アラビアの医術 (平凡社ライブラリー ま 2-2)

著者 :
  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582761481

作品紹介・あらすじ

オリエントに暮らす諸民族の、長寿と幸福への願いから生まれたアラビア医学。歴代の名医や、あっと驚く治療法のエピソードをちりばめながら、中世イスラム社会の営みと、豊饒な文化を描きだす。

感想・レビュー・書評

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  • 科学と宗教って相反する時があって(エデンの園と進化論みたいな)、西アジアはめっちゃ科学が発達してみんな勉強家な面と、根強いアッラーの教えが共存している地域なんだよね。特に医術って生命に関することだから、微妙なところじゃん。興味深い!

    アラブ地方では、病気はジンとか邪視のせいだ、と言われ、治るも治らないも神の一存という考え方もある一方、おまじないだけじゃなくて、効果のある薬草やお酒?なんかの研究から、次第に医術は発展してきた。ギリシアは別として、中世ヨーロッパがかなり荒治療を行っていた頃から、症例や効果をコツコツまとめ、医学書を作ってきたイスラムの皆さん。やっぱすごい!万能薬のテリアカは、なんと日本まで渡ってきたらしいよ!

    医者はお金持ちに仕える仕事だったから、資金も豊富だし、研究も執筆も盛んだったんだろうね。民間ではやっぱり、アッラーの思し召しと身を委ねる方が多かったのだろうか。薬屋さんは街角にもいたみたいね。

    著者はかなりの読書家だったらしい。文章はとても読みやすく、内容もエピソードをまとめた形でとっつきやすい。西アジアって日本人にはなかなか遠い世界だと思うんだけど、これくらいの本から攻めてみると良さそう。

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著者プロフィール

1903年生まれ。東京大学文学部東洋史学科を卒業。1940年満鉄東亜経済局に入り、厖大なイスラム文献を自由にする機会を得る。慶応大学名誉教授。著書多数。主要訳書に『アラビアン・ナイト』などがある。

「2023年 『三大陸周遊記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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