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- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784585053682
作品紹介・あらすじ
順調な経済成長を遂げながら依然抱える大多数の貧困層と貧富の格差複数宗教とカーストにより分断された社会-。『台頭するインド』の実相と変革の姿を解き明かす。
感想・レビュー・書評
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おすすめ資料 第22回元外交官の見たインドの今(2007.4.27)
1991年に経済自由化したインドはその後、目覚しい経済成長を続けていますが、日本の報道・文献での扱いの多くは経済面に偏っています。
その中で昨年末に出版された本著では、外交官時代を含めて50年間インドと向きあってきた著者が今のインドの変化を複眼的な視点で捉えています。
カーストによって横割りにされているインド社会ですが、携帯電話の普及は階層の違う者同士が直接話す機会を増やし、洗濯機は「不浄」なものとして特定の階層に押しつけられていた行為を中産階層自らが行う生活スタイルを生み出し、人々の意識を少しづつ変えつつあります。
一方、国内では依然として6割を越える貧困層が存在し、経済発展の恩恵を受けているのは一部の人達に過ぎません。
後半部分では著者はインドと核、インドを軸とした国際政治、2005年の小泉首相の訪印をめぐって最近の日印関係にも言及し、外交官の経験に根ざしたメッセージを随所に散りばめています。
コンパクトですが、今のインドに留まらず、歴史・政治の移り変わりにもページを割き、総合的なインドの案内書になっています。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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