干されている。先生のご経歴はつまりそういうことなのだろうか。
ところで新自由主義や主流経済学の問題は赤ん坊である我ら人類を神のごときに見誤っている点にある。別にそれ自体が普遍性を持つ反民主というわけではない。己が誰かも知らず隣人とすらコミュニケーションの難しい私たちが貨幣という強大なエネルギー体とどうにも渡り合える訳がないだろうという話だ。
自己が確立できた上でのグローバリゼーションは理想に違いない。だがそれは己を完全に理解した人類がようやく神のシステム、エネルギーを操れるという段階に達したことを示す。
現代貨幣理論は主流経済学に、まだ赤ん坊の私たちが不用意に外の世界に出たら死ぬよと言っているのである。ただ私たちにはあらゆることが早すぎる。
・・・という方向にしたら多少マシなのではないだろうか。全力で干されるよりは。
ついでに、根本原因と解決すべきは何かということまで考えてみよう。
太古の昔、人類は蟻や蜂などの社会性昆虫のようなメス運営型社会で、オスの仕事は昆虫同様に生殖と少しの力仕事のみであったという。
ある日、神様に取り付けてもらった脳みそを悪用したオス、いわゆるカーストの下位に位置するモテないオスが「お前らはメスに騙されている」とその他のオスたちにそそのかしを吹き込んだ。安定した生活に誰も相手にしなかったがモテないオスの執念は凄まじく、吹き込みは何世代にも渡って続けられたそうだ。
ある時、食糧難か災害の発生による社会の危機が訪れた。不安にかられたその他のオスたちは神様に取り付けたもらった脳みそを使えないままに、吹き込まれるように吹き込まれ陥落した。
つまり彼らはアノミーに乗じた下剋上を狙っていた。これが今の社会の始まり。
と神様が言っていた。(人間をそんな風に作ってないしうまくいくわけないだろう的な。たぶん神との対話3)
※原文だと神様も自分で何を言いたいのか分からないご様子だったので私の超訳
この歴史はこの社会の組み立てられ方、私たちが今信じているものを見てもわかることだ。そして人類に活動というものが「あるとすれば」復讐の主体と客体による三文芝居。ほぼそれのみである。
つまりレントシーキングは人類の発生から繰り返されているこのモテないオスの執念によるもので、人間という生命存在の根源に関わる根深い問題ということだ。
神様がなんでそんなことをするのかは分からないが(分からないフリをするが)、私たち人類が直面している唯一にして最大のミッションがこれ。脳(騙せる能力)を取り付ければ畢竟こうなる。
騙された果ては魂まで酷く傷つけられた死体の山と種の消滅。そして最悪なのがモテないオス達が最も傷ついていて、人を貶す事で自らを傷つけていることだ。はっきり言って他の問題は全て派生。本質ではない。私たちに問われているのはこの人類存続の審問のみなのだ。私から見れば。
ついでに。
不換通貨はいつかの時点では大衆心理によって担保されていただろう。信用創造の性質と人間の習性に鑑みればおそらくその時代はあった。たぶん徴税権力による担保に置き換えることができたのは「偶然」(ということにしておくが)の可能性が高い。
つまり商品貨幣論は間違いというよりも理想論から現実的な在り方にシフトできるシステム或いはアイデアが誕生した。
・・という方向にしたら多少マシなのではないだろうか。全力で干されるよりは。
先生大変だったろうな。これ書くの。私が全力でまとめておきます。
【まとめ】
■構造改革(失敗しかしていない米国からの戦略輸入)の実情
アメ型成長戦略(賃金主導型:労働者保護)=人件費がカットできないため高付加価値製品の開発促進。インフレ圧力(貨幣価値低)=格差縮小=ポジティブサム
↓シフト
ムチ型成長戦略(利潤主導型:労働者非保護)=人件費削減、労働組合潰し、数量投入(高齢者女性移民)で賃金の上昇防ぐ。技術開発の投資なしに海外移転や買収で利益追求。デフレ圧力(貨幣価値高)=格差拡大=ゼロサム
■失敗戦略を輸入、続行する理由
・PFI(民営化PrivateFinanceInitiative「低廉かつ良質な公共サービス」と「民間の事業機会の創出による経済の活性化」by内閣府。はそもそも両立しない)→レントシーカーの既得権益(ex国営)を利用した庶民へのルサンチマン煽り
・吏員型官僚=改革派(AI的に楽に仕事したい:ムチ型採用)の台頭による調整型官僚(面倒な利害調整をする:アメ型採用)の駆逐
