軍事を知らずして平和を語るな

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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584189672

感想・レビュー・書評

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  • 石破茂とキヨタニの対談。

  • もう、古い書籍ですが今日の日本の国防や自衛隊の問題に関して知りたくて読んで見ました。とても面白かったです。

    敗戦から冷戦期を終え、70年もの間、米国の核の傘下にいた為に、日本国民は、日本を守ること日本人を守ることを真剣に考えることせずに済んだ。
    その為に不自然に形を歪めてきた日本人の国防意識を平易で具体的な説明と事例を紹介しながら対談形式で読ませてくれる本書は私にような無知の輩にもとてもわかり易かったです。

    世界情勢が刻一刻と劇的な変化を見せている現代において、これまでとの変化を否定して気づかないふりを続けるんじゃなくて、
    「何がどう違っているのか」
    「その違いに対してどんな対処が必要なのか」
    「今すぐ準備を始めておくべきは何なのか」
    そう言ったことを考えたり、話し合ったりしていければいいな…って思います。

    70年も平和であった日本を、この先の子々孫々にも受け渡していく為に、今、変化を感じて対応する心の準備をしたいと思う。
    平和や国防って自分たちで守るものなんだって
    意識を変えて行くことから始めていけばいいと思います。でも早い方がいい…

  • 勉強になります。

  • 小泉政権で防衛庁長官を務めた後の本。二人の話が噛みあっていて、国防の実情がよく理解できる。
    論理的に思考して語ることのできない他の政治家の問題が、浮き彫りとなって感じられる。
    日本の諸問題を突き付けられ、暗澹とさせられる本でもある。

  • 軍事界隈については疎いので、参考になった。

    もう日本と軍隊についてはしっかりした議論をすべきなのだと思う。
    むしろもっと早くするべきだったのだと感じる。

    日本の抑止力について議論のないまま、
    沖縄の基地の移転うんぬんの話をするべきではない。

    議論をした結果、今のままでいいと国民が思ったのならば、
    それでいいと思う。ただ、議論しないまま維持し続けることは
    日本にとってはさらに今後問題が起こる可能性を高めるだけだと考える。

    軍事と真正面から向き合い、日本なりの平和とは何なのか。
    そのことを問い考え答えをだすことが大切であって、
    目を背けて向き合わないことが平和につながるわけではない。
    問題を先送りすることは、ほとんどの場合において悪い結果しか生まない。

    ちなみに軍備費は、子ども手当なんかに比べると、
    乗数効果は大きいと想定されるので、国内で製造して
    国が買うという選択肢を考えたほうがいいと思った。

    もちろん、目的は経済効果ではないのだから、
    無理に買う必要はないのだけれども。

    --気になった言葉--
    国家という存在は、国の独立や社会の秩序を守るために、暴力装置を合法的に独占・所有しています。(P15)
    軍人と官僚がそれぞれの立場で政治家を補佐するわけです。必要なのに「軍人」を遠ざける我が国は異常なんです。(P24)
    でも、徴兵制は今の軍隊にはそぐわない。今や軍隊はプロフェッショナルの世界になっていますから。(P40)
    東京大空襲だって、疎開したのは都民の15%です。「民間人が戦場にいてはいけない」という当たり前のことが議論されなかった結果です。(P68)

  • 平和とは、それを守るための不断の努力をもってはじめて得られるものであることを、永世中立国スイスの取り組みや、これまで読んだ元自衛官の著書その他で学んだ。まさに、本書のタイトルは「極右的」な考えとしてラベリングするべきものではなく、「正論」なのである。

    本書は、「防衛オタク」と揶揄されながらも、国防について本気で取り組んできた数少ない政治家である元防衛庁長官、そして初代防衛相である石破氏と、軍事ジャーナリスト清谷氏との対談本である。

    日本におけるシビリアン・コントロールは「官僚統制」であること、今日における徴兵制は精神論にもとづいて議論されているものであり、高度な技術・訓練を必要とされる現在の防衛体制(設備・装備)を考えれば時代遅れであること、国内の軍事産業は経営の効率化がなされておらず、十分に成長できていないこと、といった指摘は非常に具体的である。

    また、イデオロギー論についても言及されており、日本における進歩的「平和主義者」の議論への矛盾(自衛隊、国防軍には否定的でありながら、軍を認める国連を賛美する)も、非常に的を射ている。

    「平和ボケ」と言われる日本人であるが、こうした風潮は米ソ冷戦構造によってもたらされたものであり、それが崩れた今、そして近隣に安全保障上問題のある国のある日本のおかれた地理的環境を考えれば、個人的には、日本もスイスに習って民間人の防衛意識を高める必要があると考える。また、国として軍備を充実させ、抑止力を向上させることも、やはり必要になることであろう。

    平和は力の均衡によって保たれる。この国際的な常識を、日本人も共有しなければならない。


    対談本はややもすると議論が散漫になったまま発行されたりしがちなジャンルであるが、本書は論点が非常に整理された形にまとまっている。対談がもともとロジカルに進められたということもあろうが、これは編集担当の努力も相当なものであったと思われる。ただ、さすがに専門家顔負けの2人であり、具体的な提言をしていくためには仕方のないところでもあるのだが、随所に具体的な兵器の名前が出てきて、確かに「マニアック」な内容も含まれるので素人にはわかりにくい部分もあったことを付記する。

  • 憲法9条、自衛隊、愛国心、日米同盟、北朝鮮、特定アジア、国際テロリスト、
    軍事メーカー…。元防衛庁長官・石破茂と、軍事ジャーナリスト・清谷信一が、
    これまで語れなかった国防問題を明かす対談集。

  • 内容はすごく読みやすいと思う.
    「無責任な平和論」を語らないために,いい本かな?

  • タイトルが過激って思うかも。石破さんは飄々としてますが、俺の持論に近い。初心者にも読み易い危機管理読本。

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著者プロフィール

1957(昭和32)年鳥取県出身。慶應義塾大学卒業後、三井銀行(現三井住友銀行)に入行。1986(昭和61)年、29歳で衆議院議員初当選、以来9期連続当選。農林水産政務次官、農林水産総括政務次官、防衛庁副長官、防衛庁長官を経て、2007(平成19)年に防衛大臣、2008(平成20)年に農林水産大臣。自由民主党では過疎村対策特別委員長、安全保障調査会長、高齢者特別委員長、総合農政調査会長代行、政務調査会長等を歴任。2012(平成24)年から自由民主党幹事長を務める。主な著書に『職業政治の復権』、『国防』、『国難』、共著に『坐シテ死セズ』、『軍事を知らずして平和を語るな』、『こんな日本を作りたい』など。

「2013年 『国防軍とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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