- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576201023
作品紹介・あらすじ
「また、推理パートを忘れてしまいまして」若手編集者のわたしが担当するのは、大学生作家・二ノ宮花壇。彼にはとある悪癖があって…
感想・レビュー・書評
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漫画のような可愛い作品です。
執筆中の推理小説の推理パートを忘れてしまうので、担当編集者が毎回考える、、、という短編集ですが、いつも流し読みをしてしまうため、推理小説の伏線やら描写からの見破り方は参考になりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
解決パートを忘れてしまったと言っては締切を守らない作家の原稿から、謎を推理する女性編集者のお話
以下、公式のあらすじ
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また解決方法、忘れちゃいました!
解決パートのシナリオを忘れてしまう悪癖をもつ、現役大学生ミステリ作家が唸る結末を考え出して、やりこめたはずだったのに……
手のひらで転がされていたのは、また担当編集者のわたしでした――。
現役大学生作家・二ノ宮花壇。圧倒的な筆力と構成力、瑞々しい文体をもつ売れっ子作家だ。
……が、担当編集者のわたし、左京真琴からしてみれば、とんでもないガキである。彼が〆切を守ったことは皆無だし、生意気だし、口を開けば皮肉ばかり。
その上、「いま書いている物語の推理パートを忘れてしまう」という悪癖まで持っている。
わたしはそのたびに彼の物語を推理して、つじつまの合う結末を考えるのだが……
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覆面作家だけど、主人公が女子大生である事が多いので女性だと思われている花壇
先輩編集者から花壇の担当を引き継いだ左京真琴
解決パートの依頼がある度に、先輩は「懐かれている」と言うが……
変則的な日常の謎ものですね
花壇の身の回りのお店や出来事をモチーフに物語を書くので、実際にその場所に行ってみるパートがある
実際と物語では違っているところは、敢えて描写したという事なわけで、ミステリとしてフェアであるためのメタ的なヒントになっている
喫茶店で出くわしたカップルの男性が怒った理由、寮の幽霊騒ぎ、部室のお菓子パーティーで毒を盛られたという真相等々
解決のヒントや伏線、ミスリード、推理の穴の指摘等、ミステリの基本的な形がちゃんと構成されている
ただまぁ、最後のオチは最初からそんな事だろうとは思ってたよ
設定自体が不自然ですものねぇ -
圧倒的な売れっ子作家の担当…なのはいいのだが
作家の困ったくせに、主人公は毎回訪問する羽目に。
解決パートを忘れるというのはどうなのか…。
しかも毎度担当に考えてもらうというのは
どうなのだろうか、というのがあります。
文章力があるからこそ、な作家なので
それはそれでありかも知れませんが…。
とか思っていたら、ええ?! な最後でした。
度々前担当者と答え合わせ(?)をしていましたが
今さらその現実を知るというのは…。
壮大ないたずら、みたいに終わっていますが
本当の所は、どこなのでしょうか??w -
最初は「タレーラン」のようなつかみどころなさ(失礼)かと思っていたら、登場人物(実在の。笑)になかなか魅力がある。
謎そのものはライトやし、ぶっちゃけわたしでも予想できる「解決パート」やったりもするんやけど、全体通しての読了感はめちゃくちゃよかった!
全然、つかみどころ、あった!
「書かなくても、わかるやろ?」
っていう匂わせは、確かに書かれていないところがストンと落ちたときの爽快感はあるけど、しっかり書いてくれるのもやっぱりいい。ちゅうか、わたしはそっちのほうが好き。
なるほど、著者曰く「あたたかい物語が好き」とのことが如実にあらわれてる作風やったな。
お仕事物語としてはちょっと簡単すぎる(失礼)、ミステリとしてもちょっと簡単すぎる(大変失礼)、でも、キャラが活き活きとしていて、微笑ましくて、読了感が
「うんうん、楽しそうで、いいね」
ってなるので、今のわたしにとってはめちゃくちゃハッピーな小説でした! -
マイペースで意地悪な作家先生、好みが分かれるところだろうけど私はとても好きなタイプです。
ただし身近にいなければ、って条件ですが……。
『宝石吐き』や『ところてん式』に比べると、ややライト文芸系レーベル寄りに作風を合わせてきてるかな?って感。