パパはバードマン

  • フレーベル館
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  • Amazon.co.jp ・本 (161ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577039632

作品紹介・あらすじ

ここ、イギリス北部の町ではちょっとおかしなことが起こりはじめた。パパは、つばさを作り、虫を食べ、巣作りをしている。ドリーンおばさんは、ふきげんな顔でダンプリングなる料理を作り、ミスター・プゥプは、大声を上げて通りをねり歩き校長のミント先生まで、そわそわするしまつ。そしてこの本の主人公、しっかり者のリジーは、なんて美しい鳥の羽なんだろうと思いながら…。すべてのなぞは…、そう、だれがいちばんすごい鳥人間でしょうコンテストにあるのだ!国際アンデルセン賞受賞作家デイヴィッド・アーモンドのお話が始まるよ。

感想・レビュー・書評

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  • アーモンドの作品のなかでもかなりこども向け。ちょっと変わったパパとそんなパパにやさしく寄り添う娘の親子愛の様相もあり。

  • 少し障害のある大人をメインに扱っているところは『フォレスト・ガンプ』を想起した。
    デビットアーモンドさんの著作をいくつか読んでいるのだが、女性の主人公がいつも魅力的。ミナのように、心や生活に闇を抱えているが、地頭は良い子が得意なのだろうか。

  • 前半はちょっとぎょっとしたけど、かわいくて、愛がいっぱいのお話です。

    本書でははっきりとは書かれていないけれど、お父さんはお母さんに先立たれて頭がおかしくなってしまったのでしょう。仕事もせずに家でぼーっと考え事をしているお父さんを見て、わたしもドリーンおばさんと同じような感情を持ちました。
    でもみんな幸せで、空を飛んで(とべなかったけど)満足そう。現実と空想とかがさなりあったり、かさならなかったり。リジーとお父さんが生きてるそんな世界がすてきだと感じました

  • 図書館で子どもの本棚を見ていたら、デヴィッド・アーモンドの本を見つけてしまった。彼が書く子供向けの本ってどんなの?と興味津々で読んでみた。
    うん、明るい。未知で不安な存在はない。でも、ちょっと変わった人に対する共感は変わらない。これじゃあこの人、この世の中でやっていけないよなぁというような人に対して、優しいというより、きっと自然に寄り添えてしまうんだね、アーモンドさんは。
    父子家庭で、完全にひきこもって夢見がちなお父さんと、お父さんの世話をしながらお父さんに対する愛情や信頼を絶対に失わない娘リンダ、一般人としては完全に共感できるけど親子に対してちょっとピントの外れた世話をやくおばさん、「誰が一番すごい鳥人間でしょうコンテスト」主催のミスター・プゥプ、みんな素敵だ。そして最後はもちろんハッピー。成功と失敗と幸福について、ちょっと考えさせられる。
    でもお父さん、生きた虫を食べるのだけは勘弁して!

  • 楽しいパパで幸せね❣️

  • なんて優しく温かで素敵な物語。リジーのパパは少し変わっている。髪の毛はぼさぼさでひげも剃っておらず、仕事にも行っていなさそう。しかも体に布などで作った羽根をつけて虫を食べて鳥のように飛ぼうとしている。そして鳥人間コンテストに出て優勝する気でいる。
    パパがこんなことになった理由は明確には記されていません。ドリーンおばさんの言葉で「ママがかわいそうにあんなことになって」パパが変わったということがわかるだけ。そんなパパの面倒を見るリジーには、これっぽっちもつらそうなところはありません。だってパパのことが大好きだから。そしてパパもリジーのことが大好きだから。
    パパからリジーを離して常識的な生活をさせたいと思うドリーンおばさんも、そんな人たちを見守る校長先生もふたりのことが大好きだということが本から溢れんばかりに感じます。そんな人たちの温かな想いと信じる心の素敵さが、鳥人間コンテストで花開くのです。
    何も問題は解決していないかも知れない。でもこの人たちならばこれからも楽しく素敵に過ごしていくのだろうと希望に満ちているのです。

  • リジーのパパは、鳥のように空を飛びたいと鳥のように虫やミミズを食べたり、鳥を捕まえて鳥に話を聞こうとしたりするような、ちょっと変わったパパ。リジーは、そんなパパと鳥人間コンテストに出場することになる。

    「肩甲骨は翼のなごり」のアーモンドの書いた、もっと低学年向きの楽しいお話。
    挿絵のポリー・ダンバーの描くパパは、クゥェンティン・ブレイクにちょっと似ている。

  • D.アーモンドがこんな作品も書くのか?と思ったと同時に、この人らしいなと思った作品。頼りないパパを支える主人公の少女リジーがなんてけなげなんだ!と思ったと同時に、現実派のドリーンおばさんにも気遣いを忘れない彼女に幼いとはいえ女してるなあ、と感心してしまった(差別的な意味はなし)。
    それにしても虫は食べないでいいと思う。

  • ここ、イギリス北部の町ではちょっとおかしなことが起こりはじめた。パパは、つばさを作り、虫を食べ、巣作りをしている。ドリーンおばさんは、ふきげんな顔でダンプリングなる料理を作り、ミスター・プゥプは、大声を上げて通りをねり歩き校長のミント先生まで、そわそわするしまつ。そしてこの本の主人公、しっかり者のリジーは、なんて美しい鳥の羽なんだろうと思いながら…。すべてのなぞは…、そう、だれがいちばんすごい鳥人間でしょうコンテストにあるのだ!

  • リジーはパパと二人暮らし。
    でもパパは仕事にも行かず、鳥のように空を飛ぶことに夢中です。
    飛ぶために、鳥が食べる虫やミミズを平気で食べます。
    すごく変わったパパだけど、パパが大好きなリジー。
    だからパパのことが心配でおちおち学校へ行ってられません。
    一方、パパはリジーと二人で鳥人間コンテストに出ることに夢中。
    リジーが心配なおばさんは、リジーの校長先生を連れてやってきます。
    でもなかなか話のわかる校長先生、コンテストに興味津々。
    おばさんにダンプリングを投げつけられても気にもしません。
    そしてとうとうコンテストの日がやってきました。
    個性的な参加者たちが続々登場しては、ことごとく失敗。
    あえなくパパとリジーも。校長先生も。
    だけど、翼をはばたかせて、心から笑うふたり。
    「信じる心」がおばさんにも伝わって、最後は校長先生も加わって楽しく踊ります。
    暴言をはき、何かといえばダンプリングを投げつけるおばさん。
    コンテストを見ようと木に登ったのはいいけど、降りれなくなってパパとリジーに助けられるお茶目なおばさん。
    それから、コメントも楽しいコンテストの司会者、ミスター・プゥプさん。
    おしりに花火をくくりつけてコンテストに現れた校長先生。
    とってもユニークな登場人物たちが楽しい。
    ふんだんなさし絵も魅力いっぱい。
    パパと娘リジーの心あたたまるお話です。

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著者プロフィール

1951年生まれ。イギリスの作家。1988年『肩胛骨は翼のなごり』でデビューし、この作品でカーネギー賞受賞。ほかの作品に『星を数えて』『ミナの物語』『パパはバードマン』などの作品がある。国際アンデルセン賞受賞作家。

「2018年 『ダム―この美しいすべてのものたちへ―』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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