リセット(新装版) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523454

感想・レビュー・書評

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  • 30年前に戻ってみたら、自分の子供の頃の記憶は現実の一側面を見ていただけだった、とか、過去に戻って違う人生を過ごしたら周りの人も違った変化を遂げていた、とか、とても考えさせられる内容だった。過去に戻ってもそう簡単には思い通りにはいかないんだよな...と。だったら今を全力で生きるしかないよね、と。絶対もう一度読み返したい本でした。

  • 現在の生活に満足していない同級生だった女性3人が学生時代にタイムスリップ?して人生をやり直す

    もし人生やり直せたら?
    と誰もが考えるだろうし、そのやり直した先の人生はみんな最高のものを想像すると思う
    でも実際やり直せた先での人生が自分の思っていたものじゃなかったら?

    自分も学生時代に戻ってやり直せるならこんな仕事に就きたい・・・とか想像するけど、それが最良とは限らない
    と、なんだか深い設定だなーといろいろ考えさせられた

  • タイムスリップの設定に入り込みずらかったけれど、ラストの展開良かった。何歳でも自分が変わろうと思えば状況も変えていけるのかもしれない。
    自分の場合はどうだろうか、タイムスリップして人生やり直したいか、、、絶対嫌、学生時代からやり直しなんて気が狂いそうだ。この3人はよく2度目の人生を長いこと生きたものだw
    でも、現状を変えたいとは常に思っている。
    日頃、そんな思いを脇に置いて日暮らししてしまっている。一番時間をかけて向き合わなきゃいかないのはこのモヤモヤした気持ちのはず。大切な努力から逃げずに向き合わなきゃいけないと思せてくれる本でした。

  • 女性の心の中を代弁してくれている内容で、小説なのに映画を見終わったかのような満足感がありました

    リセットの中の時代よりは、両面的に男女平等になって来てるけど、まだまだだと思う

    どうして、熱が出た子供のお迎えはお母さんが行くの

    朝熱を出したら、お母さんが仕事を休むの
    と何度も思った

    リセットを読んで、自分ならどうするだろう
    とシュミレーションしたり、人を羨むより今の自分の人生を精一杯生きようと元気づけられたり

    すごく面白かったです!

  • もし、人生をやり直すとしたら…。
    同郷の同級生だった全然タイプの違う知子と薫と晴美が、47歳で再会し、30年前にタイムスリップしてしまい、17歳から人生をやり直すというストーリー。

    ヨガ的に言うならば、人の人生には、『ダルマ』と『カルマ』がある。
    親、生まれ育った環境、生まれ持った容姿や才能など、”自分の意思では変えられない(先天性)宿命”を『ダルマ』。
    一方、付き合う人、住む場所、仕事、着る服、買うもの、食べるもの、などなど、"自分の意志や選択肢で善くも悪くも変えていける(後天性)運命"のことを『カルマ』という。

    この本は、『カルマ』(自分の選択肢により変わっていく運命)に着目しており、女性ならではの、人生で抱える問題がここそこに散りばめられていて、とても面白かった。

    美人で愛想良しで世間知らずの主婦の知子、頭が良く背が高く男勝りで気が強いキャリアウーマンの薫、頭が悪く貧乏で元ヤンだけど手先が器用で現場力のある晴美。

    それぞれが17歳の転機となる自分の選択肢を変えて、人生をやり直していく。
    けれど、後悔しないように人生をやり直しても、結局「こんなはずじゃなかった」という現実が立ちはだかる。

    人間には「向き不向き」という生まれ持っての『ダルマ』があり、それを無視してダルマから脱線した選択をしてしまうと、不快な違和感に苛まれて生きることになる。

    知子や薫や晴美もそうだけれど、人間ってない物ねだりで、自分にあるもの(恵まれているもの・簡単で苦にならないもの・得意なもの)『ダルマ』には、なかなか気付くことができない。
    「他人にあって自分にないもの」や「恵まれていないこと」ばかりに目を留めて、不平不満を募らせる。

    幸せの象徴って「家族」や「裕福さ」や「仕事の成功」であるけれど、だからと言って、それらが揃っていても、決して幸せになれるとは限らない。

    『自分らしく生きること』それが一番の幸せなのである。

    そして、それは、47歳だろうが、60歳だろうが、手遅れということはなく、いくらでも自分の選択で、運命を変えていけることができる。

    自分が当たり前に持っている『ダルマ』に気付くこと。
    才能かもしれない、容姿かもしれない、単にワクワクすることかもしれない。
    そして、それを最大限に活かして生きていくこと。
    自分の人生を、自分らしく生きること。
    いくつになってもそれを諦めないこと。
    それが後悔しない生き方の鍵になる。

    元の世界の47歳から、もう一度リセットして生きる知子と薫と晴美は、幸せそうで生き生きとしている。
    自分の選択次第で、人生は変えられることを知っているから。

  • ファンタジー?面白くなかったらすぐに止めようと思いつつ…引き込まれて一日で読んでしまいました。「今」に不満がある方におススメ!元気出ました。

  • 過去にタイムスリップするというSF的な設定でありながら、男尊女卑という社会的背景に根差した小説。境遇の全く異なる3人だからこそ、それぞれのアイデンティティがはっきりと区別できるようになっている。

    時に見栄を張り、そのくせに羨ましがられると相手に理解されていない気持ちになる。そのような会話が、女同士のリアルな会話そのものだと思った。

    人生はいつからだって努力で変えられる。不満はあれど最悪ではないし、先はあるものだ、と感じられるお話だった。

  • 垣谷先生三作目
    30年前にタイムスリップしてしまうお話
    48歳の彼女たちは今の私たちに通じるものがある。夫婦の話、子供の話、男尊女卑の話。そこから逃げたくて新しい人生を歩むことになる。
    48才の目線で18才を過ごしてみると、見えていなかったことがいっぱい。
    後悔をしない道を歩もうとするがこんなはずじゃなかったってことばかり。

    気付き
    結局は、隣の芝生はよく見える。また悩みがない人なんていない。完璧な人生、望む人生なんてないし、面白くない。
    ワタシ自身タイムスリップしたいかと思うとしたくない。他の人生なんて考えられない。
    山あり谷ありあるけど、全ての出来事に意味があるって思う。
    ならば、この人生を最後まで悩みながらも楽しみたいと思う。

  • 主人公達が47歳のおばさん3人。その人たちが高校生の30年前に戻って人生をやり直す話。割と切実にあれこれ書かれているのでかなり面白かった。自分がおばさんだけあって「わかる!」と思うことも多かったし、多分世の中の女性の気持ちが代弁されているのではと。

    垣谷さんの本は二冊目。オーディブル内の本はどんどん読み進めるぞう~。これは本当に面白かった!

  • 40代の女性3人がタイムスリップして高校生に戻る話。古い体質の日本社会で女性として生きることの難しさや息苦しさなどの思いをすべて吐き出したと著者自身がインタビューで述べているが、滑稽な話をちりばめながら飽きさせないストーリーの中で、著者の意図が十分伝わってくる。人生をやり直すことや自分が年を重ねたことで、新たに見えてくるものが多くあることもよく分かった。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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