イギリス観察辞典 大増補・新編輯 (平凡社ライブラリー は 9-1)

著者 :
  • 平凡社
3.52
  • (3)
  • (8)
  • (11)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 95
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (378ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582761702

作品紹介・あらすじ

19世紀のポストを見つけて「おっ、嬉しい」と思う人は、イギリスに向いている。リンボウ先生が贈る、役には立たないけれど不思議に愉快な観察の数々-。講談社エッセイ賞受賞作に26項目を増補した、さらに充実の第二版。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  車を買った。JAFに入会した。すると毎月、ひそやかな楽しみが手もとに届くようになった。『JAF Mate』。いわゆる会員誌ですね★ 可愛い動物ネタが頻繁に載り、特に猫記事が熱く、見ていて何とも気持ちがほこほこほっこりです☆
     最大の楽しみは『林望の無印良道』。走り抜けるだけの殺風景な自動車道は登場せず、林氏のお車は存外ひなびたところに入っていきます。名もなき道。曲がりくねった細い坂道。湖畔。田圃。レンゲ田(?)。時刻表とにらめっこしないクルマ旅の魅力が満載♪
     この『無印良道』を読むたび、自分は何をしているのかとあきれつつも、「ほ~ら、面白いでしょ!」と小鼻がピクピクしてくるのを抑えがたい★

     なぜなら、前々からリンボウ先生の『イギリス観察辞典』の愛読者であるからです。150回読んでも読み飽きなかった(カウントした)! 英国文化・英国生活・英国映画・英国飯(家庭料理)……の面白さをあれこれ語っていて、自然体だからこそ林望氏の知性とユーモアがあふれかえった一冊なのです。この本も読み飽きないし、英国の魔力も永久不滅です☆

     私と私の周りの読書好きに限った現象なのか、いえ、多くが認めるところだろうと思うのですが、イギリスという国には特殊に熱いコア支持層があるようなんですね。日本生まれでも、くまのプーさん(児童文学)→ホームズ(探偵小説)→ジェーン・エア(女流文学)⇔シェイクスピア(戯曲)で育ち、そのどれもに愛着を保ち続ける人が多いのです。あとはクリスティーか。
     一体なぜ、これほど私たちは英国作品に焦がれるのか? 傑作だからというのもあるけれど、その魅力の源を『イギリス観察辞典』は浮き彫りにしています。伝統息づく国が、どれほど尊敬に値するのかを☆ 由緒あるものを遺すことに意識的で、時代に振り回されないかの国の、素敵な頑固さがたまらぬのです。それに引き比べ、同胞たちよ…(嘆)

  • イギリス旅行前に、リンボウ先生のイギリスエッセイを久しぶりに引っ張り出してくる。

    ちょっと鼻にかかったsnobbismもいい調味料になっていて、懐かしさと、自分の記憶と、そして現代とのギャップを考えながら読み進むけれど、特に古臭くもなく、シニカルな目に一緒にふふふと笑いながら読み終える。

    料理好きのリンボウ先生のお耳にはもう入っているだろうけれど、あの時代に比べてイギリス料理は飛躍的に進歩しましたよ。イギリスはまずいが、真の意味でイギリスはおいしいになっています。

  • w

  • 熱い紅茶に冷たい牛乳、熱い紅茶に冷たい牛乳、熱い紅茶に冷たい牛乳と三度唱えて、暗記するべし・・・私はこの本を読んで本式のミルクティーの淹れ方を学びました。なるほど、イギリスで買って来た紅茶をカップにたっぷり淹れ、冷たい牛乳を注いで飲むと本当においしゅうございますね。(ただし、イギリスの紅茶はブラックティーの名にふさわしく、濃くて、胃の弱い人はご用心です。飲みすぎに注意が必要かと)

  • イギリス人の英語教育の仕方が興味深い。うらやましい。

  • やはりリンボウ先生のイギリスものは面白い。イギリスという不思議で愛すべき国を垣間見れます。日本という国とは当然歴史も文化も違うわけで、その違いから生まれる滑稽さや見習わなければいけない部分がとても興味深い。相変わらず偏屈なリンボウ先生もこれまた愛すべき存在ですね。

  • まだ読んでません。
    とりあえず復刊されたので買っときました。

  • 辞書・事典形式、というのも好みの本のひとつ。これもタイトル通り。イギリスについてのあれこれを、彼独自の視点で選び出して語る。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1949年東京生。作家・国文学者。

慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程満期退学(国文学専攻)。東横学園短大助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年日本エッセイスト・クラブ賞。『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(Pコーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で、国際交流奨励賞。学術論文、エッセイ、小説の他、歌曲の詩作、能作・能評論等著書多数。『謹訳源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年毎日出版文化賞特別賞受賞。2019年『(改訂新修)謹訳源氏物語』(祥伝社文庫)全十巻。ほかに、『往生の物語』(集英社新書)『恋の歌、恋の物語』(岩波ジュニア新書)等古典の評解書を多く執筆。『旬菜膳語』(岩波書店・文春文庫)『リンボウ先生のうふふ枕草子』(祥伝社)、『謹訳平家物語』全四巻(祥伝社)『謹訳世阿弥能楽集』(檜書店)『謹訳徒然草』(祥伝社)等著書多数。

「2021年 『古典の効能』 で使われていた紹介文から引用しています。」

林望の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
宮部みゆき
三島由紀夫
マーク・ピーター...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×