必要があるものなのか?というテーマの小説だと思う。現実には不可能なようで、本を読む、映画を見るなどの経験から別の人生を想像し、そこからリセットして新しく踏み出すことは出来るだろうというメッセージを送られた気分。

  • あの時違う道を選んでいたら……とか色々と想像はするものの、結局100点満点の人生なんてない。どうしても他人は自分より幸せで完璧に見えてしまうけど、実際知らない苦労がある。
    そして晴美の「女は男を立てるべき」云々の意見は全く頷けなかった。晴美は男尊女卑を是とする風に口では言うけど、結局は自分自身に言い聞かせて自分を納得させるようにコントロールしているだけな気がした。

  • よくあるタイムスリップものの話と思いきや、想像以上に深い話だった。

    男尊女卑が色濃く残る時代の話で、驚いたり共感したり、気付けばあっという間に読了。

    昔に戻りたいと思うこともあるけれど、やり直しても人生が上手くいくとは限らないし、他人が幸せそうに見えても当の本人は幸せではなかったり…
    色々と考えさせられた作品。
    終わり方も良かった。

  • 今まで女性の気持ちをわかったつもりでしたが、全くの勘違いでした、わかった時には既に遅かった。

  • まず筆者の垣谷さんが、IT企業のSEをされていて40歳過ぎから書かれたという事実が印象的。女性がまだまだ働きにくく男尊女卑の考えが運びっていた時代がどういったものか、それによる女性の苦しみとは何か、コミカルな文章で描かれていて読み進めやすかった。タイムスリップして人生をやり直すというストーリーは良くあると思うが、ここまで本格的にやり直しの人生を歩んでいる小説はないのでは。人生には必ず不満も苦しみもあるけれど、そこに被害者意識を持って自分自身を蔑まない、諦めない。そしてはっきり自分の思ったことは言う、夫がいても自分の人生は自分で所有していることは忘れないことが大切だと思った。
    今はかなり女性も働きやすい環境が整ってきてはいるけれど、これも過去の女性たちが苦しんで得てきた権利の賜物。それでもまだまだ女性は働きにくい。妊娠出産子育ての女性への身体的、精神的な負担って本当に大きいのに、社会の制度が対応出来ていないし経済的にも厳しいしで子供を産めない人が多い。今、政府は出産時にかかる一時金の支給額を増やすと言っていることを思い出した。それは本質的な解決にはならない、もっと根本的に賃金を上げるところから是正しないと。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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