- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582766790
作品紹介・あらすじ
盃に酒をみたし、この世を天国にするがよい、あの世で天国に行けるかどうか分からないのだから。-十一・十二世紀のペルシアに生きた科学者にして、虚無と享楽の詩人ハイヤーム。原語からの正確で平易かつ香り高い新訳に加えて、「人間は土から創られ土になる」など、私たちと同じようでしかし違うその世界観を解説、名高い四行詩を細かいところまで味わう一冊。
感想・レビュー・書評
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やたら酒を勧めてくるペルシアの詩集。
解説も楽しいもので、読みやすく、大変おすすめ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
酔っ払いのダメ人間っぷりがよく出ている作品。この時代にこんなダメ人間っぷりを出した作風を書いていたのはすごい。
「いざ、青春の巡り来るこの日 酒を飲もう、酒こそ我が喜び。 その酒が苦くとも、咎めるな、 私の生命だから苦いのだ。」
ルバイヤートというと堅苦しいイメージがあったけど、実際読んでみるとダメ人間感が出ていてそれで親しみが湧いた。 -
1000年前のペルシャ世界に思いをはせる。砂漠の地における文化と、いつの世にも変わらぬ人間の苦悩。だから、盃に酒をみたし、この世を天国にするのだ。
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セルジューク朝に仕えたイランの科学者、オマル・ハイヤームの詩集。数学や医学、天文学に業績を残した著名な科学者でありながら、詩人としても一流であったことは本書を読めば分かる。1000年近く前の中世のイスラム社会の詩人だが、現代人が読んでも引き込まれる詩が多い。
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カテゴリ:図書館企画展示
2016年度第8回図書館企画展示
「大学生に読んでほしい本」 第3弾!
本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。
山田進教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。
開催期間:2017年1月10日(火) ~ 2017年2月28日(火)
開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース -
文化の違いって世界の見方の違いなんだな、と改めて。似ているところがあって、全然違うところもある。特に土に対する考え方が興味深かった。
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年を重ねるにつれ、人の死がどんどん身近になってくる。
それは唐突にやってくる。
Googleで「葬式 茶髪」と検索して、慄くくらいに。
生きている僕達の使命は、
先立って逝った人が持って走り続けていたバトンを
落とさずに受け取ることなんじゃないかと思う。
受け継がなくてはならない。
営みを続けていかなければならない。
生きることについて内省すると、辛い。
生きていくことは中々に困難が多い。
そんな風に悩むのは僕もオマル・ハイヤームも一緒だ。
天のように強くない、なんとも弱い1人の人間である僕達だ。
それならば、せめて享楽的に、酒を飲んで、生きようではないか。
そんな風に考えさせてくれる詩集だった。
自分が読んだタイミングも相俟って、死者への鎮魂歌のような印象を受けた。 -
2010/04/25