ウィトゲンシュタイン (平凡社ライブラリー)

  • 平凡社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582762662

感想・レビュー・書評

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  • 再読了。これはいい本。彼と親しかった著者が書いた伝記。

    異常なまでの真理愛ゆえに苦しむ彼の人生は、決して幸福だったとは思えない。

    そんな彼の最後の言葉が「私の人生はすばらしかった」だったなんて、なんだか胸が熱くなるね。

  • 昔、初めてウィトゲンシュタイン関係で読んだ本。

    あらためて読んでみて、ウィトゲンシュタインの最後の言葉「僕の人生は素晴らしかったと、みんなに言ってください」以外はほとんど覚えていなかった。

    その後、「論考」を読み、入門書や解説書を読み、何度も途中で諦めつつも「探究」を読み、また「探究」の解説書を読みなどなど、いろいろ読んだけど、結局、よくわからない。

    といろいろやったところで、最初に戻って、ノーマン・マルコムの「回想」。

    内容は、覚えていなかったけど、これはやっぱり面白いよな。ウィトゲンシュタインという人の強烈な個性に惹かれる。

    やっぱ、この人の本、わからなくても、なんか分かりたくなのは、この個性なのかな〜、と改めて思った。

    エピソード満載のとても読みやすい本なんだけど、中期〜後期を中心にウィトゲンシュタインの思想の中心に迫る話しも多く、やはり優れた「回想」だな。

  • 面白い。カリスマ

  • 本は脳を育てる:https://www.lib.hokudai.ac.jp/book/index_detail.php?SSID=5054
    推薦者 : 中村 重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター

    20世紀以降の哲学に最も影響力のあった哲学者ウィトゲンシュタインに親しく接した著者が、その人柄、哲学に対する姿勢、同時代人との関わりからゼミナールの雰囲気までを生き生きと描いた人物伝である。ウィトゲンシュタインの哲学に関心がなくても、哲学者という人びとが自分の思索にどのような姿勢で臨んでいるかを知る上で一読の価値がある。

  • つぎの学年プリンストンで教えられない由、残念です。心から残念に思います。僕の哲学教育についての見解は御存じの通りだし、この見解は今もかわらない。けれども、君が正当な理由で辞めるのならともかく、不当な理由で辞めるのは好ましくない(正当と不当は、ぼくの見方によるが)。君は、きっと立派な軍人になるだろう。けれども、ならなくてすむように祈りたい。君には、ある意味で、静かに生きてほしいのだ。親切と同情とを必要とするあらゆる人間に対して、親切で同情深くていられるような地位にいてほしいのだ。われわれはみんな、そういう親切と同情を、この上もなく必要としているのだから。

  • けっこう好きな伝記物。
    最近になって読みあさってるウィトゲンシュタインものなのだが、あちこちで引用されている本書に興味がわいて入手。

    ウィトゲンシュタインの「ひととなり」を知ることに意味があるのかどうか、という感じもしないでもないが、読み終わって思うことは背景を知ることができる伝記物ってやっぱり面白いよね、ということか。

    彼の考えたことについては、ほとんど理解できないが、彼についてはそれなりに知ることができる。
    彼が幸せな人生を送ったのかどうか、というのは彼自身も知ることができるのかどうか、とちょっと考え込んでしまった。

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】

  • 前半はノーマン・マルコムのウィトゲンシュタインの講義を受けての感想や哲学論議を交わしながらの散歩、書簡のやりとりが中心。ウィトゲンシュタインの苦悩や生活スタイルや、いわば性格的な部分が書かれている。論考読んだ印象と全然違った。もっと何事にも動じない冷淡な人間を思い浮かべていた。

    後半はフォン・ライトによる小伝。
    年表に沿った研究の流れとか。

    系統だてた哲学書の読み方はしていなかったらしい。
    カントの言っていることはほとんど理解できなかったとか。

    私はウィトゲンシュタインのほうが難解に感じる。

  • 伝説ではない血の通ったウィトゲンシュタインに出会うことができる良書。

  • ある日友人に突然「僕は愛情を人に与えることはできないけれど、僕には非常に必用なんだ」なんて言われたら、普通困るよね。困るわな。そんな言葉をふと漏らしてしまうウィトゲンシュタインという人は、自分が思っていた以上に人間味と魅力に溢れていた人だったのだと彼に師事したマルコムによるこの伝記を読んでいて感じてしまう。ノートや下準備を一切行わず、今自分が考えている問題を本気で考えるという講義形式は恐ろしいくらいにスリリング。彼の生涯は苦難と不幸だけではなく、最後は幸福の内に息を引き取ったのだと知れたのが何より嬉しい。

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