- Amazon.co.jp ・本 (79ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582836677
感想・レビュー・書評
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森をつくり、水を清め、生きる糧を与えてくれる木々。昔から共にある大きな存在に、人々は畏敬の念をもって神を見出し、抱かれるような安らぎを覚える。
荒ぶる力に根こそぎ薙ぎ倒され、荒れ地に横たわるクロマツには、豊かな自然と、人々と共に暮らした明るい記憶がいつまでも残る。
「私はこのままここにいて、背中や腕に、
子供たちの笑顔の花を咲かせたいのです」
ルリユール、大きな木のような人、チェロの木、木の赤ちゃんず、いせさんの描いてきた木々のスケッチと記憶が12の物語になっています。
「空を向いて残ったわずかな手で、
わたしはひとひらの青空をつかもう
折れた腕を全て大地に沈み込ませ、
わたしはわたしの新しい根になろう」
クロマツの再生への希望を残して。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クロマツから始まり、色んな木をめぐり、またクロマツに戻る12の物語。
大震災と大津波のあと流されたどり着いた場所で根の裏側をさらしたまま倒れているクロマツ。
いせさんはその1本のクロマツに「描いてくれますか…」と呼びとめられた。
いせさんが初めて描いた被災地の風景、それがクロマツだった。
クロマツの絵も一緒に書かれている文もとても重く悲しい。
最後クロマツに少し希望が見えてきて嬉しかった。
また菜の花の海が見られるといいね。
クロマツ以外の絵もお話もいせさんらしさが出ていてとても素敵。
いせさんは木と心が通じ合ってているのだろうな。
これからもずっと語り合っていくのだろうな。 -
絵本作家<いせひでこ>さんのスケッチ帖から、12の記憶と木をめぐる心の風景を語った創作絵本です。東日本大震災で被災した亘理吉田浜(わたりよしだはま)に、根こそぎ倒され流されたクロマツから始まり、枯ゆくクロマツで終わる12の物語は、サクラ、ケヤキ、アカシア、ドングリ、ブナ、ヤドリギなど、木々との詩情あふれる語りで彩られています。 鳥たちがさえずる「とりの木」、タヌキの舞う「たぬ木」までもが登場しての、郷愁をそそられる癒しの絵本です。
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いせさんの描かれる木が本当に素晴らしい。何度見返しても見返しても感動する絵。見るたびにまた新たに心に響く絵。じーっと見つめ続けたい絵。ページをめくり、お話しをじっくり味わう毎に、何かのエネルギーが静かに伝わってくるよう。読み終わったら心と身体が綺麗になったような気がした。
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2017/05/03
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木の根の裏側が印象的で即購入を決めた一冊。洪水すれすれの大雨の後、河川敷に取り残された流木が同じような姿をさらしていて、二度どきりとしました。この本を手にしているお客様に読み終わった頃にお声をかけたら、泣いていらっしゃいました。心の深いところに届く本です。
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とても良かった。
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木にまつわる12の物語。
一際印象的なのは、東日本大震災で倒れたクロマツのお話でした。 -
いせ ひでこ
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これって大人向けの絵本かな?