微笑みはいつもそばに (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

  • 二見書房
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本棚登録 : 40
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784576121703

感想・レビュー・書評

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  • いつものことですが盛大にネタバレがありますのでご注意。

    もう本当に心の底から笑いが止まらず、読んでる最中何度も声を上げて笑ってしまって自室の中で軽く不審者だった件…。
    基本的には、夫に精神的にも肉体的にも虐待されてて萎縮してしまったヒロインと、双子の弟に殺されかけ成り代わられあげくにアメリカに売られてしまったヒーローというそれなりにハードな設定の中、ヒロインクリスティアナの夫だったラドノー伯爵を殺したのが誰かとか、戻ってきたラドノー伯爵リチャードの命を狙ったり脅しているのは誰なのかとか一応サスペンスのはずのお話だったのですが。
    もう序盤からあっちにいったりこっちにいったり絨毯で巻かれて皆に運ばれて必死で冷やされて隠されたあげくに、盛り上がってしまって押し倒されたベッドの下から出てくる死体に本当に笑いが止まらず。
    そして相変わらずリンゼイ・サンズらしいある程度常識人に見せながらやっぱり下半身でしかものを考えられないヒーローとヒロインにやっぱり笑いが止まらず、久々に大笑いしながら気持ちよく読了した本でした。
    いやでも基本的に下半身大暴走しながらも、同じ人間に苦しめられた二人がやっぱり臆病になってしまったり不安だったりしながらも、徐々に気持ちを重ねて信頼しあっていくことも、特に傷付けられて自分自身であることに自信を持てなくなってしまったヒロインが、そのままの自分をリチャードに受け入れられて救われて、そして彼を愛する勇気を持てるようになることも、なんというか非常にロマンスらしいロマンスで。
    二人が共にいることで笑いに覆われた幸せな日々を送れるのだと確信させてくれることは非常に嬉しいなあと思ったり。

    いやしかし毎度のことな気もするけれど、サンズせんせいのベッド(じゃないことも多かったけれど)シーンは何ていうかてらいがないというかあられもないなあ…。そしてヒーロー(悪い訳ではないけれど)の下半身露出率が高い気がするんですがどうか…。ああでも今回は他人に目撃されてないからまだ良い方なのかな…。しかし二人は幸せそうでよいのだけれど毎晩(朝もありましたが)あんな大騒ぎ聞かされてた使用人とクリスティアナ妹達とリチャード友人ズは大変迷惑だっただろうと思うなど。

    クリスティアナの夫を殺した犯人は大体中盤から分かってしまう感じだったのだけれども、最後の彼の選択が仕方がないかなあと思っていてもちょっと寂しかったり。しかしここできちんと彼の使用人としての誇りを理解しているリチャードは本当によい男だなあとつくづく(いや全力で下半身に振り回されてるけれども)。

    あとは、クリスティアナ妹のシュゼットとリサもリチャード友人のダニエルもロバートもとても好きだったので、続刊をとても楽しみにしています。個人的には元気が良くてはっきりしているシュゼットと楽しんで彼女に振り回されているダニエルも好きだったものの、正義感が強い割に鈍感そうなロバートと夢見がちでおっとりしているはずなのに、ロバートのことにだけ必死なリサがとても可愛かったので、彼らの話がどんなことになるのか本当に楽しみ。

    ええとあと最後に。ここは突っ込んじゃいけないところなのかもしれませんが、あんだけ乱暴に移動させられまくった死体は大丈夫だったのかな…。

  • 祖母の遺産は結婚しなければ手に入らず、賭博で身を持ち崩した父のために結婚する羽目になった姉妹が狙われるというお話。
    事件性はあるが、二の次。
    優しげな雰囲気の表紙とタイトルとはちょっと違う、喜劇的なコミカルさのある作品なのでご注意。
    原題のCountessは”[名]伯爵夫人[未亡人]”
    夫が急死したことで突然未亡人にり自由になれたと思ったのに、夫が生き返り、別人のように優しなってしまって…!?
    男の死体をみんなであっちへこっちへと持って歩いて、なんともトホホな展開で、楽しいロマ。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4353.html

  • 余計なハラハラ感がなかったのでストレスフリーで読めたのは良かったけど、ロマンスでのキュン度が少なかったのが残念。

  • 〈マディソン姉妹〉シリーズ1作目

  • 話の展開のわりに深刻さがなくて軽く読める。馬車の事故と馬車に轢かれそうになったのが結局「偶然」で終わってるのがちょっとすっきりしない。

  • なかなかインパクトのあるお話でした。
    ヒロインは不幸な結婚生活を送っていましたが、夫が書斎で突然死。
    ヒロインの身内に緊急を要する出来事があった為、夫の死を数日間隠して、妹たちを社交界デビューすることにしたものの、そこに、亡くなっていたはずの夫が現われて…。
    その後は、様々な理由で、その遺体を隠したり移動したりという展開がしばらく続きます。この辺の描写が、危機感があるのか無いのか…という感じで、なかなか微妙で、読んでいてもやもやしました。これが遺体でなければ、喜劇として楽しめたかもしれません。
    亡くなっていたはずの夫と、舞踏会に現われた夫についてですが、両者は実は別人で、亡くなったはずの夫のほうは、兄のリチャードになりすましていた双子の弟ジョージだったことが判明します。
    本物のリチャードは、弟とは大違いで紳士ですが、自分の意思とは関係なく既に妻がいるという状況に戸惑い、妻のクリスティアナは、不幸な結婚生活のトラウマのせいで、彼に対して心を開くことができません。運命のいたずらに翻弄緒されながらも、惹かれあう2人。
    後半は、遺体も片付いてくれたおかげで、気持ちを持ち直して読むことができました。実は、ジョージは毒殺されていたのですが、意外な人が犯人でびっくりしました。
    いくつかの事故が偶然として片付けられてしまったり、妹の結婚話についても、中途半端なままで、若干納得がいかない部分が残りましたが、どうやら妹を主人公にした次回作があるらしいので、そちらに期待したいと思います。

  • マディソン3姉妹シリーズ。長女のクリスティアナはラドノー伯爵と結婚して1年たつが、虐待の生活が続いていた。そんな中、父親の 借金を知らせに妹二人が訪ねてきて、伯爵の突然の死。死んだはずの伯爵登場。少々下世話な下ネタ気味のドタバタ喜劇が続くが、長女と本物のラドノー伯爵のロマンスと平行で、次女シュゼットとダニエルのロマンスもチラチラ、2巻目が楽しみです。私には乗りきれませんでしたが、ツボに嵌まれば大笑いの作品です。

  • いつもの緩~いサスペンス
    ドタバタ甘々で気軽に読める。
    メロメロになりすぎて周りが見えて無い感じ(それでどたばた)が微笑ましいんだよねぇ

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著者プロフィール

リンゼイ・サンズ Lynsay Sands
カナダのオンタリオ州出身。1997年のデヴュー以来、ヒストリカル、パラノーマルを中心に多数の作品を発表。
ユーモアあふれる語り口と綿密に練られたストーリーに定評があり、その作品はオランダ、ドイツ、ロシア、韓国ほか世界各国で翻訳され、多くの女性読者の支持を得ている。
本を読むのも書くのも大好きで、執筆しているときには、自分が創造主になった気分を味わっているという。
読者に日々のストレスを忘れさせ、笑ってもらえる小説を書くのが理想。

「2021年 『ハイランダー戦士の結婚条件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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