折り返しの巻なので、ようやく那智姉弟の秘密や九桐の暗躍が明かされ始める。
人物紹介で龍紀だけが「主人公」とされていることに違和感があったけど(風祭兄弟2人で主人公だと思っていた)、九桐の暗躍を目の当たりにしたり真璃子の手記を読んだり、重要なシーンに立ち会うのは龍紀だけなので、そういう意味で「主人公」なのかな、と。
第壱話の被害者である三辻が再登場したが、第壱話で気絶した後どうなったのかは一切語られず、また被害に遭うという。このシーンは三人称視点なんだから、少しくらいフォローがほしかった。
これまで《力》を与えられた者たちは家庭環境や人間関係などですでに絶望的な状況に置かれていたけれど、第拾弍話では静瑠が直々に《陰》に傾かせていた。これはいまいち。すぐに使える生徒がいなくて、仕立て上げるところからやらなくちゃいけないのか? 今まで《力》を与えるだけだった静瑠がわざわざ小道具を用意し嘘をついてまで《陰》を増幅させるなんて、小物っぽいというかショボく見える。(それだけ余裕がなくなってきているのだろうが)
4巻目にして、ようやく技名が出た。けどルビが違うのが残念。(本当に誤字脱字齟齬が多い)
技名は最初から出したほうが良かったと思う。風祭兄弟が古武術の使い手だというのは『東京魔人學園クロニクル』などですでに知っているけど、双龍変発売当時に読んだ人はいまいちピンと来なかったんじゃないかと。
龍紀は那智や九桐を異常だの人間業じゃないだのと言うが、氣を放出できるのも異常で人間業じゃないが…。
女子大生2人を夢中にさせて1人とは肉体関係になる男子中学生、怖…と思ったけど、あいつ高3で何人もの女をはべらせてたわ。あれは築かれるべくして築かれたハーレムだったのか。(しかし、となると他にも孕ませてるんじゃ…)
真璃子は良家の子女なのに、ちゃんとアルバイトをしていたことに驚き。実家からの仕送りだけで生きてそうと思ってた。
「ジジイがいやらしい目で見てきてキモい」というのはなんだったんだ…と思ったけど、真璃子の自意識過剰や被害妄想・思い込みの激しさを表していたのかもしれない。