見えざるユダヤ人: イスラエルの東洋 (平凡社選書 174)

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  • 平凡社
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582841749

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  • 1959/7/9 ハイファのスラムでモロッコ系ユダヤ人が警官に射殺されたとの情報が拡散し暴動を起こす。イスラエルに来たモロッコ系ユダヤ人は生活習慣の違いもあってイスラエルにうまく馴染めておらず、社会の最下層としてエスタブリッシュメントなら疎んじられていた。ハイファ港に到着後は国境沿いの開発都市に押し込まれたが適応できず大都市に戻ってスラムを形成する人も多くいた。
    また1970年代には米国の黒人至上主義のブラックパンサー運動に触発され出身地域による不平等の是正、モロッコ系ユダヤ人の待遇改善を求めて示威運動を行った。(一方で中東系ユダヤ人は敬虔な人が多く運動拡大には繋がらなかった。)
    当時のイスラエルは建国時からの与党である労働党が政権を握っており、彼らの不満は労働党と正反対の存在である右派政党リクードへの投票へと向かった。
    リクードもアラブ系に対する中東出身ユダヤ人の優越性を訴え彼らの票を取り込んだ。

  • イラクからイスラエルに移民してきたあるユダヤ人少年が、移民直後の新移民者用特設キャンプ(マアバラ)の貧しい生活から抜け出し、豊かなキブツに派遣されることになった。ところが、キブツは自分にはなじみのないヨーロッパ的生活とそれを支える価値観が支配する世界だった 。

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著者プロフィール

1956年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科国際関係論博士課程単位取得退学。在ヨルダン日本大使館専門調査員、佐賀大学助教授、エルサレム・ヘブライ大学トルーマン平和研究所客員研究員、国立民族学博物館教授を経て、現在、日本女子大学文学部史学科教授。京都大学博士(地域研究)。専攻は中東地域研究。主な著書に、『見えざるユダヤ人――イスラエルの〈東洋〉』(平凡社選書)、『中東和平への道』(山川出版社)、『イスラムの近代を読みなおす』(毎日新聞社)、『原理主義』『世界化するパレスチナ/イスラエル紛争』『イスラエル』(以上、岩波書店)、『イスラームはなぜ敵とされたのか――憎悪の系譜学』『大川周明――イスラームと天皇のはざまで』『アラブ革命の衝撃――世界でいま何が起きているのか』(以上、青土社)、『世界史の中のパレスチナ問題』(講談社現代新書)などがある。

「2018年 『「中東」の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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