海軍の日中戦争: アジア太平洋戦争への自滅のシナリオ

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (479ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582454482

感想・レビュー・書評

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  • 海軍には何となく開明的で理知的なイメージが確かにあった。太平洋戦争に至った原因は複雑だが、実は海軍にも相当のセクショナリズムがあって対米戦の開始を避けられなくなったことがよくわかる一冊だった。北支事変以後のいわゆる南進についても海軍が推し進めた航空兵力によるものだったことは恥ずかしながら余り知らなかった。軍令部が天皇に作戦計画を報告しているのだからいまさら戦争できないとは言えないとか、戦争できないと言えば予算は削られ陸軍の思うつぼになるとか、そういった派閥意識によって国民のみならず東アジア全域に壊滅的な被害をもたらす戦争に雪崩れ込んでいったことは忘れないでいたい。

  • 盧溝橋事件から真珠湾攻撃に至るまでの経緯がわかる。
    海軍と陸軍の対立が太平洋戦争の一因のように読めた。
    アメリカとの戦争の練習として日中戦争が位置付けられている。
    交渉が進んでいたにもかかわらず、戦争に繋がる意図的な事件を海軍が起こして日中戦争に入っていった。

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著者プロフィール

1944年、群馬県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科修士課程東洋史学専攻中退。学術博士(東京大学)。都留文科大学名誉教授。専門は中国近現代史、日中関係史、東アジア近現代史。主著に『南京事件』(岩波新書)、『第一次世界大戦期の中国民族運動』(汲古書院)、『日本軍の治安戦』(岩波書店)、『憲法九条と幣原喜重郎』(大月書店)、『日中戦争全史(上・下)』『通州事件』(以上、高文研)、『海軍の日中戦争』(平凡社)、『増補 南京事件論争史』(平凡社ライブラリー)などがある。

「2023年 『憲法九条論争 幣原喜重郎発案の証明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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