アドラー心理学 シンプルな幸福論 (ベスト新書 275)

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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584122754

感想・レビュー・書評

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  •  「嫌われる勇気」というキャッチコピーでアドラー心理学には興味を持っていたので、この本を購入。

     アドラー心理学のイメージとしては、かなり「強い個人」というものを要求しているんじゃないかと感じた。例えば「悲しいから泣いているんじゃない。泣きたいから悲しいと思っているんだ。」のごとく。ただ、これが後々自分の幸せにつながっていくんだろうなぁ、というところまではなんとなくわかるけど、まだ論理的に整合性が自分の中でもついていないので、再読が必要だな、と。

  • 何のためこんな仕事しているのかとブルーな今の自分にセレンディピティ。幸せとは、すべて対人関係にある。結果自分完結する価値観。

  • 4章以下は、アドラー心理学というよりは、著者の意見。もちろん、アドラー心理学がベースにあるのだろうけど。

    単純にアドラー心理学の入門書としては、同著者のアドラー心理学入門の方がよい。
    また、単なる読み物としては、同著者共著の嫌われる勇気の方がよい。 

  • カウンセラー仲間が昔学んでいたというアドラー心理学
    私、カウンセラーだけど、お恥ずかしながら知りませんでした
    なので、簡単な入門本でお勉強です

    一読して思うのは「哲学」チックな部分が多いから、一般の方が読むと
    理屈ぽく感じるかもね・・・
    「そんなの分かってるわぁぁ、だから、どうしろって言うの?」
    って叫びたくなる部分もある
    ちょっと「悟り」ぽい部分もあり・・・
    私は交流分析を学んでいるから、「似てる考え方だな」ってことで
    理解できる部分があるけど、これだけだったら、ちょっと難解だったかも(笑)


    「感情に限らず、何かに強いられ、自分ではどうすることもできないということはありません。
     なぜなら、すべてのことは、自分で決めているからです。自分ではどうすることもできなかったと
     考えたい人はあります。そのような人には、そのように考える「目的」があるのです。」(p28)

    「人生が複雑なのではなく、私が人生を複雑に、そのため、幸福に生きることを困難にしている。
     人生についての「意味づけ」(ライフスタイル)を変えれば、世界は信じがたいほどシンプルになる」(p32)

    「アドラーは「大切なことは何が与えられているかではなく、与えられているものをどう使うかである」と
     いっています」(p40)

    「他の人は私に何をしてくれるか、ではなく、私は他の人に何ができるかを考えたいのです」(p90)

    「人生の課題を解決できるためには、他者への関心が発達していなければなりません。
     なぜなら、この人生の課題は対人関係であり、対人関係に何か解決を要する問題が起こった時に
     自分は何もしないけれど、他の人が自分のために何かをしてくれると思っている限り、人生の課題は
     解決されず、そのため人生はいよいよ困難なものになるからです。」(p103)

    「相手を理解するためには、「自分だったら」という発想から抜け出し、相手の立場に身を置き
     自分と他者を同一視することで相手に共感することが必要になってきます。
     理解するというのは、自分を相手と同一視することです」(p121)

    「人生に意味がない、とか、目的がない、と考えるのは、人生が自分の思うとおりにならないと
     思う人だけです。この人生が何もかもうまくいくことなどありえないことは、真剣に人生を生きてきた
     人にはよく分かっていることでしょう。」(p204)

    「何かが実現すれば、その時、初めて本当の人生が始まる、あるいは、今は仮の人生だが何かが実現すれば
     本当の人生が始まるのではなく、今こそが「本当」なのであり、今は、リハーサルではなく、本番なのです。」(p210)

    「先のことも見据え、かつ、今ここに集中するという二重の生き方が求められます。即ち、現実がどうであれ
     理想を見失わないことと、今、ここに生きることを重視することを両立したいのです。」(p213)

    「ただ目的地に着けばいいというものではありません。目的地に着くまで眠っていてはつまらないでしょう。
     途中の景色を楽しめばいいのです。」(p217)

    「目的の達成に至るまでに、ただそのことだけ直接有用なことをするのではなく、一見、無駄なこともできる
     ところが、人間と機械の違いであるといえます。」(p218)

    「ただ遊び、楽しむという時間があっていいわけですし、上手に遊べる人だけが他の人生の課題もこなせると
     いっていいくらいです。」(p226)

    アドラー心理学を学んでいた仲間がなんでこれだったのか、少し分かる気がした
    でも、活かされてるのかな?大丈夫かな?

