比較のエートス: 冷戦の終焉以後のマックス・ウェーバー (サピエンティア)

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  • 法政大学出版局
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784588603228

作品紹介・あらすじ

〈比較〉の思想家としてのマックス・ウェーバー。その比較とは、複数の概念、類型、あるいは文化を同等の位置にあえて置き入れ、互いに突き合わせることで、相互にリフレクションを誘発せしめるような知の営みであった。本書は、20世紀初頭にウェーバーが実践した比較の契機を掘り起こし、その政治理論を冷戦の終焉以後の現代政治の文脈に置き入れ、その今日的な意義を再検討する。

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    “比較”不能なポストモダンから“比較”する多元主義へ。
    相互にリフレクションを誘発せしめるような知の営みとは?―。

    [ 目次 ]
    比較の政治理論家としてのウェーバー
    第1部 保守・ポピュリズム・官僚制(信条倫理化する“保守”―ウェーバーとマンハイムを手がかりにして;デマゴーグ以後―マックス・ウェーバーと脱政治化の問題;マックス・ウェーバーと官僚制をめぐる情念―sine ira et studioと「不毛な興奮」)
    第2部 ふたつの比較研究―「儒教とピューリタニズム」と『職業としての学問』(「儒教とピューリタニズム」再読;ドイツの大学とアメリカの大学―比較研究としての『職業としての学問』;ナショナリズム論の現在―今野元『マックス・ヴェーバー』を読む)
    第3部 受容史研究(日本のウェーバー受容における「普遍」の問題)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 冷戦が終わり、日本も右から左の大きな違いが無くなったと言われるが、世界共通の現象であり、また小泉内閣のようなポピュリズム、デマゴーグなどもまた共通。それをウェーバーが的確に予言していた・・・?。また中国の台頭は「儒教とピューリタリズム」からどう考えるのか?最後の論文の「日本のウェーバー受容における『普遍』の問題」は非常に明確な結論です。日本に導入された経緯が大塚久雄によるものであり、日本社会を魔術的、前近代と認識しており、変革のエートスとしてプロテスタンティズムに注目していたと論じ、大塚の時代背景やそして内村鑑三の弟子であったということに触れています。大塚の弟子、山之内靖はウェーバーは必ずしも欧近代化の合理主義を賛美するものでなかったと主張しており、確かに「プロ倫」の最後の謎めいた言葉を理解する上で謎が解けたように思います。

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著者プロフィール

1969年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。2003年、ボン大学哲学部で博士号(Ph.D)取得。早稲田大学政治経済学術院助教、岐阜大学教育学部准教等を経て、2010年4月より立命館大学法学部准教授。専門は政治学、政治思想史。主な著訳書に、Kampf und Kultur: Max Webers Theorie der Politik ausder Sicht seiner Kultursoziologie( Berlin: Duncker & Humblot, 2005)、『闘争と文化―マックス・ウェーバーの文化社会学と政治理論』(みすず書房、2006年)、『官僚制批判の論理と心理――デモクラシーの友と敵』(中公新書、2011年)、『はじめて学ぶ政治学』(共著、ミネルヴァ書房、2008年)、『大学と哲学』(共著、未來社、2009年)、クラウス・オッフェ『アメリカの省察――トクヴィル・ウェーバー・アドルノ』(法政大学出版局、2009年)、などがある。

「2011年 『比較のエートス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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