昭和史 〈戦後篇〉 1945-1989

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582454345

感想・レビュー・書評

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  • 2011.6.25~7.12

  • 現代の政治家は未来の歴史のなかでどのように語られるのだろう。
    彼らはそのようなことを意識して現在を活動しているのだろうか。
    本当に意識していれば、今のような震災後の対応はなかったのでは。
    以下抜粋。
    『今の日本に必要なことは、一つには無私になれるか。(略)二つめに、小さな箱から出る勇気。(略)三つめとして、大局的な展望能力。四つめに、他人様に頼らないで、世界に通用する知識や情報を持てるか。さらに言えば五つめ、「君は功をなせ、われは大事を成す」(吉田松陰)という悠然たる風格を持つことができるか』

  • 未来のことを考える際に過去のことを知ることは必要だし、著者がこれからの若いものに対して考えるきっかけとなってほしいという願いから書かれているため非常にためになると思います。語り口調で読みやすいし。

  • 8/5お勉強になりました!

  • 本田宗一郎 会社はつぶれても機械は残る。誰かが使うから、日本のためになる。  今の日本に必要なこと 1 無私になれるか 2 小さな箱からでる勇気3 大局的な展望能力 4 他人様に頼らないで、世界に通用する知識や情報をもてるか 5 君は攻を成せ、われは大事を成す 吉田松陰

  • 思ったより長い。「戦後史」といったほうが正しい。
    昭和は、戦争に左右されたんだなぁ。

    以下、思ったこと。

    ●S20. 修身、日本歴史、地理の廃止について
     S20年まで、学校では修身という授業があった。これは今でいう道徳の時間。
    当時、「緩急あれば義勇公に奉ず」という教えを小中学生に教えていたらしい。

     いまだに、父親や年配の人はその教えから抜け出せずにいるというのを感じる。
    とくに父親は、国のためにわが身を捨てよ、という教えにまだとらわれている。
    そのせいで、話がかみ合わないのだろう。

    ●東京裁判の意義
    ?日本の現代史を裁く
    ?復讐の儀式
    ?日本国民への啓蒙教化の目的
     ?について。日本国民に戦争の責任はない、だから軍閥を対象に裁判をおこなった。ということをアピールした。
    裁判には、どちらかというと「赦す」目的でおこなわれることが多いのかもしれない。

    ●佐藤栄作
     成果のわりに、ぜんぜん人気が無かったらしい。
    それは自信家で、味が無い男だったから。うまみのないやりかたで、事務的。
    味があるひとになろう。

  • 戦前編に比べるととりあえず斜め読み。
    終戦直後の話がおもしろかった。

  • あまりにも有名になった半藤一利氏の「昭和史」の戦後篇です。
    日本が、今、こうしてある理由を分かりやすい語り口で書き進めています。丸飲みするかどうかは別として、日本という国を知る上での格好の入門書だといえると思います。

    ▲今の日本に必要なのは何か? 一つには、無私に馴れるか。マジメさを取り戻せるか。日本人皆が私を捨てて、もう一度国を新しくつくるために努力と知恵を絞ることができるか。その覚悟を固められるか。二つめに、小さな箱から出る勇気。自分たちの組織だけを守るとか、組織の論理や慣習に従うとか、小さなところで威張っているのではなく、そこから出て行く勇気があるか。三つめとして、大局的な展望能力。ものごとを世界的に、地球規模で展望する力があるか。そのためにも大いに勉強することが大事でしょう。四つめに、他人様に頼らないで、世界に通用する知識や情報がもてるか。さらに言えば五つめ、「君は功を成せ、われは大事を成す」(吉田松陰)という悠然たる風格をもつことができるか―――現在の日本に足りないのはそういったものであって、決して軍事力ではないと私は思います。▲

    読了 2007/9/9

  • 2冊分冊になっているものの後半。扱っているのは、終戦後の歴史である。紙数の多くを割いているのは、昭和20年の終戦からGHQによる占領統治を経て、昭和26年のサンフランシスコでの講和条約の締結まで。戦争犯罪者の公職追放・東京裁判、財閥解体や農地解放や教育改革、そして新憲法の制定による、太平洋戦争前の制度や体制の解体、そして、形式的にも終戦となる交戦国との講和条約の締結までを中心に扱っている。要は、現在の日本をつくっている骨組みみたいなものが、どうやって出来たのか、を丁寧に追っかけているということだ。終戦までを扱った上巻の感想でも書いたけれども、昭和史というのは、実際に学校では、あまり勉強しないので、知っていそうで、あまり知らないということではないかと思う。少なくとも、私はそうだった。自分の年齢からいって、この本で中心的に扱われているテーマについては、自分自身は実際にはもちろん知らない。でも、昭和のはじまりは約80年前のことであり、実際に昭和のはじまりから太平洋戦争を経て現在に至る時代を生きてきた方たちは、まだたくさん存命されている。それでも、この間の歴史解釈、例えば、太平洋戦争に至る道筋や、戦争中の日本軍の行動などについては、人によって解釈が大きく異なり、教科書で教える内容そのものまで異なる、ということは、よく報道されていたことだ。そのこと自体は、自分自身にとってどうでも良いことなのだけれども、でも、まぁ、昭和の通史くらいは頭の中に置いておいた方が良いだろうな、と考えて読み始めた本である。読みやすく、通史をとりあえず知りたい、という方には最適な本ではないか、と思う。

  • 先に続く戦後篇。

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著者プロフィール

半藤 一利(はんどう・かずとし):1930年生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋社入社。「文藝春秋」「週刊文春」の編集長を経て専務取締役。同社を退社後、昭和史を中心とした歴史関係、夏目漱石関連の著書を多数出版。主な著書に『昭和史』(平凡社 毎日出版文化賞特別賞受賞)、『漱石先生ぞな、もし』(文春文庫新田次郎文学賞受賞)、『聖断』(PHP文庫)、『決定版 日本のいちばん長い日』(文春文庫)、『幕末史』(新潮文庫)、『それからの海舟』(ちくま文庫)等がある。2015年、菊池寛賞受賞。2021年没。

「2024年 『安吾さんの太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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