ごんげん長屋つれづれ帖【一】かみなりお勝 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575670233

作品紹介・あらすじ

岡場所で賑わう根津権現門前町にある裏店、通称「ごんげん長屋」に住まうお勝は、女手一つで三人の子を育て、女だてらに質屋の番頭を勤める大年増。気っ風がよくて情に厚く、「かみなりお勝」とあだ名される彼女の周りでは、なにかと騒動が巻き起こり――。時代劇の超大物脚本家が贈る、笑いと人情たっぷりの江戸の市井のホームドラマ開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 金子成人さんの新作スタートです。

    かみなりお勝 ― ごんげん長屋つれづれ帖シリーズの1作目 
    2020.10発行。字の大きさは…中。
    かみなりお勝、隠し金始末、むくどり、子は宝の短編4話。

    質舗の番頭を務め、女手ひとつで3人の子供を育てる「かみなりお勝」の奮闘物語です。

    文政元年(1818年)、江戸は根津権現社の近くの「ごんげん長屋」に住まいして、お琴12才、幸助10才、お妙7才の3人の子供たちを、女手ひとつで育てるお勝38才は、女ながら質舗・岩木屋の番頭を務めています。

    お勝は、18才の時に馬喰町で両親と兄を火事で亡くし、今日まで一生懸命に働いてきたことが書かれています。その中でも、旗本家の当主の手がつき、今年19才になる男の子を生むと、屋敷を身一つで追い出されます。

    一番ビックリしたのは、女手ひとつで育てている子供3人が、全て孤児を引き取ったことです。そして、その子供たちが、自分が孤児であったことを知っていて、明るく、楽しく、卑屈にならず4人で家族として暮らしている事です。

    【読後】
    今巻は、最初とあってお勝の歩んできた事柄が多く織り交ぜられています。そんな中でも火事で両親と兄を亡くし一人ぼっちにり、我が子と引き離されても、力強く生きてきたお勝の姿が印象的でした。女手ひとつで育てている子供3人が孤児というのにはビックリしました。
    2021.04.29読了
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    【令和3年(2021年)4月に読んだ本】

    4月に読んだ本は、31冊です。
    池井戸潤さんの「下町ロケット」は、いきつく間もなく次々に山場があり、飽きることなく、テンポ良く、進んで行きます。音読で読んでいて、気持ちが入り、高揚し、とても楽しく読めました。
    皆様の応援で今月も楽しく読書が出来ました。ありがとうございます(笑顔)。

    今月のベスト本は、下記の7冊です。
    ★★★★★5つは、ありません。

    ★★★★☆4つは、下記の7冊です。
    下町ロケットシリーズの1冊目 ―――――――――――――著者/池井戸潤
    ポリネシア大陸 ー 月刊たくさんのふしぎ2020年5月号 ―― 著者/野村哲也
    トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ ー
    月刊たくさんのふしぎ2020年11月号  ―――――――――著者/長倉洋海
    大津波のあとの生きものたち (少年写真絵本) ―――――――著者/永幡嘉之
    家康、江戸を建てる ―――――――――――――――――― 著者/門井慶喜
    合流篇 ― あきない世傳 金と銀シリーズの10作目 ―――― 著者/高田郁
    かなたの雲 ― 日本橋牡丹堂 菓子ばなしシリーズの7作目 ― 著者/中島久枝

    ※令和2年(2020年)1月から、その月の最後に読んだ本に、その月のベスト本をのせています。

  • 金子氏の本は付き添い屋、かぎ縄に続いて3シリーズ目。人情話しだが淡々とした味わい。
    本作も主人公が女性で質屋・損料屋の番頭で品物の目利という不思議な設定。何故こんな仕事を、との疑問が湧くが、この解答は最後の4話目に出てくる。3人の子供はいるが亭主はどうなった、の解答は3話目と4話目とみんな後ろに持ってきている。このあたりはどうだろうか?
    町民で小太刀の名手だが、立ち回りも1回あった。度胸は「かみなりお勝」として随所に出てくる。
    大身の旗本のお世継ぎ問題も出てきて、次作はどう展開して行くのだろうかと期待を持たせる。

  • 【収録作品】 かみなりお勝/隠し金始末/むくどり/子は宝

  • 「なぁに、損料は貰ったから、親元へ返しに行くとこだよぉ」

  • 202010/質屋の番頭を務めながら女手ひとつで三人の子供を育てるお勝。子供達との関係には驚かされた。シリーズもの1作目ということで今後も楽しみ。

  • 江戸時代の長屋の話と言えば、人情に厚く、良くも悪くもおせっかい。貧しい暮らしの中で助け合いながら生きているって感じ。

    質屋で番頭を務めるお勝も例に洩れず曲がった事が大嫌いなひと呼んで「かみなりお勝」と言われている。
    小説の出だしはとっつきにくいが、お勝の素性が分かってくるとグッと話に引き込まれていく。

    時代小説特有の「夜の帳が下りる頃」や「夜のしじまが〜」の表現もいい感じ(笑)。
    おけら長屋によく出てきた「科を作る」も綺麗な表現で好きだなぁ。
    十八五文の薬売りなんて言葉が出てきたら調べずにはいられない(笑)。

    スカッとした性格のお勝がどんな風に騒動を解決していくのか続きが読みたくなる作品です。

  • 後半になってググッと面白くなり、次巻以降も読みたくなった。
    かみなりお勝のきっぷの良さと、秘めた過去の痛みと、子どもたちに、周囲の弱き人に寄り添う温かな情が心地よい。
    いろいろあっても、前向いて笑って生きていこう、生き抜こう、と思える時代もの。

  • 内容(ブックデータベースより)

    岡場所で賑わう根津権現門前町の裏店、通称『ごんげん長屋』に住まうお勝は、女だてらに質屋の番頭を務め、女手ひとつで三人の子供を育てる大年増。
    情に厚くて世話焼きで曲がったことが大嫌いなお勝は『かみなりお勝』とあだ名され、周囲に一目置かれる存在だ。
    そんなお勝の周りでは、今日も騒動が巻き起こり――。
    くすりと笑えてほろりと泣ける、これぞ人情物の決定版。
    時代劇の超大物脚本家が贈る、傑作シリーズ第一弾!

    令和4年3月31日~4月3日

  •  本所のおけら長屋も根津のごんげん長屋も、どちらも人情に溢れた素晴らしい長屋です。金子成人「ごんげん長屋つれづれ帖(一)」、かみなりお勝、2020.10発行。かみなりお勝、隠し金始末、むくどり、子は宝の4話。むくどりはちょっと辛い話でしたが、お琴12歳、幸助10歳、お妙7歳を育て、難題を次々に解決していく強くて筋の通ったお勝(質舗・岩木屋の番頭)の活躍に大拍手です。

  • お勝さん、カッコいいですね。
    痛快時代劇のシリーズ、楽しみです。

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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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