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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582765359
感想・レビュー・書評
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「アラベスクの芸術家」は、何も書かれていない壁ないしは裸の羽目板の前に身を置き、創作を強く命じられてはいるものの、事物の記憶に頼ることは妨げられている。そんな彼は、この自由空間を、この沙漠を、何にも似ていない形式上の植物で覆う。この植物は、いくつかの点に植えつけられ、いくつかの数字に従う。そして、交差と投影といった行為によって自家受粉し、無限に繁殖し、分化し、再度自分自身に合流することが可能なのである。わたしたちの芸術家にとって、その芸術の唯一の源泉はおのれ自身にほかならない。彼は、他人の精神のなかに前もって存在しているイメージを一切あてにすることなどできない。彼は、何であれ、何かを想起させようなどと考えることはできない。彼には、逆に、「何かを呼び出す」責任がある……。そんな彼がうらやましい。p.236「対東洋」より。
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「人と貝殻」や「地中海のもたらすもの」を含む、1930年から45年までの12編を収録。
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「海への眼差し」という文章はSAKANAを愛する人は必読。
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