ヴァレリー・セレクション 上 (平凡社ライブラリー う 17-1)

著者 : ポール・ヴァレリー 東宏治 松田浩則

• 平凡社 (2005年2月1日発売)

感想・レビュー・書評

[shihohkanさんの感想 · 2022年10月12日]

エロスを求めて　　　　－2005.12.18記

所有するとは､もうそのことは考えないこと。
反対に､喪失するとは､心のなかで無限に所有することである。
恋愛感情は所有すると弱まり､喪失したり剥奪されると発展する。
他人をあるがままの姿で愛することのできる人はいない。
人は変わることを要求する､なぜなら人は幻影しか絶対に愛さないから。
現実にあるものを望むことはできない。それが現実のものだからだ。
おそらく相思相愛のきわみは､互いに変貌しあい互いに美化しあう熱狂のなかにあり､芸術家の創造行為にも較べるべき行為のなかに､――ひとりひとりの無限の源泉を刺激するような行為のなかにある。

[chokusunaさんの感想 · 2015年2月23日]

断章とマラルメ関連のところだけ読みたくて、手にとる。/「最後のマラルメ訪問」より/マラルメは、例年より早めに到来した夏が黄金色に染め始めていた平原を、わたしに指さした。<<見てごらん、あれは、秋のシンバルが大地に打ち下ろす最初の一撃なんだよ>>と、彼は言った。p.179/「言わないでおいたこと」より/好みは千の嫌悪からできている。p.216/ライオンは同化された羊からできている。p.220/インスピレーションというものはひとつの仮説であって、作者を観察者の役回りにおとしめる。p.232/鳥のように軽くあること、羽根のようにではなく。p.235/本物の自負心というのは、自分がしたいことを崇拝し、自分に可能なことは軽蔑し、自分の<<理想>>に、くもりない、荒々しくも揺らぐことのない偏愛をよせることだ。わが神はなんじの神よりも強し p.237/

[あかさたなさんの感想 · 2008年5月3日]

「精神の危機」収録

[sourfoxさんの感想 · 2005年9月1日]

３月の毎日新聞日曜面のレビューを見て購入。