他者のような自己自身〈新装版〉 (叢書・ウニベルシタス 530)
- 法政大学出版局 (2010年5月25日発売)
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感想 : 2件
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- Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588099199
作品紹介・あらすじ
これまで、解釈学的現象学の方法論によって、言語の創造性を探求してきたリクールの〈倫理への回帰〉を示す思索。ハイデガーやアーレントの発する〈誰が〉の問いに答えるべく〈自己の解釈学〉を三つの段階──分析を経由する反省、自己性と同一性の弁証法、自己性と他者性の弁証法によって構築し、自己の中心に他者が現前することを明らかにしつつ、著者独自の主体の哲学の再建を目指す。【哲学・思想】
感想・レビュー・書評
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言語行為論的研究を扱っている。人称について考えてみたい人は一読を。
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ポール・リクール初めて読んだが、文章がなかなか難解だった。「自己」なるものをめぐって思考が凝らされてゆく。最初は言語における「自己」「自己自身」等が分析されるが、当然ながらフランス語での話なので、フランス語の知識がない自分にはかなり理解が難しい。
しかし苦労して読んでいくと、このスリリングな知的探究がおもしろくなってくる。
ただし、最後の方、なぜか話題は「倫理」にうつってゆく。なぜそうなるのかよくわからなかった。先日読んだマイケル・サンデルの続きであるかのような錯覚に陥った。カントが道徳の根本的価値と断じた「自律」の概念をたどることによって、「自己」をめぐる本書のテーマに還ってくる点は理解できたが。
ポール・リクールはもうちょっと著書を読んでみないと、立ち位置がよくわからないと感じた。
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