夏の日の思い出は心のゆりかご ([絵本は人生に三度]手帖Ⅱ)

著者 :
  • 平凡社
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本棚登録 : 27
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (159ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582835168

作品紹介・あらすじ

誰にも「心の故郷」がある。絵本は、その懐かしい感覚を甦らせ、生きるいのちに潤いをもたらす。柳田邦男が薦める51冊の絵本。

感想・レビュー・書評

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  • 必要があって、読んだ本

    子どものころに読んだ絵本は、心のゆりかご=自分がもどる原点 のようなものになるということには、賛成。

    だけど、「絵本は人生に三度」という言葉には、ちょっとした違和感を覚える。
    三度出会うということは、それぞれ出会っても、いったん離れるということ。
    それは、柳田さんがどこかで絵本は子どものものなのだから、大人は離れるものだと思っているからなのだと思う。

    絵本は、子どもに向かって真摯に作る。
    でも、だからと言って子どもじゃなくなったからと言って、離れなくちゃいけないものではないのだと思うのだ。

    確かに、自分が子どもだった時、子育てをする時、人生を卒業する間際には、絵本はとても身近になる(あるいは、そうしてほしい)時ではあるけれど、絵本が心に染みるのは、そうした時だけじゃない……と、私は思うのだ。

    良本がたくさん紹介されているのは、ありがたい。
    でも、それこそ、大人の目線なんだなあ……と思う選書の基準を感じる。

  • 三葛館一般 019.5||EH||2

    本書は、雑誌『看護管理』(医学書院)において今なお続いている連載「おとなが読む絵本-ケアする人、ケアされる人のために」に著者が記したエッセイを再構成の上、加筆修正して出版されたシリーズ「[絵本は人生に三度]手帖」3冊のうちの2冊目にあたります。1冊目は第31回展示図書「雨ときどき晴れ」でもご紹介しました。三葛館では、この連載で紹介された絵本はできるだけ揃えるようにしています。
    著者の柳田邦男氏はノンフィクション作家ですが、ご自身の体験から、こどもだけでなく大人をも癒す絵本がもつ力を実感し、大人こそ絵本を読むべきと薦めています。そんな著者が綴るエッセイを読んで、絵本を選んでみてはいかがでしょうか?
                                  (もも)

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=61132

  • 「絵本は人生に三度 手帖?」という副題がついた柳田さんの絵本レビュー。柳田さんは「心の故郷」という言葉を使って、絵本の世界の持つ独特の魅力を大人になってしまった我々に、再三伝えようとしている。人間には幼少時に深く印象付けられた楽しかった出来事や美しい情景などが、記憶の中に刻まれていて、何かの拍子にそれらが表へ出てきて、懐かしさや美しいものとして心を打つのだという。 「心の故郷」というべき、それらの情景や感覚は、意外にも絵本との出会いによってよみがえってくるものらしい。簡潔な文章と美しい絵、あるいは刺激的な言葉と力強い線で描かれた絵本は、なるほど人々の心の中の幼少時の記憶を強く揺さぶるのかもしれない。

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著者プロフィール

講談社ノンフィクション賞受賞作『ガン回廊の朝』(講談社文庫)

「2017年 『人の心に贈り物を残していく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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