この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)

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著者 : こうの史代
  • 双葉社 (2009年4月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・マンガ (148ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575942231

この世界の片隅に 下 (アクションコミックス)の感想・レビュー・書評

  • アニメ映画が話題になっていたので気になっていたのですが、見られないので原作本を読んでみました。戦争中のお話なのに、主人公のすずさんがおっとりとした性格でユーモラスな感性を持っていて、暗くなくてなんだかほのぼのするなぁ…などと思っていたのですが、後半、戦況が悪化して、大切な人やものが失われていく様は、戦争のリアルを静かに残酷に描き出していて、とても胸が痛みました。一コマ一コマが印象的。
    戦争はだんだん過去のことになってきているけれど、今ある平和が当たり前のことではない。奇跡の連続なのかも。大切な人と共にある時間を心に刻んで1日1日を生きていきたい…などという余韻が残りました。読んで本当によかったです。

  • 映画より複雑なすずさん。お話も独特な曖昧さ余白が際立つ。映画と漫画比べながらもう一周したい。

  • 映画が話題だったので気になっていたのですが、その原作本を読む事ができました。
    本当に面白く、切なく、楽しく、ツラく、心に沁みる話で名作だと思います。

    登場人物たちが意外と狭く、複雑に関係しあう伏線がそこここにあり、読み返してもハッとさせられます。

    戦時中、苦しい時代・世界・現実をほんわかとした画と主人公でほのぼのと読ませるところがすごい、と思いながら読んでいたのですが、そのほんわかの中で戦時中の歪んだ世界観を描き切り、逆に読んでいる我々にここまで苦しさを伝えることができる作者の力量に脱帽です。

  • 昭和9年の幼少期を経て主に昭和18年から昭和21年1月まで、広島県江波から呉の北条家へ嫁いだ主人公すずの日常を描いた全3巻の漫画です。

    映画も素晴らしかったですが、漫画の方が登場人物のより深い関係性が描かれ読み応えがありました。途中途中にある当時の日常コラムも程良い小休止となり思わずニヤリとします(特に中巻の径子お姉さんの問答集)。

    ちょっと抜けたところもある主人公すずの話し方と性格が、この時代の喧騒を少し落ち着かせてくれます。国自体は戦争の渦にありますが、そこで暮らす人々はあくまでも自分の生活が中心。配給や物資の不足、故郷を離れる寂しさや人間関係の気苦労はあるけれど、モノの少ない生活に工夫を凝らし、何より一日一日を穏やかに過ごそうとする人々の姿が生き生きと描かれています。
    しかしその気持ちを裏切るように、読み進めていく度に戦争の影は刻一刻と日常に迫ってきます。それはすずも例外ではありません。

    私は戦争を歴史としか知らない世代です。この作品を通し、戦争のなかで“普通”に生きようとする人々の“普通”さと、その度量の深さと強さの一端に触れられた気がします。
    多くの人に、長く読み継がれてほしいと願ってやみません。

    ==================
    「みんなが笑うて暮らせりゃええのにねえ」

  • 下巻。21年1月までの広島。この巻で物語は終わる。
    すずさんの意思がいままでになく伝わってくる。
    姪も自分の右手も家族もなくしていく。戦争までなくしたとき激しく感情を爆発させた場面では、胸をギュッとしめつけられた。あのすずさんが吼えたのだ。
    一番悲しい巻だった。戦争の延長線上に現在があるということ、私たちは忘れてはならないんだということを。

  • 帯文:”日本中で大反響!!” ”累計90万部突破!” ”第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞ほか数々の漫画賞を受賞!”

    目次:第29回 20年4月、第30回 20年5月、第31回 20年5月、第32回 20年6月、第33回 20年6月、第34回 20年7月、第35回 20年7月、第36回 20年7月、第37回 20年8月…他

  • 戦時の広島・呉を舞台に描かれた、一人の女性と周囲の人々の日常の物語です。
    ほのぼのタッチで描かれているからこそ、戦争の厳しさや惨さが鮮やかに伝わってきました。こんなに辛いことが当たり前の日常となってしまうような時代は、二度と来て欲しくはない。私がもしこの時代に生まれていたら、きっと前向きに生きることはできなかったと思います。

  • 上・中は今まで聞いてきた戦争の話とは雰囲気がまるで違う、ごく普通の「日常」の話だった。絵柄が可愛いし何よりすずさんがとても可愛らしい。ずっとほのぼのしていただけに下巻で不意打ちを食らってしまった。右手を失ってから背景が左手で描いたようになっていて演出が凄い。映画も観たいな。

