日本残酷物語5 (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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本棚登録 : 121
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582761122

作品紹介・あらすじ

急激な「近代化」は、その真っ只中に巨大な暗黒を抱えて進んだ。都市のスラム、使い捨ての女工たち、タコ部屋や坑内の過重労働、・私刑・死…その暗黒を生きた人々、忘れられた私たちの隣人の多様な生。

感想・レビュー・書評

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  • かなり昔に読了した本。
    感想は、五冊を通じてのもの。

    私が生まれた頃には、まだかすかに残ってた生活が実感できる匂いが有る。

    現代でも悲惨な話、残酷な話は山ほどあるが、今現在の日本とはやはりどこか違う。それが何かは、うまく説明できないが。
    だだ、今の自分にはどうしようもない。その災厄が降りかかってこない幸せに感謝する。

    再読したい。

  • こういう本を読む理由として、縁遠い底辺生活者の姿を見ることで下衆な安心感を得たいという気持ちがあったのは否定しない。だが、この本によって描き出される底辺に生きる人々は生々しく、決して縁遠くはなかった。ともすれば明日の我が身かもしれないのだ。遣る方無い絶望と無力感に打ち拉がれた。
    本音は上記の通りだが、建て前の(しかし切実な)理由は、「この世の地獄にいながら、なぜ生きていけるのか」、その答えがありそうだから。このシリーズの中の事例では、その多くは「家族の為」だった。ギリギリで踏み止まっている人間も、家族を失えば廃人に堕ちていく。人はなぜ生きるか、この根源の問いの答えは、陳腐でベタだがやはりここに尽きるのかもしれない。

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著者プロフィール

1907年(明治40)~1981年(昭和56)。山口県周防大島に生まれる。柳田國男の「旅と伝説」を手にしたことがきっかけとなり、柳田國男、澁澤敬三という生涯の師に出会い、民俗学者への道を歩み始める。1939年(昭和14)、澁澤の主宰するアチック・ミューゼアムの所員となり、五七歳で武蔵野美術大学に奉職するまで、在野の民俗学者として日本の津々浦々を歩き、離島や地方の農山漁村の生活を記録に残すと共に村々の生活向上に尽力した。1953年(昭和28)、全国離島振興協議会結成とともに無給事務局長に就任して以降、1981年1月に73歳で没するまで、全国の離島振興運動の指導者として運動の先頭に立ちつづけた。また、1966年(昭和41)に日本観光文化研究所を設立、後進の育成にも努めた。「忘れられた日本人」(岩波文庫)、「宮本常一著作集」(未來社)、「宮本常一離島論集」(みずのわ出版)他、多数の著作を遺した。宮本の遺品、著作・蔵書、写真類は遺族から山口県東和町(現周防大島町)に寄贈され、宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)が所蔵している。

「2022年 『ふるさとを憶う 宮本常一ふるさと選書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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