・内閣人事局(改革派官僚による創設)による官僚無力化(調整型官僚と族議員の関係から生じた官僚主導の誤解を利用)。→改革派(を装ったレントシーカー)による庶民へのルサンチマン煽り
・国家公務員の年功序列に対する改革派の庶民へのルサンチマン煽り→官への民間登用による回転ドア:政府部内の主要ポストにウォール街出身者を送り込み政府要人をウォール街に迎え入れるところから名付けられている
・財政健全化、法人税減消費税増税=貨幣価値高=レントシーキング
■勤勉なバカの理由(学べないエリート、経済に道徳や精神論(国民の品格)を持ち出す人格者≒民主政治制限論者)
認識共同体≒洗脳はアップデートができない=古いやり方や集団の認識に固執するex主流派経済学→新自由主義に異を唱える者を消す
メタファーが思考に影響を及ぼす脊髄反射(MMTのメタファー:財政「赤字」を拡大して良い、政府「債務」は増やしても問題ない)
センメルヴェイス反射:少数意見を潰す反射。特に日本人に顕著
■保守が新自由主義と結びつく理由=インフレ恐怖
・米国から「インフレ=民主主義の過剰」の論理が流入(実際はベトナム戦争の軍需、石油危機の原油高、変動相場制へのドル安が原因)←フランス革命の反省から(民主主義に対する慎重な態度)
・60年代若者たちの反体制運動の過激化による社会秩序危機の記憶
■リベラルと新自由主義が結びつく理由
・1970年代:ソ連中国の体制に絶望→政治を分断する対象を階級からアイデンティティ(マイノリティの解放)に移行
・1990年代:連帯、平等から多様性、差異、個人の解放、エンパワーメント(新自由主義と親和性)
・サッチャー「社会なんてものは存在しない」
■イデオロギーの四元構造
・2016米大統領選挙:親グローバル右(共和党主流)/左(ヒラリー)/反グローバル右(トランプ)/左(サンダース)
・EUプレグジット:親グローバル右(保守党残留)/左(労働党残留)/反グローバル右(保守党離脱ジェレミーコービン)/左(労働党離脱ボリス)
■ポピュリズム台頭の責任:フェイクだらけのトランプ勝利の理由
・勤勉なバカ或いはレントシーカーエリートへのカウンター(世界的にポピュリズムは反グローバル運動)
■グローバル化による国家主権の制限(民主政治への優越)
・民主国家における国家主権は国民主権→グローバル化の深化=民主政治の後退
・フランス黄色いベスト運動、ヨーロッパ極右勢力の台頭→グローバル(反民主)vsポピュリズム(本来の意味では人民=民主主義)
■英EU離脱について
・マーストリヒト条約(財政赤字GDP3%以下政府債務GDP60%以下)は財政主権の放棄→ユーロの貨幣価値下げないため=デフレ
・2008年世界金融危機でマーストリヒト条約のため財政出動ができない結果、失業率の増大
■マーストリヒト,WTO,NAFTA,TPP等は立憲主義の発想を国際条約に応用したものと考えることもできる
・憲法=民主政治に制限をかける法規範=反民主的性格を帯びる=民主政治を無視、均衡財政の強制(貿易資本移動労働移動の自由等も制限できる)
・日本で言えば国際条約については衆議院だけで決められる→レントシーキング利用が可能
■主流経済学者のインフレ恐怖症の(MMTを受け入れられない)理由
・不換通貨は大衆心理によって担保されているとの考えから=ハイパーインフレ
・不完全な民主政治でなく完璧な市場メカニズムが経済をきれいに調整してくれる世界が理想だから。(中央銀行の主導独立による民主政治の影響を受けない物価調整が理想)
・不換通貨は政府の徴税権力によって担保されていると考えるのがMMT→徴税権力=民主政治。に対して反民主主義=エリート主義(世界的に)だから
■歴史の問題:経路依存の問題
・システム面:今更労働者派遣法の禁止やEU離脱は難しい
・イデオロギー面:終戦後の財政赤字の抑制に成功した官僚が自分と同じ後輩を人事の評価基準にする→デフレや災害時にも同じことしかできない
読み終えたのでカバーを外したら表紙カバーのそでに大きく「私はどうなってしまうのでしょう?」と書いてあった。
むかし、私の理論をこっそり丸パクリして発表した学者がいた(無論彼の親切心からである。私が底辺ゆえに)。学会から戻ってくるなりキレた。ぜんぶお前のせいだ。よく考えたら大統領全員暗殺されてるじゃないか。などと喚いていた。
そりゃ先生も無事では済まないんじゃないかな。