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- Amazon.co.jp ・本 (197ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582829709
作品紹介・あらすじ
前途多難の才能が、卓抜したユーモアセンス、鋭い言語感覚で放つ待望の散文集。日々のこと、かくことよむこと、生きてきたこと-過去の記憶からしたたり落ちるしずくを、あるときは笑いに包み、あるときは壊れそうな心で受けとめる。
感想・レビュー・書評
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『低反発枕草子』(2016年)が面白かったので、著者の昔のエッセイ集を読んでみた。昔といっても2001年刊。
『低反発枕草子』は、タイトルが示すとおり軽妙なユーモア・エッセイ集であった。
それに対し、本書はさまざまなメディアに発表した多彩なエッセイを寄せ集めたもので、内容も色とりどり。
前半は『低反発枕草子』に近いユーモア・エッセイが中心だが、後半にはエッセイというよりほとんど詩に近い文章もある(著者は詩人・作家)。
幼少期について綴った文章の中にはシリアスなものもあり、ユーモア・エッセイを読みたくて手を伸ばした当方は戸惑った。
が、どのエッセイにもさすがに、詩人らしい言葉のきらめきが随所にある。
たとえば、他の詩人について書いた数編は、味わい深いエッセイであると同時に、優れた詩人論にもなっていると思う。とくに、辻征夫への追悼文は心にしみる。
全体としては粒揃いのエッセイ集である。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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