きりぎりすくん (ミセスこどもの本)

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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784579400904

作品紹介・あらすじ

旅にでかけたきりぎりすくんが、途中でいろいろな虫たちに会い、世の中にはさまざまな生き方があるのを知る、心あたたまる作品。

感想・レビュー・書評

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  • きりぎりすくんは旅に出かけ、その途中でいろんなことを学んでいきます。

    本の概要

    旅にでかけたきりぎりすくんが、途中でいろいろな虫たちに会い、世の中にはさまざまな生き方があるのを知る、心あたたまる作品。

  • きりぎりすくんが旅をする。
    道をたどっていくうちに、「かなぶん」や「てんとうむし」や「あおむし」や「いえばえ」や「か」や「ちょう」と出会う。

    それらにはそれぞれのこだわりがある。かなぶんやてんとうむしは朝が最善の時間帯であるとして譲らないし、

    りんごに住むあおむしはりんごが坂を転がりだしてもそれを家だと言い張るし、

    いえばえは何でもかんでも掃除しないと気がすまないし、

    かは水溜まりを渡るときに必ず自分の舟に乗らねばならないと言い張り、

    ちょうは自分たちがとまるきのこが決まっていて、そこをどけと言う。

    同じ作者の『ふくろうくん』という本にもあったが、アーノルド・ローベルには神経症を思わせるようなモチーフが随所にある。本書もしかり。
    そこを笑いにかえようとしているが、どこか笑いきれないところがあるのは本書も同じ。

    この主人公のきりぎりすくんだって、道を見つけ、その道をずっとたどっていくことが旅の目的なのだ。

    訳者の三木卓氏のあとがきは胸にしみるけれど、「きりぎりすくんもこうしてたびをしておとなになっていくんです」といった穏やかな話では必ずしもないような気がする。

    きりぎりすくんは、いやがおうにも道をたどっていくしかないのだ。もしも大人になったとしたら、それは結果的にであって、それ以上でもそれ以下でもない。

  • 旅に出たきりぎりすくんは、行く先々でへんてこな虫たちと出会う。
    人間にもいそうな、ちょっと厄介そうな虫たち。
    でもそんな出会いに幸せを感じるきりぎりすくん。
    最後に訳者の三木卓さんから読者のこどもへのメッセージが書かれていて、それもすごくいい

  • 面白かった。絵も素晴らしい。

  • きりぎりすくんの旅のお話。
    さいごの、訳者からのメッセージがとてもよかった。
    旅は、とてもおもしろい。出会いがある。みんな旅をしている。朝になったら、また出発。

  • 道を歩いて旅をする、きりぎりすくんの短編集。
    ひとつの価値観しか認めない虫や、強迫観念に取りつかれた虫、新しい出来事を受け入れようとしない虫など、出会う虫たちには癖があるけれど、きりぎりすくんはそれぞれと向き合って自分なりの言葉で話そうとする。シニカルな目線ながら、不思議に暖かい絵本。
    ローベル作、三木卓訳の絵本は他にも多いけれど、三木卓の叙情的なあとがきがついているのはちょっと珍しい印象。

  • 優しいキリギリスくん。
    蚊のおじいさんとのやりとりがとっても好き^_^

  • 旅にでたきりぎりすくん。
    変な虫にばっかり会います。
    変な虫に会って、何を言われても、自分は感化されず、相手を否定もしない。
    わたしも、こうありたい。

  • 2024.2.15 2-2

  • 初読。
    大人が読んでも、何かを揶揄しているような。
    もしかしたら、子どもは大人のことをこう見てるのかも、とも。大人って不思議だなって思ってるのかも。

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著者プロフィール

アメリカ・ロサンゼルス生まれ。プラット・インスティテュートで学び、1961年、ハーパー&ブラザーズ社の編集者と知り合ったことがきっかけで『かえってきた さけ』の挿絵で、絵本作家としてデビュー。翌年には、文と絵の両方を手がけた『マスターさんとどうぶつえん』を発表する。1970年『ふたりはともだち』が誕生し、そのシリーズで絵本作家としての不動の地位を築き、54歳で亡くなるまで、100冊以上の作品を残した。

「2023年 『ダッドリーくんの12のおはなし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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