玉木宏主演ドラマ「ジャンヌの裁き」を見て、検察審査会に興味がわいたので読んでみた。この本では、検察審査会がなぜ重要なのか、どのように運用されているのか、その影響は何かを説明している。その副産物として、日本の刑事事件の起訴のありかたもよく理解できる。
日本でおいて、検察官は事件を起訴するかしないか、どの事件を起訴するかについて、広範囲な裁量を有している。確実に有罪に持ち込めるものについてのみ起訴するので、有罪確率は100%に近いが、一方で起訴されない案件も多くある。したがって、主に法で人を裁いているのは、裁判所の裁判官ではなくで、検察官だと言える。自民党安倍派の裏金事件で、虚偽記載の金額の大きさによって起訴するしないを決めており、検察が線引きを行っていることがわかる。不起訴になれば道義的な責任だけになってしまい、今回の裏金事件の裁きに納得感が乏しい要因だろう。
またドラマとは違い、「不起訴不当」と「起訴相当」の議決が出る確率は審査した事件数全体の7%弱に過ぎないことも事実としてわかった。しかし、審査会の存在が検察へのけん制が効いているようで、大切な制度であると認識した。

2024年4月23日

読書状況 読み終わった [2024年4月23日]

ひとつの美しい青い壺をめぐる13の連作短編集。約50年前の作品だが、自分勝手な考えの登場人物が多く、人間の本質はあまり変わらないことがわかる。それぞれの話で違うタイプのエピソードが披露され、まったく飽きない。

2024年4月20日

読書状況 読み終わった [2024年4月20日]

クリニックの院長がひざ裏のばしの効用とその基本的なポーズを紹介している。簡単にできるのがいい。あとは毎日継続するだけだ

2024年4月20日

読書状況 読み終わった [2024年4月20日]

ベストセラーの経済教養小説が気になっていたので読んでみた。社会の仕組みがわかり、お金という鎖から解放され、お金を自分の意志に従って道具として使えるようになれる視点を提供している。

2024年4月20日

読書状況 読み終わった [2024年4月20日]

20代後半のファッション雑誌編集者の女性が主人公。愛犬との生活の中で大切なものが見えてくる。散歩の途中で季節を愛でるのは、自分も経験があり豊かな時間だったと思っている。小説の中の愛犬の名前が近所のワンちゃんと同じ名前なので、一段と没入できたような気がする。感情が揺さぶられ、面白かった。

2024年3月24日

読書状況 読み終わった [2024年3月24日]

ついにやってしまった。国内線に搭乗してから意気揚々と読み始めたが、40ページ目あたりからこの本は以前に読んだことがあると確信した。30ページ目まで読んでもはっきりしなかったので、記憶力はかなり悪いのだろう。そもそもこの読書日記は同じ本を繰り返し買うことを防ぐ目的でつけているので、大失態である。あとで調べると5年前に読んでいる本だった。それでも読み進めて160ページ目まで来た。本屋で買ったのは、篠田節子+四国遍路に惹かれたからで、どれほど両者が好きなのだろうと自分で思う。読書を中断しなかったのは、ストーリーをほとんど覚えていなかったので、新鮮に面白く読み進めたいと思ったのと、細部の表現に魅了される部分が多く、単純に楽しいからだと感じたからだった。遍路でのエピソードも参考になり、実際に著者が遍路道を訪れて感じたことがベースになっており、自分も体験したいと感じた。
160ページ目から最後までは一気に読んだ。先の展開が全く予想できないというのは読み進めるにあたっては刺激的だが、5年前に読んだ内容をほとんど覚えていないのはショックだった。今後の生活を考えると不安になる。改めて感じたのは、著者の卓越した展開力と、細かな気を引く表現だった。東日本大震災と四国遍路の現実、女性の生き方、バブル崩壊後の流れの変化などのテーマが折り重なって興味は尽きない。特に、遍路に関する考察はとても納得感がある。蛇足になるが、この作品を映像化するのであれば、女性の主人公はシシドカフカだと勝手に5年前からイメージしている。

2024年3月24日

読書状況 読み終わった [2024年3月24日]

大学教授が中世伊予で活躍した河野氏の辿った歴史をふりかえりながら、湯築城跡のもつ価値を明らかにした本。湯築城は日本百名城に選定されているが、天守閣などがないこともあって、城としての認識が低いのが事実だろう。河野氏についても元寇では名をはせたが、戦国時代の活躍がないので地味な存在であるが、長くにわたり中世の伊予を支配していたことがわかる。

2024年3月3日

読書状況 読み終わった [2024年3月3日]

ジビエ料理を題材にした小説。ジビエの猟から料理への過程が理解できるようになっており、関係者の心情や複雑な規制などもよくわかる。そこにミステリーのスパイスが加わっており、著者の手腕が発揮されている。
私の田舎の島でも近年はイノシシの数が急増して被害も拡大している。魚屋の主人が罠にかかったイノシシを解体して、その肉をサービスしてくれたことがあるが、地産地消のいい例だろう。被害を防止できて、新鮮な肉も食することができ、豚肉の消費を減らすことができそうで、いい事ばかりのような気がする。人口が減少する一方で、イノシシの数は増加の一途だと予想されるので、食料自給の観点からも必要だと思うのだが、素人考えなのだろうか? そもそも子どもの頃は、島にイノシシはいなかったはずだが、どうして島にいついて、こんなに増えてしまったのか?一般論としては、海を泳いで渡ってきたということになっているが、最近衝撃的な話を聞いた。同級生二人が高校生の時に、飼育されていた猪豚を柵から逃がしたというのだ。それが繁殖した可能性もある。真偽のほどは分からない。

2024年2月26日

読書状況 読み終わった [2024年2月26日]

