アイヌ人物誌 (平凡社ライブラリー ま 12-1)

  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582764239

作品紹介・あらすじ

その雅号、北海道人から北海道と名づけられたといわれる松浦武四郎。アイヌ人の誠実にして剛穀な生き方を丹念に記録し続けた稀有な日本人による、ヒューマンドキュメント。86年農山漁村文化協会刊の再刊。

感想・レビュー・書評

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  • 「アイヌ人物誌」松浦武四郎著・更科源蔵・吉田豊訳、平凡社ライブラリー、2002.01.09
    367p ¥1,365 C0339 (2024.04.19読了)(2024.04.12借入)
    著者の松浦武四郎について
    ☆山川 日本史小辞典 改訂新版 「松浦武四郎」の解説
    松浦武四郎(まつうらたけしろう)
    1818.2.6~88.2.10
    幕末期の北方探検家。伊勢国一志郡須川村の郷士出身。1845年(弘化2)はじめて蝦夷地に入り,49年(嘉永2)にかけて樺太・択捉(えとろふ)島まで巡歴。55年(安政2)蝦夷地御用掛となり,翌年から58年にかけて蝦夷地を踏査し,場所請負制下に苦しむアイヌの人々の実情を明らかにする。69年(明治2)開拓使判官となり,北海道の名付親となったが,翌年辞任。「東西蝦夷山川地理取調日記」など著作多数。

    衝撃の一冊でした。江戸末期において、和人がアイヌをどのように扱っていたのか、アイヌの方々から松浦武四郎が聞き取った内容が書いてあります。スペイン人が新大陸で行ったこととよく似ています。池澤夏樹さんも解説で下記の本に言及しています。
    「インディアスの破壊についての簡潔な報告」ラス・カサス著・染田秀藤訳、岩波文庫、1976.06.25
    ラス・カサスの本を読んだときは、スペイン人たちは、新大陸の人々になんてひどいことをしていたんだ、と驚いたのですが、日本人は、アイヌの人々にもっとひどいことをしていました。知らなければよかった。でも知ってしまったので、もっと深入りすることになるかもしれません。

    【目次】
    解題 松浦武四郎と『近世蝦夷人物誌』 更科源蔵
    近世蝦夷人物誌 初編
    近世蝦夷人物誌 序文 獨松居士
    初編 巻の上
    初編 巻の中
    初編 巻の下
    近世蝦夷人物誌 弐編

    弐編 巻の上
    弐編 巻の中
    弐編 巻の下
    近世蝦夷人物誌 参編
    参編 巻の上
    参編 巻の中
    参編 巻の下
    解説 蜘蛛の糸一本の面目  池澤夏樹

    ☆関連書籍(既読)
    「カムイ・ユーカラ」山本多助著、平凡社ライブラリー、1993.11.15
    「知里幸恵『アイヌ神謡集』」中川裕著、NHK出版、2022.09.01
    「ゴールデンカムイ(1)」野田サトル著、集英社、2015.01.24
    (「MARC」データベースより)
    その雅号、北海道人から北海道と名づけられたといわれる松浦武四郎。アイヌ人の誠実にして剛穀な生き方を丹念に記録し続けた稀有な日本人による、ヒューマンドキュメント。86年農山漁村文化協会刊の再刊。

  • 幕末のアイヌの人物記。
    内容は親孝行者、夫や妻に操をたてる者、村の人間を思い行動する者のエピソードに終始している。
    私がアイヌのことを全く知らなくてビックリしたのが、まるで奴隷のような扱いをされていたこと。働ける者は漁場へ出され、女は犯され、病気の者は打ち捨てられる。めでたしめでたしと言えるような話はなく、本当に日本人がアイヌにそんな仕打ちをしていたのかと読むのが辛くなる。
    それにしてもアイヌの父母への想いは並々ならぬものがある。

  • 平凡社
    松浦武四郎
    アイヌ人物誌

    末文「アイヌたちの恨みの声を〜知っていただきたい願い」から考えると、アイヌ人物の紹介というよりは、アイヌを支配する和人(場所請負人)の卑劣さの告発が メインテーマか? 本当にひどいことをする。


    話の裏付けがとれてるなら、解説者 池澤夏樹 氏の言う通り、ジェノサイドだと思う



    幕府直轄となり、皇国の民として生きることは、顎鬚を剃り落とし、髪を結び、襟を右合わせにして、名前を漢字に改めることになるらしい






  • 内容(「MARC」データベースより)
    その雅号、北海道人から北海道と名づけられたといわれる松浦武四郎。アイヌ人の誠実にして剛穀な生き方を丹念に記録し続けた稀有な日本人による、ヒューマンドキュメント。86年農山漁村文化協会刊の再刊。

  • Blog"蚕の桑"<a href="http://blogs.dion.ne.jp/calimero/archives/2305177.html " target="_blank">2005-11-17(蚕)</a>より
    「私が北海道に移り住んだ時、まず気になったのはアイヌの人たちのこと。ほとんど知識もない状態でアイヌモシリの地を踏んでいいのか、ということだった。せめてもと、いくつかの本を手にするうち、アイヌジャーナリズム蝦夷操觚界は、その名も北海道人なる雅号を持つ松浦武四郎をもって嚆矢とする、と知った。」

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著者プロフィール

松浦 武四郎(まつうら たけしろう)
1818年3月12日 - 1888年2月10日
幕末から明治にかけての探検家、浮世絵師、著述家、好古家。16歳から日本国内をめぐり平戸で僧となるのだが、親兄弟を亡くし天涯孤独の身となって、還俗して蝦夷地探索に向かう。江戸幕府から蝦夷御用御雇となり、「東西蝦夷山川地理取調図」を出版。1869年に開拓判官となり蝦夷地に「北海道」と命名した。北海道各地の名を、アイヌ語地名を参考にして選定した。
代表作に『アイヌ人物誌』、『三航蝦夷日誌』。北海道の礎に寄与した功績から、『松浦武四郎選集』刊行、そして多くの伝記文献・伝奇小説も記されている。

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