- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582824810
感想・レビュー・書評
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2015年の本。ライフスタイル消費から入りキンフォークやポートランドがすごいという話でなんだか懐かしい古い話と一瞬思うが、読み進めるほどにそんなことはなく。最後の2章は、資本主義の行き詰まりと次なる低成長時代は日本にとってチャンスである(なぜならいち早く低成長時代でやってきてるから)という話などは、2021〜2022年辺りで議論されてるアメリカの分断だとかGAFAMの隆盛だとかと繋がるし、ラストの「果たして自分は何が欲しいんだろうか?」という問いに答えられるようになることがこの新資本主義(あるいは新民主主義。要は今の経済成長路線ではないなにか)を生きるための指針になるという点は、2023年の今でも変わらない論点だ。
にしても、脱成長と日本は確かに相性良い気もする。
みんなで手を取り合ってて勝てないのが日本と思ってるが、勝つ(成長)のを是とせず不条理な格差を生まずにみんなまあまあ幸せ("攻めない"最大多数の最大幸福みたいなもの)を狙うという感じは、確かに相性良さそうだし。
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ファッションから経済への接続。つまり自分の仕事から社会や世界への接続。栗野さんのモード後の世界で感じたそれとはまた違った、客観から捉えて編集し切る感じもまた良い。
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菅付雅信、編集の巧さ、マジで好き。2013年に見た講演でドギモ抜かれて以来。 -
ライフスタイル
ファッションからライフスタイル自体がファッション化している
ライフスタイルは切り売りではなく、時間をかけて自分たちのものにしていく。
ノームコア
カスタマイズにより、ゴミは無くなる
需要から供給へつなげる
お金の支払いにありがとうを載せる
SNSにより、自慢がしにくくなった。周りが見えすぎるせいで。
→だからモノの方がどんどん下がっていった。 -
いかに世界から、特に若者から物欲がなくなっているか極めて冷静に教えてくれる本。
資本主義の終焉も示唆されている。今、読んでおくべき本。 -
「果たして自分は何がほしいのか」の答えを用意しよう。
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日本の若者が物を買わない、から始まるファッション業界から世界のライフスタイル。
アメリカと中国の消費行動の変化。
若い世代のシェア。
ピケティやケインズなどの資本主義の経済学まで幅広く網羅して、今後の超資本主義予想まで。
別に物を買わないのは日本の若い世代特有の行動ではなくて、物が飽和した世界のライフスタイルそのものだよ、と言った話。 -
大量生産・大量消費の経済が崩壊つつある現代の世の中をどう生き抜くか。
DIY・シェア・リサイクルなど、ムダな消費を控え今あるものを有効に活用することがそのヒントになる。 -
「ライフスタイルと欲求の変化」から始まり、「オープン化」「シェアリング・エコノミー」「格差」といったトピックは様々。
「○○離れ」は悪いことでもなんでもなく、次なる社会や体制に脱皮するためのサインではないかという、なかなか興味深い一冊でした。 -
2016.07.29 マーケティング、広告を生業にしているものとして多くの示唆をもらった。この本の中で紹介される本のいくつかはすでに読んだが、著者の視点が加わることで改めて今後のあり方を考える良いきっかけになった。次の時代の構想をしなければならないと再認識した。経済の時代から○○の時代へ、その中で経営やマーケティングは、教育はどうあるべきか?難しい課題だ。
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最近流行りの、モノをほとんど持たない、いわゆる「ミニマリスト」的な生活についての書籍、という訳ではなく、資本主義社会によって産み出された大量消費・物欲社会の行き詰まりという現状認識から、既に先進国で始まりつつある物欲なき社会という近い未来社会への移行について論じている、経済社会に関する内容。後半からかなり興味深い内容だった。まぁ、前半は、アメリカのポートランドの様子、モノでは無くライフスタイルが売り物になりつつある状況、先進国の若者の間の消費離れ状況などのレポートが中心。大量生産された既製品の大量消費社会というのは実にこの50年ぐらいの短い歴史であることや、近年の自分でモノを作ることを楽しみながら最低限の消費、量から質への転換を見つつ、後半は貨幣経済や現代の電子マネー、ビットコイン、信用取引などの根源について論じていて示唆に富んでいた。既に誰もが感じている種々の資本主義社会の行き詰まりは、このシステムではもはや解決できない転換点に達しているのかもしれない。次の社会へのソフトランディングは無理なのかも。本書を読むと、アベノミクスがやっていることは、完全に前近代的な、終わりつつあるマネー資本主義の論理の枠組み内におけるその場しのぎで、手段の目的化に過ぎないなぁ、と感じた。だからと言って、次の社会を目指して世界をリードする度胸と知恵がなければ、「この道しかない」のかもしれないけど。