    私が去年の後半くらいから、生活の中に意識的に入れてきた「遊ぶ」という活動
    これって本能的に「今のままじゃダメだ!」って警告音がして取り入れてきたんだけど
    自分の本能、スゲェェって思った(笑)
    机上の勉強ばかりしてたら、きっとこの本能もダメになってたかも・・・
    緒方貞子さんも言っている「最後は勘」だと(ちょっと違う?笑)

    ちょっと違う本でもアドラー心理学、引き続き勉強してみようかしらん

  • 読みやすかったです。

  • 人の評価に依存しない!というところは参考になったのだが、決してシンプルではなかった。

    いくつか考え方で参考にできるとこはあった。

  • 2012.02.01-03
    ○個人心理学?
    *分割されず、統一された全体としての個人を考察する心理学。
    *人間を精神と身体、感情と理性、意識と無意識とに分けるようなあらゆる二元論にアドラーは反対した。
    *たとえば、心が葛藤状態にあるというふうには考えない。

    ○目的論?
    *分割できない全体としての個人が、何らかの目的を立て、その目的を達成するために行動する、とアドラーは考えた。
    *たとえば、怒りにかられて大声を出すのではなく、大声を出すために怒る。不安で外に出ないではなく、外に出ないから不安。
    *するか、しないかの目的があって、目的を達成する手段が感情。
    *感情が原因ではないので、どうすることもできないことはない。
    *不幸は過去に原因はない。だから、未来にある目標を変える。

    ○ライフスタイル?
    *自分や他人をどう見るか、どう意味づけるか。
    *「性格」ではない。生まれつきのものではない。
    *自分で選んだものであり、変えることができる。
    *2歳で認められ、遅くとも5歳には選び取られる。
    *現在のアドラー心理学では10歳前後。・・・σ(・_・;)ボク?

    ○ライフスタイルを変える異義?
    *人生が複雑なのではなく、私が人生を複雑に、そのため、幸福に生きることを困難にしている。人生についての「意味づけ」(ライフスタイル)を変えれば、世界は信じがたいほどシンプルになる。
    *苦しい人生が気の持ちようによって楽になる、という意味ではない。
    *世界や自分についての意味づけが変われば、世界との関わり方、行動までもが変わらざるをえない。

    ○自分のこと好き?
    *自分のことを好きになれないという場合、好きにならないでおこうと自分で決めている。自分を好きにならないという決心は、人に関わらないでおこうと決心すること。

    ○自分を好きになるには?
    *ライフスタイルは自分で選んだということを知る。
    *今までのライフスタイルと違うライフスタイルがあるということを知る。
    *今までの自分を見直す。
    *他人の評価にとらわれない。
    *ありのままの自分でいる。
    *自分に違った光を当てる。
    暗い→優しい、飽きっぽい→決断力がある、臆病→慎重など。

    ○そのままでいいの?
    *社会的な、あるいは、対人関係的な文脈の中でのみ、個人になるのだから、最初から他の人との関係を離れて生きることはできない。だから、そのままではよくないこともある。

    ○自分を好きになるにはの続き?
    *自分に価値があると思える時にだけ、勇気を持てる。
    *自分の価値は他者への貢献によって得られる。
    *貢献は他者から認められることを求めない自己完結的。
    *自分がしたいことをすることが人に役立つことになるのがいい。
    *特別なことをしなくてもよいと考える。

    ○他の人をどう見るか?
    *他の人は「仲間」である。
    *自分が人の期待を満たせない。他人も自分の期待を満たせない。
    *だから、命令ではなく、言葉でお願いするしかない。
    *人のあり方が互助的である以上、可能であれば自分から与える。

    ○他の人との向き合い方?
    *劣等コンプレックスを持たない。「はい……でも」は使わない。
    *他者への関心を発達させる。相手のライフスタイルを知る。
    *あらゆる関係は対等。
    *共感能力を高める。映画や小説の登場人物への感情移入。
    *他者と競争しない。ライバルは持たない。
    *失敗を恐れない。できることから少しずつ。
    *課題の解決に注力し、対人関係は気にしない(手段決定の勝敗)。
    *自分の人生に責任を持つ。他人にいい顔する必要はない。

    ○失敗から学ぶ?
    *人は失敗からしか学べない。交友関係でも恋愛関係でも、自分の思いが相手に伝わらなかったり、誤解されたり、時には諍いが起こるというような経験が、成長の糧になります。

    ○幸福になるために大切なこと?
    *いま、ここに集中して生きる + 永遠の目標を見据える
    *永遠(究極)の目標=自分の生死を超えた目指すべき理想
    *永遠の目標にフォーカスして生きるからこそ、回り道も楽しめる。
    *生まれてきた以上、世界をよくするために自分の役割が必ずある。

    ○アドラーの講演会で・・・
    質問者:今日の話はみんな当たり前の話(コモンセンス)ではないか?
    アドラー:それで、コモンセンスのどこがいけないのですか?

  • アドラー心理学については『アドラー心理学入門』を読んだ方が良いと思う。特に後半は著者の考えなのか、アドラー心理学の考え方なのか、あいまいでわからなかった。また、ところどころ「私」が「読者」のことであったり、「著者」のことであったりするので混乱する。「シンプルな幸福論」という副題の割にはいろいろと混みいった感じがした。参考文献の一覧が充実しているのがうれしい。そちらにもあたってみたい。

  • 「見かけの因果律」という言葉がおもしろい。本当は関係ないことを、困難の起こっている理由にすること。何十年も前のことを持ち出して、いま自分がうまくいっていない理由にするのはカッコ悪い。いまここに目を向けることこそ、いましあわせと思えるシンプルな方法。

  • 優しい語り口でアドラー心理学への入り口へと案内してくれる。
    さらにアドラーの世界に入ってみたくなった。

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著者プロフィール

1956年生まれ。共著書に『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)、訳書にプラトン『ティマイオス/クリティアス』(白澤社)ほか。

「2020年 『自然と精神/出会いと決断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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