  • P12 赤城の艦影:昭和2年だと3段甲板
    P62 中巻でスルーに近い扱いでしたが、「鬼いちゃんが死んで 良かったと思ってしまっている」の言葉に衝撃でした
    P94-95 B-29の代わりにトンボ、焼夷弾の欠片、掲揚された太極旗(朝鮮の解放)=終戦による大転換
    最後のカラーページは街灯の点灯・灯火管制の無い電灯とで、平和と復興の予感。汚れた戦災孤児は、焦土と化した日本そのもの。でも、生きていると。で、それの絵筆を持つ手が失った右手なのは、カバーのすずに右手があるのと同じなのでしょうか。要は、実際は無いのですが、心情的には失っていない、な感じで。

  • 戦時中の日本が舞台で、いつ死ぬか分からない状況のなか日常生活を送る。この暗い背景でも、主人公の可愛らしくけなげな性格に癒される。生きることと死ぬことが身近に感じる本。

  • 映画を見てから漫画を読んだ。
    正直重いテーマなので、手に取るのに時間がかかった。話の経過を知っているとなお、またあのつらさを味わうのか、とためらってしまう部分もあった。
    読んでみて、やはり映画の完成度がかなり高かったのだな、と感じた。原作本は3冊に及ぶが、かなりうまく話をまとめている。遊廓の女性とのエピソードはかなりばっさりと省略されていた(監督がすずさんにこれ以上辛い思いをさせたくないとインタビューで言っていたと目にしたが、本当かどうかはわからない)。このエピソードがあるかないかで周作に対する印象はかなり異なってくるため、どちらが良いかは一概に言えないが、無い方が話としてまとまりやすくなるのは間違いないだろうから、時間の限られた映画では省略するのが正解かもしれない。
    また漫画では漫画だからこそできる様々な表現が試みられているが、うーん、正直自分にはごちゃごちゃして感じられた。そこで凝らなくてもいいのでは、と感じた。ストーリーがしっかりしているので、それ以上盛り込まなくても良かったのではないかと思う。
    映画もまた観たいと思うけれど、やっぱり重いので、いつになるかな…。

  • ぼんやりしているからわかることがある。最近は「自分は利口者だ」と思っている輩がやたらとネット上で駄弁を弄している。(あっ、俺もそうか。)

  • 泣いてばっかりじゃ勿体ないわい 塩分がね

  • 70年後に今の世界はどのように描かれるんだろう。
    「あのころは良かった」と描かれるのがいいのだろうか?または「あの頃は大変だった、貧しかった」と描かれるのがいいんだろうか。
    後者であるとしたら、どんな70年後か想像もつかないが、70年後の人に「あの頃は大変だった」と思われる現在であるほうがいいと思う。

  • 昭和19年(1944)に広島市から呉市へと
    4歳年上の男性(北條周作)に望まれ嫁いだ18歳の浦野すず。
    北條家の人々とのささやかな日々、
    戦中の日常が淡々と描かれてる。
    おっとりさんで前向きなすず…
    しかし焼夷弾によって晴美ちゃんの命とすずの右手が失われた。
    自分の居場所を失ったかのようにみえたが……
    みんな明日があると信じて生きている。
    毎日、日々の事に追われ生きている
    人間、前を向いて生きている。
    普通に暮らせる…というのは実は有難いこと、
    そして誰もが世界の片隅で生きている。

    すずも周作と北條家で生きていく。

  • なんだか泣けて、泣けて、しようがなかった。

    深い感動で、しばし、ぼうぜんとため息をついていた。

  • 終戦の年の4月~戦後までを少々。
    時期的に不幸な出来事も多いですが、そうでもない出来事があったりも。
    あとがきで先生が書かれている
    「誰か」の「生」の悲しみやきらめきが感じられる1冊でした。

  • 映画を観て、厳しい時代の中でも
    人が生きていくということは、
    笑ったり、恋したり、
    嫉妬したり…。
    あぁ、そうだよなぁ。
    けれど、それがもっと、穏やかで
    人それぞれのよさや、のびやかさが
    いきいきとするのが「平和」ということ
    なのだろなぁ。
    と、悲しみの中で、笑い、切なくなりながら
    一気に読了。

    何度も読み返したい作品だ。

  • 「この世界の片隅に-上・中・下-コミック」(こうの史代作:双葉社)

    先日、読んだ小説バージョンに刺激を受けて、コミック版を購入。一気に読みました。柔らかい絵で、主人公である「すず」の人柄や周りの人たちの温かさ、爆弾によって引き裂かれた生命等、日常の息遣いや悲しみが心に染み込んできました。「くすっ」と、笑えてしまうシーンが多くあります。数々の「戦争」をテーマにしたコミックに接してきましたが、今までとはまた違う力を持った作品だと思います。

    家族にも読むことを勧めたいと思います。読み終わった時に、感想など話し合えればいいかなと考えてみます。

    みなさんも、ぜひどうぞ

  • ずっと周作さんとのことでモヤモヤしていたが、最後の方は何も言えなくなった。
    不幸の中にも幸せってあるんだったと、久しぶりに思った。

  • 私にとっては戦争漫画であると同時に恋愛漫画だなぁと思っていて、すずと周作のやり取りに苦しくなって何度も泣いてしまう。

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