ドライブインまほろば (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 636
感想 : 52
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525304

作品紹介・あらすじ

山深い秘境の村を走る旧道沿いにぽつんと佇む「ドライブインまほろば」。客は滅多に来ないが、比奈子は今日も店を開けた。そんなある暑い日、突然少年が幼い妹を連れて現われる。憂と名乗る男の子は、夏休みが終わるまで住み込みで働かせてほしいと懇願する。娘を亡くした過去を持つ比奈子は逡巡しながらも、ひと晩だけ泊めてやることに。だがその夜更け、月明かりの下で憂は、義父を殺して逃げてきたと告白し――親とは、子とは何か。家族の愛を問い、人生の暗闇に光を灯す魂揺さぶる感動長編。

感想・レビュー・書評

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  • 辛くで不幸で悲しい人達の集まった物語でした。最後の最後で少しホッと!しました。

  • 好きな作家さんでしたが、うーん、微妙。
    状況設定が受入れられなかったようです。
    一人一人は魅力的なので、同じメンバーでただただ幸せな設定で再会したいものです。

  • 祖父母の営んでいたドライブインまほろばを復活させた女性。ある夏の日、幼稚園児と小学6年生の兄妹が現れ、夏休みが終わるまで雇って欲しいと言う。一晩泊めたところ、兄の憂は父親を殺したのだと告白する。3人は夏休みが終わるまでの間一緒に過ごすことになり…。
    …重い。重すぎる。憂少年の事情もそうなんだけど、少年の父親の過去とかほんと。読み終わった後なんか重いものが残る感じ。

  • フィクションでよかった
    遠田潤子さんの本を初めて読んだのですが、題名から勝手に
    ナミヤ雑貨店の様な話しなのかなと思って読み始めて全然違う、、、と心して読みました。

    もちろん涙です。
    どんな事があっても、子供は死んだらいけない
    生きるのに誰の許可もいらない

    小説の中なのに、心に錘が置かれたような重さを感じました

  • 奈良県南部の秘境の村を通る峠越えの旧道沿いで、細々と営業を続ける「ドライブインまほろば」。ある日、憂と名乗る少年が幼い妹を連れて現れ、「夏休みが終わるまでここに置いてください」と懇願する。一人娘を喪った過去を持つ店主の比奈子は、逡巡の末、二人を受け入れた。だが、その夜更け、憂は衝撃の告白をはじめた……。


    苦しかった。
    読み進める程苦しくて苦しくて辛かった
    登場人物の誰もが家族の苦しい過去や境遇を抱えて生きている
    どこまでも暗くて哀しくて胸が詰まる
    救いはあるのだろうか?
    皆んな希望を見出せるのだろうか?

    こんな酷い境遇の子供達っているのかな…いや居るんじゃないかな…。
    胸を押し潰される様な気持ちで読んだ。

    元々何が駄目でこうなってしまうのか
    社会の在り方や人の感情の在り方等
    色んな事を考えさせられました。

    幸せ?前向きに生きていけて良かった

  • 最初から最後までずっと面白かった、考え得る一番良い終わり方で良かった。

    比奈子の母が、相手を不快にさせるとわかってても謝らずにはいられない気持ちも、それを聞かされ続けて辟易する気持ちも、わかるから辛かった。

  • どんだけ不幸自慢すんねん!って感じの不幸な人ばかり…
    まぁ、自慢したい訳やないにしても…

    メインの登場人物だけで…

     親にひどい虐待されて、親を金属バッドで…小学生

     ひどい親に育てられ、援交クラブみたいなので荒んだ生活を送ってる兄弟、で弟は殺され、自分も人殺し…

     最愛の娘を事故で亡くすけど、事故を起こした当事者が自分の母親…ツラい

    何か、不幸の、オンパレードやけど、この先も、これが続くとなると、やりきれん…

    しかし、小学生に

    「…生まれてきて…なんにもいいことなかった」
    「僕はなんで生まれてきたんやろ。なんで…」
    「生まれてけえへんかったらよかった」

    って言われてしまう育ててた親って…

    「やかましいや、この野郎!」
    「許せねえ!」
    「てめえら人間じゃねえや!」
    「叩っ斬ってやる!」
    (「破れ傘刀舟」)

    って気分になる!

    う〜ん…
    ポキっ!_| ̄|○

    最後は、
     少し光が見えるけど…
    多くは望まないにしても、少しは陽が当たって欲しい…

    • ultraman719さん
      みんみんさん

      ハマってしまいました〜
      ポキっ!笑
      みんみんさん

      ハマってしまいました〜
      ポキっ!笑
      2024/01/31
    • ultraman719さん
      一休さん

      そう!
      複雑骨折まで、頑張りましょう〜
      ポキっ!クズ!ウジ!
      色々、ハマってます〜w
      一休さん

      そう!
      複雑骨折まで、頑張りましょう〜
      ポキっ!クズ!ウジ!
      色々、ハマってます〜w
      2024/01/31
    • 1Q84O1さん
      えい!えい!おぉー!(๑´0`๑)۶
      えい!えい!おぉー!(๑´0`๑)۶
      2024/01/31
  • 文章が淡々としていて、気持ちよく読み進められた。不幸を書かせたら右に出る人はいないらしい遠田潤子さん。くどい部分もあったが、とても良かった!著書ぜんぶ漁ります。

  • 実家との往復中に読もうと持って出て、
    電車の中で泣くのを堪えるのが大変だった。
    家では何度もポロポロ泣きながら読んだ。

    今までの読んだ遠田作品の中で私はこれが一番共感度が高かった。
    だから泣けた。

    虐待メインだから駄目な人には駄目だと思う。
    義父を殺す小学六年生の男の子、とか
    もうそれだけで重い。
    そんな酷い境遇の子供がいるなんてありえないとも思う一方で、そういう境遇の子供もいるのかも知れないとも思う。
    小説として誇張することで、埋もれてしまう人間の感情や想いを言葉にして表現することができる。
    そういう小説だった。

  • なんともいえない悲しい話なんだけど、一気によんじゃいました。
    面白かったです!

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著者プロフィール

遠田潤子
1966年大阪府生まれ。2009年「月桃夜」で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。16年『雪の鉄樹』が「本の雑誌が選ぶ2016年度文庫ベスト10」第1位、2017年『オブリヴィオン』が「本の雑誌が選ぶ2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞を受賞。著書に『銀花の蔵』『人でなしの櫻』など。

「2022年 『イオカステの揺籃』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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