はぐれ又兵衛例繰控【一】駆込み女 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 98
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670202

作品紹介・あらすじ

例繰方与力の平手又兵衛は、南町奉行所内で「はぐれ」と呼ばれる変わり者。判例をすべて諳んじられる驚異の記憶力を持つが、厄介事には無関心。そんな又兵衛が奉行所へ駆けこんできた女郎の死を契機に理不尽な世情に怒りをおぼえ、幼馴染みで鍼医者の長元坊ともども悪党退治に乗りだす――。『鬼役』の坂岡真が贈る、待望の新シリーズ第一弾!

感想・レビュー・書評

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  • 駆込み女 ― はぐれ又兵衛例繰控シリーズの1作目 
    2020.10発行。字の大きさは…中。
    駆込み女、明戸のどろぼう、負け犬の3話。

    南町奉行所例繰方与力で香取神道流を極めた剣客・平手又兵衛の活躍を描いた物語です。

    【駆込み女】
    10年前に豊前屋惣右衛門の娘・お絹の身代わりとして攫われた、あさが、南町奉行所の前で訴状を掴んでこと切れていました。又兵衛は、幼馴染の鍼灸揉み療治の長元坊と一緒に、あさが、攫われてから10年女郎として過ごしてきたことを思い、係わった悪党を計略を以って嚙合わせます。

    【明戸のどろぼう】
    明るいうちに泥棒に入ることを「明戸のどろぼう」といいます。その泥棒の卯八が、大泥棒のくちなわの権蔵一味の盗みの話を聞き、又兵衛に相談します。首魁の権俵は、盗み先で和歌を残して行き、その和歌に次の盗み先を示唆していました。それに気が付いた又兵衛が、盗み先に踏み込み盗賊一味を捕縛します。

    【負け犬】
    上役の小十人組頭・塩村監物に嵌められた旗本・岩間数之進は、職を辞し浪人となります。塩村は、娘を攫いそれを斡旋して一千石の小十人頭まで出世をする。その攫われた中には、元小十人頭・都築主悦の娘・静香もいた。そして岩間が、塩村の悪事を知り果し合いを行います。

    【読後】
    坂岡真さんの新シリーズのスタートです。
    字も大きく、読みやすく、物語も歯切れがいいです。これからが楽しみです。
    特に、「負け犬」で元小十人頭・都築主悦の娘・静香と結ばれた時は、喜びも出たが。又兵衛の家に来たのが静香だけでなく、亡くなったと思っていた静香の両親も一緒に現れて、半分ボケているという。最後で、こういうふうに持って行くかと思うと。え、えぇ…困惑します(笑)
    2021.02.18読了

  • 例繰方という奉行所でも内勤で地味な部署で、剣技では無く知恵で勝負の話しと思ったらちゃんと悪人退治の剣を使う内容だった。やる気も無かったのに、次々相手から寄ってくる。女性も然り。気楽な一人暮らしを楽しんでいたのに、最後は騙されたように多勢の家族まで出来てしまった。これからの活躍が楽しみになってきた。

  • 2020年10月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ1作目。駆込み女、明戸のどろぼう、負け犬、の3つの連作短編。例繰方与力が主人公というのが変わっていますが、展開にそのことはあまり関係がなく残念です。登場人物の紹介も一段落したので、主人公たちがどう成長していくのか?てなところが、次回からの楽しみどころでしょうか。

  • 例繰方が主人公というのも珍しい。

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著者プロフィール

坂岡真
一九六一年、新潟県生まれ。十一年の会社勤めを経て文筆の世界へ入る。江戸の情緒と人情の機微、そして花鳥風月を醸し出す筆致で、多くの読者を魅了している。主なシリーズに「鬼役」「鬼役伝」「帳尻屋始末」「帳尻屋仕置」「照れ降れ長屋風聞帖」「はぐれ又兵衛例繰控」「死ぬがよく候」「人情江戸飛脚」などがある。

「2023年 『うぽっぽ同心終活指南(一)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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