日本人はカレ-ライスがなぜ好きなのか (平凡社新書 66)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582850666

感想・レビュー・書評

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    【要約】


    【ノート】
    ・新書がベスト

  • 日本の国民食であるカレーライス。そのカレーライスに対するイメージは世代によって違うようだ。
    例えば著者のイメージだと黄色いドロっとしたカレーだが、ぼくのイメージだともう少し茶色いルーでスパイシーなカレーだ。
    イメージは違えど、カレーが好きな点は変わらない。なぜ日本人はこれほどまでにカレーを愛するのか、カレーの歴史を通して日本人の正体を探る。

  • カレーはおいしいよね~。
    「いちばん好きな食べ物は」と問われたら、僕は躊躇なく「カレー」と答える。
    カレーほど美しい料理はない。
    ご飯と肉と野菜を大量に摂取できる、まさに「完全食」。そしてどんな食材だろうが取りこんでしまう懐の深さ。ああ美しい。

    てことで、カレーについて書いている本で悪書なんてないのである。
    本書はカレーの歴史、特に黎明期を詳しく書いていたのがよかった。
    あと著者の言う「舶来ものの先端をゆく料理」というイメージがあったからこそ日本人に受容されたのではないか、という意見には説得力を感じる。なるほどね。

  • 「輪るピングドラム」でカレーがよく出てきていたので、
    どんなふうに家庭料理の代表になったのかが気になって読みました。

    歴史をカレーライスから眺める、
    というのも乙なものです。

    カレーライスが日本に広まったのは、
    西洋文化としてイギリスから入ってきたから、
    という話が出てきますが、
    これは非常に納得のいくところ。

    欧米礼賛の向きは今でも色濃く残っていて、
    特にIT業界なんかは、
    やれ「アメリカでは」だの、
    「ヨーロッパでは」だのといった言説が、
    あたかもそれが「正義」であるかのように流布していたりしますからね。

    この本を読む限り、
    西洋文化として入ってきて、
    上流階級の嗜好品だったカレーが日本全国に広まった理由は、
    軍隊のメニューに入っていたのが一番大きいことに驚きです。

    除隊や休暇で帰郷した際に、
    カレーを振る舞ったらさぞ喜ばれたんでしょうね。

    よく耳にする、
    カレーだけはお父さんが作るという話は、
    簡単というのもあるでしょうけれど、
    原風景はここなのかなぁと思いました。

    即席カレーの大手企業の創始者が、
    ほとんど薬種問屋だったというのも、
    スパイスがもともと薬として活用されていたことの端的な表れですね。

  • 西洋へのあこがれから家庭の味へ。日本の技術と執念がここに。

  • [ 内容 ]
    アウトドアならやっぱりカレー、二日酔いでもなんとかカレー、お蕎麦屋さんでもときどきカレー、お正月でもかまわずカレー、アジアに生まれ、西洋の風に乗ってやってきた“食の王様”、この異なる二つの文化を日本人はどう受けとめ、どう取り入れたのか?
    和洋折衷メニュー考案、国産カレー粉づくりへの奮闘、テレビCM戦略、レトルト戦争など、カレーライスによせる熱い情熱のすべて。
    安くて旨くて早いから?
    いいえ、カレーライスを愛する理由は、もっと奥が深~いのです。

    [ 目次 ]
    プロローグ カレーとはいったいなんだ?
    第1章 カレーは文明開化のクスリだった
    第2章 日本でカレーはどう変身したか
    第3章 カレーライスの先駆者たち
    第4章 日本の軍隊はカレーが好きだった
    第5章 奇跡の再生と百花繚乱のカレー
    エピローグ カレー好きな日本人の不思議

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • カレーがどのように日本に伝わり、どのように普及していったかがわかる一冊。
    私は「インド人もビックリ!」以降の世代の人間なので、インドが発祥と言うことは当然知っているが、明治初期にはカレーライスは和洋折衷の食べ物であり文明開化の象徴であった。西洋料理としてではなくインド料理として伝わっていたらこんなに日本では普及しなかったであろう。

    ■この本を知ったきっかけ
     小飼弾『新書がベスト』で紹介されていた。
    ■読もうと思ったわけ
     カレーが好きだから。

  • 何気にカレーの歴史は奥深いものがあります。
    かの軍隊でもカレーはメニューとして出ていたのですから。
    蛇足として敵語を嫌悪していた時代にも
    海軍のほうではカレーと言う名称が残っていたとか。

    その他にも
    カレーの歴史を眺めていると
    結構現存する食品会社がちらほらと出てきたりするのです。
    これには驚きましたね。

  • なぜこういうカレー本が好きなのか(笑)と聞きたいほどこういう類の本はあるような気がするが。
    あまり目新しい説はなく、可もなく不可もナシと言う印象。
    一冊読んで見るのもよし、と言った感じか。

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著者プロフィール

井上宏生(いのうえ・ひろお)
ノンフィクション作家。
1947年佐賀県生まれ。学生時代に3年半、伊勢の地で生活したことから、伊勢神宮をはじめ神社仏閣の造詣が深く、神仏に関する多くの著書や、雑誌の特集記事の監修を長年務める。また、スパイス研究の第一人者としても著書が多数ある。
著書には『神さまと神社』『日本神話の神々』(祥伝社新書)、『謎とき伊勢神宮 神々と天皇と日本人のDNA』(廣済堂出版)、『写真で見る 伊勢神宮の365日』(新人物文庫)、『スパイス物語』(集英社文庫)、『日本人はカレーライスがなぜ好きか(平凡社新書)などがある。

「2013年 『新しいお伊勢参り “おかげ年”の参拝が、一番得をする!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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