映画好きにはたまらない小説だと思う。著者が映画を愛し、スクリーンで観ることの悦びを大切にしていることがわかる。

2024年2月18日

読書状況 読み終わった [2024年2月18日]

芥川賞受賞作なので手にとってみた。推し活に熱心な人の生態が少しわかったような気がした。

2024年2月3日

読書状況 読み終わった [2024年2月3日]

33歳でガンを宣告された男性が主人公の小説。書店でいつも気になるところに陳列されており、直感に従って購入したが、十分な感動を得られた。著者の実務経験により、病気の模写にはリアリティがある。主人公を支える人たちのサイドストーリーも面白い。家族の大切さがじんわりと伝わってくる。

2024年1月20日

読書状況 読み終わった [2024年1月20日]

2005年に直木賞を受賞した小説。35歳の女性2人が主人公だが、過去と現在が交互に語られ、複雑な感情が入り混じるユニークな構成になっている。

2024年1月13日

読書状況 読み終わった [2024年1月13日]

20年以上耳鳴りと付き合っている。何とかしたいと思い購入した。耳鳴りに悩む人が知りたいことについて、専門医がQ&A方式で解説している。この方式は読みやすい。改善や悪化を防ぐセルフケアも多くの方法が紹介されており、とても参考になる。

2023年12月28日

読書状況 読み終わった [2023年12月28日]

『常識的に考えればよしとされる「まじめ、人を疑うことを知らない、人の話を素直に聞ける、責任感が強いこと」が運の悪い人の要素になる』のフレーズが気になり購入してみた。脳科学者が「運をよくする」考え方や行動パターンを脳科学的見地からつきとめて、「運のいい脳」にするためのヒントを紹介した本。ふだんから自分が思っていたことの理由が、脳の仕組みの観点からわかりやすく説明されており、納得する部分も多い。面白くて一気に読んだ。気になることもある。神経伝達物質に個人差があり、それを分解する酵素にも遺伝的な個人差があることや、新規探索性は遺伝的に決まっていることなどが紹介されており、自然に解釈すれば、「運は生まれながらに決まっている」という身も蓋もない結論になってしまう。著者はそうは言ってはいないが、親の影響を受けて行動パターンが決定されやすいことも述べており、遺伝的な要素が強いのも事実なのだろう。しかし、自分で思考や行動パターンを変えることにより未来は変わってくるとして、多くの具体的な方法が提示されており希望がもてる内容になっている。

2023年12月27日

読書状況 読み終わった [2023年12月27日]

知人の推薦で手に取ってみた。骨董に魅了された人々のドタバタ感が生き生きとユーモアたっぷりに描かれている。主人公が料亭経営にのりだした後に、狡猾な女性が登場してからますます面白くなる。実在の人物をモデルにしているが、主人公の性格がどこか自分と似ているような気がしてならない。

2023年12月26日

読書状況 読み終わった [2023年12月26日]

4歳以下で多い食事中の窒息事故を防ぐための啓蒙の絵本。やさしい内容で、表現もやさしい。

2023年12月10日

読書状況 読み終わった [2023年12月10日]

子どもが怪我をした時の対応についてまとめてある。知らなったことも多く、また自分が怪我をした時の参考にもなる。

2023年12月10日

読書状況 読み終わった [2023年12月10日]

小児科医が子どもの事故を予防できるようにまとめた本。予想もしなかったような危険が子育てには潜んでいることがわかる。実践的な内容で、乳幼児の子育て世帯には不可欠な知識だと思う。

2023年12月10日

読書状況 読み終わった [2023年12月10日]

アラサーの女性が婚活を意識しながら出会いの中で考えを巡らせている。おもしろい話題が次々に出てきて飽きない。これが現代のアラサー女性の標準的な思考なのかはよくわからないが、都会のキラキラした華やかな感じは少数派だろう。アラサーの婚活は最初にデータありきで条件闘争の色彩が強く、ロマンスは後回しになりがちだが、ひと昔前は会社を含めたいろいろな共同体の中で、時間をかけて相手の内面の魅力にこころが動かされるパターンが多かったような気がする。若者が多かった共同体が崩れ、相手の魅力を発見するまでともに過ごす時間が減少したのが、現代の婚活が盛んになった要因の一つのような気がする。打算の愛も愛は愛といったところなのか。

2023年12月4日

読書状況 読み終わった [2023年12月4日]

2冊目の川村元気は恋愛小説。来春に映画が公開される。インドのシーンと森七菜を観るのが楽しみだ。

2023年11月18日

読書状況 読み終わった [2023年11月18日]

恋愛感情とは違う関係を描いた短編小説集。「マドンナのテーブル」での会社の地位を絡めためんどくさい関係が面白い。

2023年11月18日

読書状況 読み終わった [2023年11月18日]

一番好きな作家の新刊が出たので購入した。大人の女性12人に実際に自分自身に起きた恋愛についてインタビューする形になっており、それぞれの事例について著者の意見が最後に書かれている。面白くて一気に読んだ。

2023年10月28日

読書状況 読み終わった [2023年10月28日]

「表面だけ読んでもそれなりに読めるようにしたつもりだが、本意は声にならない声を聴くことができる人だけが読めるように書いた」と著者が「はじめに」で述べているので、覚悟して読んだ。結果として、自分は聴くことのできない人間ではないかと残念な気持ちで読み進めた。それでも、「承認欲求と不安」、「脳は、自由を嫌う」、「正義中毒」の章は面白かった。

2023年10月23日

読書状況 読み終わった [2023年10月23日]

上海を舞台にした美術と恋愛の小説。上海へ飛び立つ前と後での主人公の違いが面白い。それにしても原田マハばかり読んでいる。

2023年10月9日

読書状況 読み終わった [2023年10月9日]
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