恋の在り処 (二見書房 シャレード文庫)

著者 :
  • 二見書房
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本棚登録 : 50
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576120805

作品紹介・あらすじ

とある出来事がきっかけで母親と折り合いが悪くなり、両親と離れ祖父と暮らす譲は、いつも訪れる神社の水汲み場で三条と出会った。離婚を期に転職、次の仕事が始まるまでの間、譲の住む村へ旅行に来ていると言う三条。元来人見知りな譲だが、大人で都会的な雰囲気に反して三条の笑顔は柔らかく、滞在中のガイドを申し出る。旅の間だけの繋がりだ、そう自分に言い聞かせながらも三条と過ごす時間は楽しく、次第に惹かれていく譲。しかし譲を訪ねてきた母親に三条との仲を誤解され-。

感想・レビュー・書評

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  • お初の作家さん。今、自分が求める甘さにぴったりだった! この本を積んでた私エライぞって自分で自分を褒めてあげたい(笑)。田舎の美しい風景や湧き水の冷たさ、澄んだ青空などの描写も読んでて心洗われる感じ。歳の離れた人との恋愛も自分の萌えポイントなので、ドンピシャでワンダフォ~。譲はすれてなくておじいちゃんを大切にするいい子だし、三条は大人の落ち着きがある男で文句無しの二人だった。どちらかというと二人の心の動きに比重が置かれている感じであまり性的なシーンに頼らないストーリー展開なのも自分としては好ましかった。

  • 独特の雰囲気が好きです。
    澄んだ文章というのか、淡々とした話で、でもありそうな母子関係。
    3日で恋に落ちる、ですね。

  • 【※BL注意】

     譲は、いつも訪れる神社の水汲み場で三条という男と出会った。
     三条は同じ男から見ても男前で、「田舎」という他ない観光スポットでもない寂れた神社にどうしているのだろう? という都会的な格好をしていた。
     人見知りな譲は、見慣れない男の登場に驚くが、三条は落ち着いた様子で譲の水汲みを「手伝いたい」と申し出てきた。
     そして人見知りの譲には珍しくそのまま話し込んでしまい、三条が離婚を期に転職し、次の仕事が始まるまでの間に、譲の住む村に旅行に来ていることを知る。
     とある出来事を理由に、母親との関係が悪化し、両親と離れ祖父の元で生活をしている譲に優しく接してくれた三条の瞳に、ついつい譲は滞在中のガイドを申し出てしまう。
     翌日、差し出がましいことをしたかと、不安に感じる譲をよそに、「また明日」と言ってくれた三条に譲はどんどん惹かれていく。
     けれど、三条はいずれいなくなってしまう人だし……と考えた譲は自分の気持ちに名前を付けないままそっと胸の内に閉まっておこうと思っていた。
     ところが、そうやって三条と食事をした帰り道、譲を訪ねてきた譲の母親と鉢合わせしてしまい、あろうことか、三条を譲の恋人と勘違いして怒鳴りつけられてしまう。
     実は、譲と母親の仲をダメにしてしまった決定打というのが、男とのキスの瞬間を見られた……というものだったのだ。
     譲にとっては三条にだけは知られたくなかったその秘密を暴露されてしまったことによって動揺するが、翌日も三条が譲の家を訪ねてきてくれて――

     という話でした。
     田舎で出会った二人が、徐々に惹かれ合って、最後にはハッピーエンドなお話でした。

     個人的には、これに追加で収録されていた「2」の方が好きでしたね。
     無印はすべてが譲視点で書かれているのですが、「2」は三条視点で書かれた話。
     三条の旅行が終わり、村で別れてからの久々の逢瀬。
     そんな二人の話だったんですけど、最初の話は譲の弱さがものすごく出てて、そこを乗り越えた先に三条との幸せが待っていた……という話だったんですが、「2」は三条の弱さが全開で放出されてしまう話。
     三条の背負っているものも、相当重いのですが、そんな三条を譲がぎゅっと抱きしめて、傷を癒そうとする話。

     まあ、これは物語だから、こんなキレイに終わったのかもしれませんが、それでも、「許す」って大事なことだなあ……っていうのが、心底伝わってきて。
     自分で自分を許すことが一番難しいんだってのが、すごくよくわかって。
     痛いけど、でも、こうやって幸せになってくれればいいなあ……って思います。
     それにしても、譲はこれからどうするんだろう?
     素直に、村の公務員試験をもう一度受けるのか、三条の元へといくのか……。
     いろんな人生の岐路を見てきてしまった年齢になってしまうと、譲の今後もちょっと気になりますね。
     譲もいつまでも十代のままではいられないし、祖父もいつまでも生きているわけじゃない、年齢を重ねれば重ねるほど身動きもとりづらくなると思うんだけどなあ……と。
     まあ、そのうち、我慢できなくなった三条が、「在宅ワーク」と称して村に押しかけてきそうかな? と思ったりもするのですが。

  • 神江さん2冊目。綺麗で切ない文章が好きです。三条の過去が辛すぎて痛い。空港の場面はうるっときました。じいちゃんが気持ちいい人だったのが救いでした。

  • 「青空~」から5年後の設定ということで、その間に三条さんにあんなことが起こっていたとは・・・;本当に苦労したんだなぁ(苦笑)前の役回りが不憫だったから、今回こそはと思ってたけど、なんかモヤモヤが残った・・・。一応はうまくいった二人だけど、すっごい幸せな終わり方ではなかったと思う(苦笑)

  • う~ん?素敵なお話だとは思うし、ホロリとしたけど、読了感がすっきりしない。ラストの子供のエピがそのまま苦い読了感として残ってしまった。幸せになって良かったね♪なんて思ったのに、中盤にあった譲の"子供に対する愛情ほど自分を愛してはくれないんだろうな"って言葉が今の段階では切実に感じられて。これからは弱い所も見せ合って幸せになっていくんだろうけれど、なんとも苦い。 でも丁寧に心情を書かれて、特におじいちゃん大好き!母親に向かって怒鳴った所なんかもう泣けちゃって!すごく素敵なおじいちゃんでした♪

  • 「青空の下で抱きしめたい」関連作

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