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- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582761122
作品紹介・あらすじ
急激な「近代化」は、その真っ只中に巨大な暗黒を抱えて進んだ。都市のスラム、使い捨ての女工たち、タコ部屋や坑内の過重労働、・私刑・死…その暗黒を生きた人々、忘れられた私たちの隣人の多様な生。
感想・レビュー・書評
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かなり昔に読了した本。
感想は、五冊を通じてのもの。
私が生まれた頃には、まだかすかに残ってた生活が実感できる匂いが有る。
現代でも悲惨な話、残酷な話は山ほどあるが、今現在の日本とはやはりどこか違う。それが何かは、うまく説明できないが。
だだ、今の自分にはどうしようもない。その災厄が降りかかってこない幸せに感謝する。
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こういう本を読む理由として、縁遠い底辺生活者の姿を見ることで下衆な安心感を得たいという気持ちがあったのは否定しない。だが、この本によって描き出される底辺に生きる人々は生々しく、決して縁遠くはなかった。ともすれば明日の我が身かもしれないのだ。遣る方無い絶望と無力感に打ち拉がれた。
本音は上記の通りだが、建て前の(しかし切実な)理由は、「この世の地獄にいながら、なぜ生きていけるのか」、その答えがありそうだから。このシリーズの中の事例では、その多くは「家族の為」だった。ギリギリで踏み止まっている人間も、家族を失えば廃人に堕ちていく。人はなぜ生きるか、この根源の問いの答えは、陳腐でベタだがやはりここに尽きるのかもしれない。
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