比較のエートス: 冷戦の終焉以後のマックス・ウェーバー (サピエンティア)
- 法政大学出版局 (2011年12月1日発売)
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- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784588603228
作品紹介・あらすじ
〈比較〉の思想家としてのマックス・ウェーバー。その比較とは、複数の概念、類型、あるいは文化を同等の位置にあえて置き入れ、互いに突き合わせることで、相互にリフレクションを誘発せしめるような知の営みであった。本書は、20世紀初頭にウェーバーが実践した比較の契機を掘り起こし、その政治理論を冷戦の終焉以後の現代政治の文脈に置き入れ、その今日的な意義を再検討する。
感想・レビュー・書評
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冷戦が終わり、日本も右から左の大きな違いが無くなったと言われるが、世界共通の現象であり、また小泉内閣のようなポピュリズム、デマゴーグなどもまた共通。それをウェーバーが的確に予言していた・・・?。また中国の台頭は「儒教とピューリタリズム」からどう考えるのか?最後の論文の「日本のウェーバー受容における『普遍』の問題」は非常に明確な結論です。日本に導入された経緯が大塚久雄によるものであり、日本社会を魔術的、前近代と認識しており、変革のエートスとしてプロテスタンティズムに注目していたと論じ、大塚の時代背景やそして内村鑑三の弟子であったということに触れています。大塚の弟子、山之内靖はウェーバーは必ずしも欧近代化の合理主義を賛美するものでなかったと主張しており、確かに「プロ倫」の最後の謎めいた言葉を理解する上で謎が解けたように思います。
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